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守護獣な私と巫女と呼ばれる彼女と、のんびり過ごす獣愛物語。  作者: にゃんたるとうふ
魔女の国で―――
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魔女の感性は、コレが普通なの?

私たちを出迎えた浮遊する手に驚いて声を失っていると、ロズダは気にした様子もなく口を開く。

「お久しぶりです、モルモニ。長い時間任せっきりですみません、これからはこの村にいる時間も増えるので安心してください」

〈もしかしてぇ、ロズダぁ?もう帰ってきたんだぁ、思ったより早かったかもぉ・・・入って入ってぇ〉

手招きする手に促されてロズダが足を踏み入れたので、私たちも恐る恐る建物に足を踏み入れた。


〈あたしは今三階にいるからぁ、階段で上がってきてねぇ?お友達はその時に紹介してぇ〉

「はい、ではまた後で」

入り口付近の棚の上に降り立った手と会話をするロズダの姿を尻目に、私は建物の中を見回した。

「壁は全部本棚になっていて本がびっしりと入ってるね、全部魔法に関する本かな?」

そう呟きながら近くの本棚に視線を向ける、読めない言語の本もあるからもしかして他の大陸の本かな?

「たまに帰ってくる魔女の方々がお土産を持って帰ってくるのです、それが貯まりたまってこんな構造になっているのでしょう」

そうなのか、とりあえずまずは家主の元へ向かおうか。


部屋の奥にあった螺旋階段を上がって二階の光景を見ると、先ほど見た青白い手(口と目無し)に似たものが数体飛び回っていた・・・何だこの光景。

「凄まじい光景だな、どういう仕組みなんだ?」

「そういう魔法としか言えませんね、私も深く知っているわけではないので」

ふむっ、まぁ知ったところで使うことはないだろうから別にいいんだが・・・そう思いながら階段を上る。


三階へと着いた私たちは目の前にある扉へと視線を向ける、この階は部屋全体を見渡せないんだな。

「着きましたね・・・入りますよ?」

入り口同様に数回扉を叩いたロズダが扉を開けて中に入り、それに続くように私たちも部屋の中へと足を踏み入れた。

「いらっしゃーいぃ、元気そうでよかったよぉ」

「モルモニもお変わりないようで、相変わらずそこから動かないのですね」

部屋の主はベッドに寝転がりながらそう声をかけてきた、長い黒髪を無造作に放り投げて桃色の瞳をした魔女・モルモニはロズダを見つめて懐かしむように目を細める。

「それは言いっこなしだよぉ、あたしは動かなくても何でも出来るんだからぁ。それよりも、早くお友達と愛した少女を紹介してぇ?」

その口ぶりはどこか私たちを知っているような感じで、ロズダは何か言いたげだったが一つ息を吐くだけで何も口にすることはなく私たちの紹介に移った。

「こちらがラーナリア国の守護獣であるソフィさんで、こちらがその巫女のサナエさん。そしてこちらが―――」

「は、はじめましてっ!ソフィ様の侍女をしているユキナです、今日からこの村で暮らすことになりました!よっ、よろしくお願いします!」

とりあえず会釈をする私とサナエとは違ってしっかり自己紹介をしたユキナに、モルモニは元々下がっていた目尻をさらに下げて柔らかな微笑を浮かべた。

「こちらこそよろしくぅ、私はモルモニ。『知識の魔女』って呼ばれてるみたいぃ、わからないことがあったら教えてあげるねぇ?」

「は、はいっ!ありがとうございます!」

モルモニの言葉に元気な返事を返したユキナ、その姿を見て満足そうに頷いてから視線をロズダへと向ける。

「礼儀正しい良い子だねぇ、しかも純粋な人間種ぅ・・・ロズダぁ、この娘欲しいぃ」

「ダメです、ユキナさんは私とずっと一緒にいるんですから」

「はぅ・・・♡」

ロズダの真剣な言葉に顔を赤くして頬に手を当てるユキナ、いつもの変態性がないと割とまともだよなぁロズダって・・・いつもそうであったら私は苦労しないのにな。


「ユキナちゃんの件は追々話すとしてぇ「渡しませんよ?」――ロズダが戻ってきたってことはぁ、私の役目はここまでってことだよねぇ」

「・・・そうですね、今まで苦労をおかけしました」

「苦を感じたことはないけどぉ、お婆様を困らせないようにねぇ」

「・・・はい、わかっています」

神妙な顔で受け答えするロズダという違和感しかない光景を眺めながら、一体何の話かと首を傾げていると唐突にモルモニが身体を起こした。

「それじゃあぁ、これは返すねぇ・・・えいやぁ」

「んっ・・・!」

気の抜ける掛け声と共に人差し指から光が走り、それをロズダに向けると光はロズダの身体に吸い込まれた。

「一体何をしてっ―――む?」

光が完全に消えると、ロズダの背に見覚えのないものが浮かび上がって・・・

「それは、巫女の紋章か・・・?」

それは魔女の姿を模した紋章であり、ロズダは背中の開いた服を着ていたために確認することができた。

「はい。私、ロズダは・・・ローレンワイス国の巫女なんです」

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