第4話 仮契約
「そうです」
優は銀髪の少女の言葉に恐る恐る質問に答えると。銀髪の少女は大声で笑っていた。だが、あまり契約に詳しくない優でも分かった。この少女は本気でヤバイことに。
「見たところ契約は初めてそうだな」
銀髪の少女は優が始めて契約の儀式をやったことに一瞬で気付いたのだ。
優は銀髪の少女にまだ威圧されていた。
「あなたの名前は何ですか? 」
ミカは優の変わりに少女に聞いた、すると少女はさらに笑顔になって大声で笑った。
「これはたまげた、あたしの事を知らない奴があたしを呼ぶなんて。知らないなら教えてやるよ、あたしは平天って名前だよ」
平天は自分の名前を笑いながら言った。
ミカは平天のすぐ近くまで来た。
「平天さま、どうかこの者と契約を結んでください」
ミカは平天に頭を下げ頼んだ、優も一緒に頭を下げた。
「いいよ。でも、仮契約だ。正式な契約には条件があるよ。あたしと一緒に六人の義妹を探して、誰か一人と契約を結べばあたしも契約を結んでやる」
平天は笑いながら言った。平天は契約を結ぶための条件を出した。
ミカは条件を聞くと暗い顔をして「そんなの無理だわ」とつぶやいた。
実は契約は力が必要なのだ。普通の大人が平均がサラマンダーと呼ばれるオオトカゲ一匹程度が精一杯なのだか、ドラゴンや鳳凰などの神格が強い動物や種族のトップクラスは契約に力が必要なのだ。種族のトップクラスは大体人間の姿をして暮らしているためこの少女もきっとトップクラスだろう。
「それならいいよ。あたしは契約を結ばない」
平天は面白くなさそうにそう言って帰ろうとした、優は帰ろうとする、平天の前に立った。
「わかった。僕は君と一緒に義妹を探すよ」
優は平天に向かって答えた。すると平天は真剣なまなざしを向けた。
「それで本当に良いんだね。もしも契約に失敗して命を落としてもいいんだね」
ミカは真剣な顔をして優に聞いてきた。
優はミカを見てしばらく考え出した。
しばらくして優は真面目な顔して答えた。
「僕はやっぱり契約します」
「優くんが決めたんならしょうがない」
ミカは笑顔でそう言った。
「じゃあ仮契約だ、おまえの名前は何だ?」
平天は優に聞いた。
「僕は白石優です」
「それじゃあ、優これからよろしく」
平天は優に挨拶をすると優の上半身を裸にして背中に何かを書いた。
契約の方法は片方の契約者の背中にもう片方の名前を書けばいいのだ、その時お互いの背中が燃えるように熱いのだ。
優は急に叫びだした。
「熱いぃぃぃぃ」
「ごめんね優くん、契約するときは背中に契約をする者の名前を書かないといけないだよ。だから、少し我慢をしていてね」
ミカは真剣な顔をしていた。
しばらくたつと優は立ち上がって言った。
「それじゃあ、義妹を探しに行こうか。何か手がかりがある?」
「多分義妹の一人は多分この建物のどこかにいるね。しかも、契約を結んでいないと思うよ」
「本当ですか、私の学校の中にあなたの義妹がいるんですか」
ミカは凄い顔して聞く。
「いるな、確実に一人は。あたしが出てくれば向こうも出てくるだろう」
平天は真面目な顔をして言った。
「あたしはとりあえず向こうが出てくるまで隠れているから」
部屋は急に暗くなり平天は消えた。
「ミカ、どうする!」
「優くんの明日から入学をしてもらって、来月に学校で契約選がありますから、それに出場をして勝ち越せば目立つから向こうから出てくるかもしれないよ。だから、今日は部屋を用意するからそこでゆっくり休みなさい」
ミカは真剣な顔して言った。
「ありがとうございます」
優はミカに案内をされて向かうとそこは、巨大な女子の寮の隣にある、まだ新しい巨大な建物だった。建物には第二女子寮と書かれていた。
「ここの二〇五号室だよ」
「ここってなんですか」
優が緊張しながら聞くとミカは笑顔で言った。
「ここは女子の上級生用の新しい寮だよ」
「それっていいんですか」
優は罪悪感に押されながら言った。
「平気だよ。それに、ここしか寮が空いてないし。許可はちゃんと貰っているから」
ミカは笑顔で言った。
「わかりました」
優はしょうがなく寮の自分の部屋に行った。
部屋は凄く豪華で一般の寮の四倍の大きさだった。
キッチンやお風呂などの日常に必要な所はすべてあり、日常品は全て管理してあった。
一時間後
優は部屋のベットでのんびりしていると、ドアが叩かれた。
「優ちゃん、入れてくれない」
外からミカの声がした。優は急いで鍵を開けてドアを開けた。
「入ってください!ミカ」
ミカは優に言われた通り急いで部屋に入った。優はドアを閉め鍵も閉めた。
「学校の事を言うのを忘れてたから説明しに来たよ」
「ありがとうございます」
「まずはこの学校には年に四回も契約者の大会があって、大会には参加自由なんだよ。そして、この学校は強い者が偉いんだよ。
今は七人の支配者がいるんだよ、七人には学園の印が描かれたバッジをつけてるよ。バッジは七人が勝負で負けると奪われるんだよ。立場は私よりも学校の中では偉いんだよ。でも、大会には、その七人は強制参加なんだよ。」
ミカは複雑な顔して言った。
「そうなんですか」
「明日は気をつけてね」
ミカは真剣な顔をしていた、それを見て優は静かに首を振った。
「明日は八時に学園室の前に来てね」
そう言うと、ミカは部屋を出た。
そのあと、優はご飯を食べてシャワーを浴び就寝をした。