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守護獣な私と巫女と呼ばれる彼女と、のんびり過ごす獣愛物語。  作者: にゃんたるとうふ
自然の国と獣の国で―――
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異形の大狼VS地獄の番犬&牛の番犬(話し合い)

私は意気込みと共にその場を蹴って跳ぶと、今にもぶつかり合いそうなケルベロスとオルトロスの間に割って入った。


――そこまでだ、貴様らがしようとしていることを今一度考え直せっ


唐突に空中から降り立った私に驚いた様子で目を見開いていたケルベロスとオルトロスは、私の言葉を聞いて訝しげな視線を向けてきていた。


『何っ?急に出てきたと思えば偉そうに、大体お前には関係がないだろう。部外者は黙っていてもらおうか、これは我らの問題だっ!』


――生憎とそうもいかないのでな、貴様らを止めるようにと頼まれてしまったからにはそれを全うするだけだ


『・・・頼まれただと?』


私の言葉に疑問符を浮かべながら視線を向けるケルベロスとオルトロス、だが二人とも心当たりがあるのか少し苦々しげな顔をしていた。


――貴様らが争うことで国全体が歪んでいる、このままではどちらの国も滅びるぞ?それは貴様らの望むことではないだろう


私がそう語りかけると二人はグッと言葉を詰まらせ、ケルベロスとオルトロスは視線を交わすと気まずげに項垂れていた・・・心情を表すように両者の六つと四つの耳が垂れ下がっていた。


――話を聞くにお茶会とやらで何かあったそうではないか、一体何があった?


そう尋ねると先程まで項垂れていたケルベロスが三つ首を勢いよく上げて口を開いた。


『聞いてくれるか!?実はお茶会ではドライアドが作る甘い菓子を食べながら獣人の作っている渋めの茶を飲むのだが、せっかちな妹はあろうことか俺の菓子を間違えて食べたのだ!それを指摘したはいいが謝罪は適当で心がこもっていなかった!だから私は憤慨したのだっ!!礼儀がなっていない妹の性根を叩き直すためになっ!!』


『アタシはちゃんと謝罪したのに姉者は心がこもってないとケチをつけてきたんだ!だから私も怒って反発したんだっ!!難癖つける姉者を粛清する為だっ!!』


そう叫びあって再び睨み合いを始めた二人に、私は盛大に溜息を吐いてから二人の頭全部をぶっ叩いた。


『――ごぉっ!!?』『――きゃんっ!!?』


――しつこいぞバカ者どもがっ、そんなに菓子を食いたいならもう一度茶会をすればよかろう


私がそう言うと、二人はポカンとした後にその手があったかという顔をこちらに向けた。

君たち頭が多いのに、頭が悪いの?それとも月に一回しかしないということに固執してたの?

なんにせよ、これでこの国同士のいざこざは治まったかな?早くサナエに会いたいなぁ。




何ともしょうもない姉妹喧嘩が発端のバサル・ボウ国とリーファス国の戦争は、もう一度盛大にお茶会をするということで丸く収まった。

リーファス国の守護獣・オルトロスを止めたことでルルイに感謝の言葉とお茶会への招待を受けた私たちは、その行為を無下にするわけにもいかずに参加することにした。

とりあえずリーファス国の宿屋で身体を休めることにした私たちは、木で出来たテーブルを囲んでのんびりしていた。

「大きな木の中をくりぬいて作ってるんだね、この宿屋。地面に出入り口があったから外から見たらただの木だったけど、ドライアドは地面を潜れるから心配ないのか」

なかなか面白い造りになっていることに感嘆の声を漏らしていると、台所に行っていたユキナが飲み物を持って戻ってきた。

「どうぞ、ソフィ様。それとサナエ様の分も。はい、ロズダさん」

私の前にコップを二個置いてからロズダにコップを手渡したユキナは、ロズダの隣に腰掛けると手に持つコップに口をつけた。

「サナエはどうする?飲み物、飲む?それともそのままでいる?」

「ん~・・・もう少しだけこのままソフィの膝を堪能しようかな?んんぅっ・・・んふふっ♪」

私の膝を枕にして寛ぐサナエの笑顔に癒されながら、ユキナが淹れてくれた飲み物に口をつけた。

「っ・・・甘っ!これってお茶じゃないの?」

「花の蜜を溶かした飲み物だそうです、お茶はバサル・ボウ国の方が主流らしいですよ?」

へー、そうなんだ・・・この飲み物も慣れると案外美味しいかも。

「・・・あと、ルルイさんから蜜も貰いましたし」

「・・・では、それをユキナさんに使ってもいいんですよね?」

何かを呟いたユキナの耳元でロズダが何かを呟くと、ユキナは顔を真っ赤にしながら小さく頷いていた。

「? 何かあったの?ユキナの顔が真っ赤だけど・・・?」

「い、いえっ・・・!なんでもないですぅ・・・!」

勢いよく首を横に振るユキナに、疑問符を浮かべながらもそれ以上気にしないようにした。

「んんっ、ソフィ♪・・・あむっ♡」

「――うひゃっ!もうサナエ、急に太ももに噛み付いたらビックリするよぉ・・・」

太ももから口を離したサナエはこちらを見上げると、涎に濡れた口元を舌なめずりしていた・・・すっごく可愛いからキスしておこう。

「ぁんっ!もぅ、ソフィ・・・♡そういうのは二人っきりの時にね?」

「サナエも私の太もも噛んだくせにぃ、そういうのはずるいよ?えいっ!」

サナエの身体を持ち上げて私の膝に座らせると、ユキナとロズダに見えない角度で唇を重ねた。

「ぷぁっ・・・二人に見えてないし、これでいいんだよね?」

「あぅ・・・♡ソフィは強引なんだからぁ・・・♡」

そう言いながら拒絶しないサナエと、少しの間口付けを交わし続けた。



「あのお二人は相変わらずですね・・・私たちもしますか?」

「――っ!むぅっ!ロズダさんはエッチですぅっ!」

口ではそう言うユキナだが特に動こうとはせず、心なしか少しソワソワしている様子だった。

「・・・そういうユキナさんも人のことは言えませんね、アハハッ」

「むうっ・・・むうぅぅっ・・・!」

頬を膨らませてロズダの腕を叩くユキナに、ロズダは頬を緩ませながらそれを全て受け入れていた。

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