〜影者-2〜
はじめのテレポートとは実に不思議な感覚だ
上手くは説明できないが体が飛ぶような感覚がして
その後急に落ちるような感覚にとらわれる
ユウ達は無事テレポートに成功し目的地についた
「ここが今回の目的地ですか?」
辺りは科学コンビナートがあり
多くの科学薬品の原料や科学薬品をいれるための
タンクが立地しており
視界が効きにくくなっている
「ここでスナイパーライフルを発泡するのは危険ね」
ジェシカは上を見上げ自分が
陣を取る場所を探していた
ここでもし発泡して誤発射でタンクに当たってしまったら
間違いなくここらいったい焦土とかすだろう
「隊長、なんとかあそこのビルから視認できる位置まで
誘き寄せてくれないかしら」
ジェシカは、コンビナートから少し離れ位置ある
宿舎のようなものを指差した
「距離にしておよそ2kmってとこか」
真壁はジェシカと同じ方向を向き腕を組んで
考え込んだ
「わかった俺と宮原でそっちまで誘き寄せる」
「見える位置まで来たらこちらから合図するから撃ってくれ」
真壁は隊員たち全体を見回し指示を送る
「了解!」
作戦が決まりジェシカは建物の上へ
真壁たち五人は周囲を警戒しつつ
コンビナートの中へと入っていった
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コンビナートの周辺はやけに静まり返り
不気味な感じが漂っていた
全員は流転の黒を構えて進んでいく
「宮原、千里眼を使って影者
の位置を確認してくれるか?」
宮原は頷き能力を発動させる
「ここから西に40m進んだタンクの後ろに5体
そこから東に100m行ったとこに3体そして北に50m行ったとこに
2体います」
宮原は前を向きながら真壁に敵の正確な位置を教える
これだけ離れていてなおかつ別れているとなると
五人でバラバラに行動するよりはまとまって一塊
ごとに潰していく方が効率がよいだろう
「まずはここから一番近い5体のか溜まりから片付けるか」
「ジェシカきこえてるか?」
『聞こえてるわよ』
「今からそっちに5体を一気に流し込む受けられるか?」
『隊長も無茶言うねー』
ジェシカは苦笑い混じりに答える
『いいわよ、5体ならなんとかなるわ』
ジェシカが答えると真壁は礼を言い無線を切る
「俺たちはあくまで囮だ」
「攻撃はユアンに任せる俺たちは奴等がこちらに気づいたら
走ってジェシカの方へ向かう」
「何か質問はあるか?」
「隊長、新人はどうします?」
ユアンがユウを指差して問いかけた
「流石に下級の者なら新人でも走って逃げることぐらい出来るだろ」
そう言って真壁は陣形を作るよう促し
5体もの影者の反応があった場所に向かう
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目的地につきユウはその現場の悲惨さに目を覆いたくなった
そこには恐らくここの従業員であろう作業着を着た者たちが
腸を撒き散らし血にまみれ捨てられていた
その回りには全身かえり血を浴びた影者達が
目を爛々とさせ立ちはだかっていた
「何度見てもこれだけはなれないですね」
宮原が目を背けながら呟いた
「それは俺も同感だ」
「とにかく作戦を開始するぞ」
真壁の合図とともにユアンがレイピアを構え駆け出す
ユアンが影者のうちの一体をとらえ
レイピアを連続で突き立てる
影者が悲鳴をあげ5体全員で襲いかかってくる
「全員ジェシカのもとまで全力で走れ!」
真壁の合図のもと全員駆け出した
ユウは怖くてたまらなかった自分もあの作業員の様に
もし少しでも皆に遅れれば食い千切られやつらの
肥やしになってしまうのではないかと
ユウは一心不乱に走った
建物が視界にはいった瞬間
自分の少し後ろを走っていた夢原がつまずいた
ユウは走りながら振り返り夢原を見た
彼女はなんとか起き上がろうとしているが
恐怖に刈られたのだろう
思うように体が動かないようだった
ユウは、怖かったしかし、自分の目の前で仲間を置き去りにすることはできなかった
ユウはきびすを返し影者の方へ走っていく
真壁はそれに気がつきユウを呼び止めようとした
その瞬間ユウの回りが青く光始め
真壁と対戦したときのように・・・・・
ユウは自分の身体能力が向上するのを感じた
ユウは無我夢中で走り夢腹のてを握り駆け出した
先に走り抜けた真壁たちはユウ達を心配そうに見つめ
いざとなれば攻撃ができるよう武器を構えていた
ユウ達が建物の前にさしかかったとき
影者が5体横列になった
ジェシカは能力を発動し5体を二キロ先から一発で仕留めた
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ユウと夢原は極度の緊張状態から解放され地面座り込んだ
「よくやったね新人」
ユアンはユウにてをさしのべ起こしてやった
「ありがとうございます」
ユウは笑顔でその手を掴み立ち上がった
その後無事残りの5体を撃破し本部へ戻った
今回の任務でユウは影者が自分が思っていた
以上に恐ろしいものだと知った
それと同時にこれから仲間としてやっていく面々を見渡し
このチームの一員として頑張っていこうと
そっと心の中に誓ったのだった