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守護獣な私と巫女と呼ばれる彼女と、のんびり過ごす獣愛物語。  作者: にゃんたるとうふ
お城の上で―――
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彼女と見る世界は、色を帯びる

目が覚めると朝食の時間になっていたようで料理が運ばれていた。

運んでくれた人を眼を忙しなく動かして探す・・・あ、いた!そう思って身体の上半身を起こした。

そうすると私が起きたことに気づいたらしく、顔をこちらに向けて微笑みを浮かべてくれた。

「あっ!起きたんだ!おはよっ、よく眠れた?ごめんね、朝は少し用事があって他のに任せちゃったけどこれからは大丈夫だからね?朝から晩までずっとずっとずーーーーーーーっと私がそばにいるから安心してね?ご飯の用意は済んでるから早く食べて、その後でいっぱいお話ししようね?」

彼女の言葉に頷きで返した後、用意してくれていた朝食をペロリと平らげた。

お肉がメインの料理を朝からたらふく食べてご満悦!口周りを舌で拭っている間に彼女は他の子たちに片づけを任せて私の元へと駆け寄ってきていた。

片づけをしている子たちは心配そうにこっちを・・・というか彼女を見ている、そういえば彼女はこの国ではお偉いさんなんだっけ?よく知らないけど。


彼女の名前は''サナエ,,蒼い髪は毛先に進むにつれて紫色になっていて、長さは膝ぐらいまである。

目は紫色で瞳孔だけ紅くなっている、最初に会った時は私と同じ色だとはしゃいでいたなぁ・・・可愛すぎて思わず抱きしめてしまった、その時の彼女の周りの慌てようが凄かった。

顔はとても整っていて幼さも含みながら大人っぽさも兼ね備えているという反則じみた美しさを持っている、女神といっても疑われることのないほどの美貌である・・・羨ましいなぁ・・・同じ女としては嫉妬を覚えるレベル。

まぁ、彼女のことだから誇らしくもあるけどね。

服は他の子たちが来てるポンチョ?にもう少し装飾を加えた感じ、胸は年齢に比べたら大きめかな?


彼女は私の元まで辿り着くと私の右前足に腰かけ、その華奢な身体を私に預けてきた。

その光景を見ていた他の子は驚いたようで、各々がしていた作業を止めて彼女に歩み寄ろうとしていた。


――私のサナエに触る気か?


そう口にしてから彼女が乗っていない足を石畳に叩きつける、すると石畳にヒビが入りへこんだのが見てわかった。

それを見た他の子は足を止めてこちらを見上げたのち、大慌てで片づけを済ませて階段を下りていった・・・やりすぎたかな・・・?でも彼女が他の子に触られてるのを見ると、感情を抑えられないんだよなぁ・・・なんでだろ?

そう思って首を傾げていると、彼女が私を撫でているのが分かった。

「ソフィ?他のなど見ないで私だけを見て?ね?」


――わかってるよ、私の理解者はサナエだけだもんね


私がそう返すと、彼女は太陽に負けないほどの笑顔を咲かせて私の身体に頬擦りしていた。

私も彼女の顔に鼻先をつけてスリスリと頬擦り?をすると彼女はさらに溶けるんじゃないかってほど頬を緩ませていた。

「やはり私には貴女しかいないよ・・・もう誰にも邪魔させない、父様にも母様にも・・・あの老害どもにも何も言わせない・・・ふふっ、そうねそうよ・・・私とソフィだけの世界を造れば・・・誰も文句など言い様がないよね・・・?」


――サナエ?どうかしたの?


「・・・うぅん!何でもないよ?ちょっと将来のことを考えてたってだけだからっ!」

サナエは大人だなぁ・・・もう将来のこと考えているなんて、まだ十九歳なのに・・・まぁ私は数百年生きてるんだけどね。

でも将来かぁ・・・私は将来どうしているんだろう?彼女はやっぱり結婚とかするのかな?そしたらここに来る回数も減っていっちゃうのかな?・・・ヤダなぁ・・・でももしそうなったら私は―――――


その男を■■シテシマウダロウナァ――――


・・・まぁ仕方ないよね?私からサナエを奪う害獣おとこなんてこの世に必要ないんだしね。

それにそういうことがしたいなら私でもできるし、人に姿を変えてから生やせばいいんだし・・・体を自在に変化できるのはこういう時便利だよね。

前に一度人間の姿に変えてから彼女の部屋を訪れたら、一目見て私だと見抜かれたことがあったなぁ・・・彼女曰くどんなに姿が変わっても見抜ける自信があるらしい。

洞察力凄いっ!って思ったね、うん。

私も彼女の姿がどんなに変わっても見抜ける自信はあるもん!それだけ彼女のことは見てきてるつもりだよ!

「んんっ、はあぁぁ・・・ソフィの匂いと温もりを感じていると安心して眠くなってしまうよぉ・・・もっとお喋りしたいのに・・・」


――私は何処にも行かないから安心して休んでいいよ、まだ時間はあるんだからさ


「ごめんねソフィ・・・じゃあ少し、体借りるよ?」

彼女はそう言って私の体に顔をうずめて寝息を立て始めた、んんんっ・・・寝顔可愛いっ!!!

天使だ!天使がいるぞ!!食べちゃいたいぐらい可愛いっ!!!これは反則!!反則ですよぉ!!!



それから彼女が起きるまでの二時間、私は少し(?)鼻息を荒くしながら彼女の寝顔を眺め続けるのだった。

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