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守護獣な私と巫女と呼ばれる彼女と、のんびり過ごす獣愛物語。  作者: にゃんたるとうふ
お城の上で―――
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私はお城の上で、守護獣として過ごしてました

「んんっ・・・そ、ふぃ・・・はむっ、んぱっ・・・そふぃ、あまくておいふぃ・・・んふふ~♪」

寝惚けながら私の頬っぺたに口を付けたサナエは、そう言いながら口をもごもご動かしている・・・可愛すぎる、この娘がいれば世界が平和になるのでは・・・?

幸せいっぱいな顔をしたサナエの頭を撫でてあげると、口元をだらしなく緩めて顔を綻ばせた。

彼女の笑顔を見てると私も幸せな気持ちになるからいいよねぇ・・・この娘を護るためならなんだってできる気がする・・・いや、できるね!なんでもできちゃうっ!!

「んむっ、んむっ・・・むぅ?あ~・・・そふぃ、おはよぉ・・・えへへっ♪」

起きて寝惚け眼だったのが私を見ると、笑みを浮かべて強く腕に抱き着いてきた・・・可愛い!頭を撫でてあげるとさらに笑みを深めて口元をだらしなく緩めていた。

「ソフィの顔を一番に見られて、ソフィに頭を撫でてもらえて・・・えへへ~♪今日はいい一日になりそう♪ソフィ、ソフィ♪」

頬擦りをしながら私の上に乗ったサナエ、ちなみに今の私の姿は人間状態なので普段はふさふさだけど今はもちもちすべすべらしい(サナエ談)

サナエは頬擦りを止めて、私にその整った顔を近づけて唇を重ねた。

「えへへっ♪おはようのキスだよ?ソフィも嬉しいよね?」

「うんっ、とっても嬉しいよ!ありがと、サナエ!」

私もキスを返すと染まった頬に手を当てて身を捩っていた、可愛いなぁ・・・そんなサナエを眺めていると、扉がノックされて少女が入ってきた。

「守護獣様、サナエ様、朝食の準備ができましたよ?・・・何してるんですか?サナエ様、守護獣様からどいてください」

少女ことサナエ専属侍女の『ユキナ』はサナエが私の上に乗っていることにご立腹な様子だった、私は別に気にしないんだけどなぁ・・・むしろ嬉しいけど。

「あらユキナ、別にアナタには関係ないでしょ?それにソフィだって嫌がってないし、むしろ喜んでくれているはずだよ・・・ねっ、ソフィ?」

サナエにそう問われたので、私としても異論は無いので頷いて返すと・・・ユキナがムスッとしたように頬を膨らませていた、どうしたんだろ?

そんなユキナの様子など気にした様子もなく、サナエは私へと話しかけていた。

「そうだ!ねぇ、ソフィ・・・旅に出ない?」

私は疑問符を浮かべて「どういうこと?」といった感じの顔をして首を傾げた、私の心情を読み取ったサナエはすぐに説明をしてくれた。

「今お城の最上階の広間ってこの前のゴミ()のせいで吹き飛んじゃったでしょ?だからソフィは人間の姿で数か月過ごすことになるけど、正直にいって窮屈だよね?だからこの国を出て色々な所を見て回るのもいいんじゃないかなって思ったんだけど、どうかな?あっ!もちろん私もついて行くよ?当たり前だよね、だってソフィと私は運命共同体(仲良し)だもんね?離れるなんてありえないもんね」

サナエの提案を受けてなるほどと思った私は強く頷いてから口を開いた。

「それもいいかもしれないね、うん。じゃあ善は急げっていうし今から出掛ける?でも私がいなくなったらこの国危なくない?」

私がいないとこの国を襲ってくる獣たちから国の人たちを護れないしなぁ・・・そう思っているとサナエはキョトンとした顔を浮かべていた。

「それなら大丈夫だよ、だから安心して一緒にお出かけしょ?ね?」

サナエが言うんなら大丈夫なんだろうな、じゃあお出かけしょうそうしょう!

そうやって二人で話していると、ユキナが耐え切れなくなったようにこちらに詰め寄ってきた。

「守護獣様!私も・・・私も一緒に行ってもいいでしょうか!」

突然の申し出に面食らったけど、彼女の料理は美味しいし別に絶対ダメってわけでもないからいいかなぁ・・・そう考えて頷いて返すとユキナは満面の笑みを浮かべ、サナエは私の顔をただじっと見つめていた。

「それじゃあ行こっか、ほらサナエ・・・んっ」

彼女に手を差し伸べると黙ってその手を握ってくれた、それに私が笑顔を浮かべているとサナエは頬を朱に染めて「もうっ」と声を漏らしたけど、口元は緩んでいるから喜んでくれてるみたいだ・・・可愛い!

そんな私たちについてくる形で後ろを歩くユキナ、でも何でちょっと不満げなんだろ?そう思いながらこの国を後にするのでした。

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