街の探索と買い物を経て・・・
グリフォンとガチファイトを繰り広げた次の日、グリフォンとピューイが暮らす街に一番近い街の宿屋に泊まった私たちは街を探索することにした。
「ここはグリフォンがいる街の次に大きい街だそうですよ?雑貨やこの国の名物など、色々売っているそうです」
「ほう、昨日の内によく調べたものだ」
ロズダの口にすることに素直に感心しながらも、辺りを見回すとハーピィたちは本来の明るさを取り戻したのか活気に満ちていた。
「・・・今頃グリフォンはピューイと仲良くしているのかな?」
昨日のピューイの姿を思い出して、グリフォンは知らずに仲良くしているんだろうなぁと少し不憫に思いながらも深く関わらないようにしようと決めた。
「そういえば、ソフィがグリフォンと戦っている時にピューイが言ってたんだけど・・・グリフォンって性別は雌らしいよ?」
サナエがおもむろにそう口にしたことに私は驚きで目を見開いた、そうなの?俺様って言ってたからてっきり雄かと思ってたけど、ということは雌で大きな胸好きなの?
「・・・変態、か」
私がそう呟くと後ろを歩いていたロズダが身を震わせていた、たしかに貴様も変態だけど今は貴様のことを言ってないぞ。
「ねぇ、ソフィ。あそこの雑貨屋さんを見てみようよ!色々な物があるみたいだよ?」
「そうなの?じゃあ見てみよっか、ユキナとロズダも行こっ」
サナエに手を引かれながら後ろに声を掛けると、ロズダの腕を掴んだユキナが笑顔で頷いて駆け寄ってきた。
雑貨屋さんに入ると羽を用いた飾りや、ハーピィが着ている服などが置かれていた。
「この服も色々と参考になりそうですし、一着買ってきますね?他に欲しい物があれば声を掛けてください」
そう言って壁にかけられていた服を持って店員のハーピィの元へと向かったロズダを見送ってから、サナエは何か欲しい物があるのかと尋ねようとして何かをジッと見つめていることに気付いた。
「? サナエ、何か欲しい物でもあったの?」
「あっ、ソフィ・・・本当はブレスレットがいいんだけど、ソフィは獣に戻る時に身に着けてる物は取らなきゃいけないからこっちのイヤリングがいいかなって・・・どうかな?」
「サナエからの贈り物なら何でも嬉しいけど、でも私お返しとかないよ?」
私がそう言うと、サナエは軽く首を振ってから自身の唇に人差し指を添えた。
「私は物より・・・ソフィの愛がこもった行動が欲しいなぁ♡」
「任せてっ!サナエにこれでもかっていうほどの愛を注いであげるね!」
可愛いサナエを抱き締めながらそう言うと、サナエは嬉しそうに頬を緩ませてからイヤリングを買いに行った・・・そういえばサナエってお金持ってるのかな?
そう思っているとワンピースの裾を引っ張られるのを感じて振り返ると、ユキナが少し俯きがちで視線を向けている姿があった。
「どうかしたの、ユキナ?」
「えっと、私も料理とか色々頑張ったんですから・・・何かご褒美が欲しいですっ!」
ユキナの主張に暫し考えてから、その頭を優しく撫でて労ってあげることにした・・・私はお金とか持ってないからね。
「いつもありがとね、ユキナ。これからも美味しいご飯を作ってくれると嬉しいな、もちろん手伝えることは手伝うよ?」
「あうぅぅっ・・・!ソフィ様に手伝わせるわけには、ロズダさんがいるので大丈夫ですよ!?これからもソフィ様の侍女として頑張りますねっ!!」
両手を握り締めてそう意気込むユキナの頭をさらに撫でていると、買い物を終えたサナエとロズダが戻ってきていた。
「ユキナ・・・?ソフィに何をさせているの?さっさと離れなさいっ」
「あいにく頭はソフィ様自ら撫でてくださったんですぅ!だからサナエ様に文句を言われる筋合いはありませんっ!」
睨み合うサナエとユキナに首を傾げていると、ロズダが期待に満ちた視線を向けてきたので完全に無視してサナエの元へと歩み寄った。
「あ・・・」
ユキナが小さく声を漏らしていたが、気にせずにサナエの側に行くとその頭を優しく撫でた。
「よしよしっ」
「んぅっ・・・くすぐったいよぉ、んふふぅっ♪」
頬を緩ませて笑顔を浮かべるサナエの可愛さに見惚れながら、サナエが満足するまで頭を撫で続けた。
「むうぅっ・・・次こそはっ・・・!」
「あの方のサナエさんへの好意はどうしようもない気がしますが・・・かといって諦めるのも、この際ユキナさんでも・・・?」
ユキナはロズダから向けられている視線に気付かずに、次こそはソフィの気を自分に向けさせようと思考を巡らせるのでした。
雑貨屋さんの近くの店も見て回ってからちょうど見つけた食事処で昼食を食べて次は何処を見て回ろうかと考えているところに、国境を越える前に出会った最初のハーピィの女性・ミーリがこちらに駆け寄ってくる姿が見えた。
「いたいたっ!連れて行かれていた皆を開放してくれてありがとう、それでピューイちゃんを知らない?あの子だけ戻って来てないみたいなんだけど・・・」
心配そうに眉を下げながらそう口にするミーリに、ピューイはグリフォンの元に残ると言っていたことを伝えた。
「―――ってことなんだ、だから心配はいらないと思うよ?」
私の伝えたことに少し驚いた表情をしていたが、すぐにホッと胸を撫で下ろしていた。
「そっか。ピューイちゃんが嫌々側にいるわけじゃないってことが分かっただけでもよかった、かな?それに貴女たちのおかげで守護獣様も大人しくなるだろうし、本当にありがとうっ!」
そう言って翼を振ってから飛び去っていくミーリを見送ってから、私たちは他の店を見て回った。
色々なお店を見て回りながら次の目的地を話し合った私たちは、このウィンディア国から南東にある自然に覆われた緑溢れる国・リーファス国に向かうことに決めたのでした。




