第7話 理由
優がエリと別れて一人で歩いていると教室の一つがドアが開いていたので、優が試しに覗いてみるとそこにはロキが一人で本を読んでた。
優はロキの事が気になっていたので部屋に入り、本の邪魔をしないように静かにロキの方に近づいたが。ロキは優に気付かず一人で本を読んでた。
優はロキの隣に座ってロキを見ていたがロキは全く気がつかなかった。
しばらくして、優はロキに声をかけてみた。
「ロキさん、なんの本を読んでいるんですか」
優の言葉を聞いたロキは驚いた顔をしてこっちを見た。
「なんでもないです。それで私に何かご用ですか」
ロキは顔を赤くして聞いてきた。優は「隣に座っているままでもいいですか」と言った、ロキの顔は赤かった。
「べつにいいですよ」
ロキは恥ずかしさを隠すためにツンとした態度で言った。それでも、優はうれしそうにしているとロキは「他人に気軽に話しかけてくれるなんて」小さい声でつぶやいていた。優は「なにかいいました」と笑顔でロキに聞いた、すると、「なんでもない」と返ってきた。
「それで、私になにか用があるんですか」
ロキは優になぜ自分に話しをかけたのか気になった。
「部屋が開いていたので誰かいるか確認をしてみたら、ロキさんがいたので挨拶をしようと思って話しかけたんですよ。今さっきは挨拶ができなかったので」
優は笑顔で言うとロキは不思議に思った。
「先程とはいつですか」
実はロキは優の事を覚えていなかったのだ。
「先程、エリと一緒にいたときですよ」
優が言うとロキはついさっきエリと会った時のことを思い出した、たしかに一人見たことがない少年がいた。
「すいません。先程エリさんといた方でしたか」
ロキは丁寧に謝った。優は「大丈夫ですよ。こちらこそ、自己紹介もしないで喋りかけて。すいません」と頭をさげて自分に非があるように謝った。
するとロキは初めて笑顔になった。
「なんだか、知り合いにそっくりだわ。自分は悪くないのに自分が悪かったような目をして謝るなんて。自己紹介はまだだったわね。私はロキ・トラベルと言います、名前は神話に出てくるロキから取られたみたいなの。年は十七歳で二年生だわ」
ロキは丁寧に笑顔で自己紹介をした。
「僕は白石優です。年は十六歳で今年入学してきたので、まだこの学校に慣れてないのでよろしくお願いします」
「こちらこそ、よろしくね優さん」
ロキは優しい声で言った。優はロキの笑顔で顔を赤くした。
「優さんはこの学校のことで何か聞きたいことはあるの。私が教えてあげるわ」
ロキは先程の忘れていた件のお詫びに教えてあげようとした。
「一応エリに聞いたからないのですが、個人的にロキさんには聞きたい事があります」
優は先程エリに聞いたロキのことで疑問に思ったことがあったのだ。
「なんでも聞いてくれていいよ」
ロキは笑顔言った。すると優はさきほどとは違う真剣な声で聞いた。
「なんでロキさんは対抗戦で本気を出さないんですか」
優の質問にロキは暗い顔になった。
「言いたくないなら、言わなくてもいいです」
優はロキに笑顔で言った。するとロキは涙を流し理由を話した。
「平気よ、私の話しを聞いてくれる人が今までいなかったから、それじゃあ、始めるね。実は私が契約したのは神様なの。名前はトールといって私にミョルニルという武器を貸して貰えたの、それを去年の竜の舞の準決勝で使ったの敵は倒せたけど私は次の試合に出ることができなかったの、理由は私の名前だった。トールとロキは最高のライバルで親友だったのでも最後にロキはトールを裏切り、戦争を起こしたのそれでトールの武器はロキの名前にも起こっているのロキの名前を持つものが武器を使うと体力をすべて使うのだから武器を使えなくなった。次の対抗戦から武器を使わなかったから本気を出してないと思われるているのよ。それで、最初の対抗戦からみんなに裏切り者と言われ、誰にもチームを組んでくれなかった」
ロキは自分の過去を思いだしていた。
去年の春、彼女は入学をした。当時の彼女は今ほど誰にも嫌われていなかった、むしろ誰からも好かれていた。最初の大会も友達に応援をされていた。
チームは大体の新入生はチームを組んでいなかったので、彼女も誰ともチームを組まなかった。それでも頑張って準決勝まで来た。
相手は優勝候補の一人だ、当時の学園で一番の努力家で学園でも五本の指に入る強さだった。彼女はがむしゃらに向かった、最後は契約をしていたトールの武器を使った、そして相手は倒れた。
彼女は涙がでるほど嬉しかった。
試合が終わると相手は彼女に会いにきた。相手は彼女に「俺のぶんも頑張れ」と言って。部屋を出た。
次の日の決勝戦、彼女は大会に出ようとして、動こうとしたでも動けなかった。
大会は棄権した。
彼女は全員を裏切った。
彼女はトールの神話を調べてみた。すると神話には彼女と同じ名前の神がトール達を裏切って戦争を起こした。その神をトール達は許さなかった。神に永遠の呪いをした。
トール達の恨みが同じ名前の彼女にもかかっていた。彼女は絶望した。
次の日から、誰も話しをかけてくれなかった。周りから、裏切り者と言われ始めた。
次の大会から彼女はトールの武器を使わなかった。体力や能力で勝ち越した。それで彼女は漆黒の魔女と言われはじめたのだった。
ロキは自分のことを思い出していると。
「そんなの本気を出してないって事じゃないよ」
優は怒りながら言った。優は許せなかったのだ、ロキが悪者扱いをされていることに。
「そうよ。でも、みんなは信じてはくれないわ。勝ち逃げをしたみたいだもん。準決勝で勝って決勝に出なかったんですもの。私にチームがいれば変わっただろうけど」
ロキは悲しそうな顔をしていた。