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第2話 異世界!

「ここは、学園室といって私と私が選んだ生徒達しか入れない部屋ですよ、優くん」

 ミカは笑顔でそう言った。

 優は自分の思っていた学園室とは違うことに驚いた、優が通っていた学校にも学園室があって、その部屋は悪い事をしたら呼ばれてお仕置きをされる部屋だったのだ。だが、この学園の学園室は学園長であるミカが選んだ生徒しか入れない部屋だというのだ。つまり優はミカに選ばれたということなのだ。


「優くん急に黙ってどうしたんだい」

 ミカは優が黙っていることに不思議に思って優に聞いてみた。


「なんでもありません」


「それならいいけど」

 ミカは少し優になんか思ったがそれは口にしなかった。

 優はそのとき気がついた、先程から学園長であるミカが自分の事を名前で呼んでいることに。優は少し驚いたが、それ以上に嬉しかったのだ、人に名前を呼んでもらえたことが。優は親以外の人物から名前を呼ばれたことがなかったからだ。


「なぜ、学園長は会ったばかりの僕を優くんと呼ぶんですか」

 優はミカに自分の事をなぜ名前で呼ぶのか聞いてみた。

「可愛いじゃん、優ちゃんって。もしかして、名前で呼ぶの嫌いだった。それなら、別の呼び名にするよ」

ミカは残念そうな顔をしていた。それを見て、優は心が痛くなった。優は性格が良く女の子の残念そうな顔や困った顔や泣いた顔を見たくないからだ。


「ダメではないです」

 優はミカにそう答えた、するとミカは笑顔になった。

 優はそれを見て嬉しかった。

 ミカは優の顔を見て機嫌をさらに良くした。


「それなら別にいいね。これからよろしくね。私の事は気軽にミカと呼んでね」

 優はミカの言葉に驚いた、まさか、学園長が直々に名前で呼んでねと言ったことに。



「学園長を名前で呼ぶのはどうかと思います、学園長は僕なんかよりも年上で綺麗なので僕が学園長を名前で呼ぶといろいろ周りで言われそうなので」

 優はミカに失礼そうに断った。優は初めて会った年上でしかも学園長という自分よりも偉い人を呼び捨てにするのは抵抗があった。


「いいんだよ。私はね、人に名前を言われるのが好きなんだよ。それに、私の事を名前で呼ぶ生徒は結構いるんだよ。だから君も気軽に接してくれ」

 ミカは優に笑顔でそう答えた。優はしばらく考えた、本当にミカを名前に呼んでいいのかとそして優は考えるのをやめた。学園長であるミカがそう言っているんだから呼んでもべつにいいと思ったのだ。


「わかりました、僕はミカって呼ばせてもらうよ」

 ミカは優が名前で呼んでもらったのが嬉しかったらしくさらに笑顔になった。


「それじゃあ、優くんの説明でも聞こうかな。最初から話してねお願い」

 ミカに話しを聞かれ優は顔を縦に振って、ミカに言われた通りに最初から話し出した。


「まずは、僕の名前と出身地から話しますね。僕は白石優といいます、出身地は日本の神奈川県です、年齢は十六歳で一応学生をしていました」

 ミカは元々エリに優の事を聞いていたのでそこまでは知っていたのだが、全部冗談だと思っていたのだ。だが、優に会ってみて彼の事を少し気になったのだ。

 ミカは優に話しかけたのはそんな理由があったのだ、そして優が自分自身で言ったのだ、自分の名前と出身地のことをミカはそれを信じていることにした。


「年は私の三つ下かぁ。住んでいる所は知らないな」

 ミカは残念そうに言った。優はしょうがないのだがそれでも少し期待をしてたのでこの世界で一番詳しいというミカが分からなかったのが残念な気持ちだけが残った。


「買い物の為に外に出かけたら、トラックにぶつかりかけて」

「まって、トラックって何?」

 ミカは不思議そうに言った、それを聞いた優は驚いていた。まさかミカがトラックを知らないなんて、大体の国の人間ならばトラックのことを知っているからだ。それを知らないなんて優は想像もしていなかったのだ。


「トラックを知らないんですか、車ですよ」

 もう一度優は聞いてみたのだがミカは知らないような顔していた。

「ごめんね、私は車も聞いた事がないね」

 ミカはやはりトラックを知らなかった、さらに車という単語でさえ分からなそうだった。優は車のことをまず説明を始めた。


「車とは鉄のガソリンで動く乗り物ですよ」

「乗り物って魔力で動くでしょ」

 ミカは不思議そうに言った。

 優は驚いた。漫画やゲームなどでよく出るが現実には存在しない物が話しに出たことに、優はもしかしたらと思ったがそれは絶対にありえないのでそれを自分の聞き間違えだったことにして考えからそれをはずした。


「それはひとまずおいといて話しに戻るわね。それで鉄の乗り物にぶつかりかけたのね」

 ミカは気になったら話がいつまでも終わらないのでりあえず車のことをひとまず置いとくことにした、そして話しに戻ることにした。


「はい、僕は目をつぶりました。しばらくして目を開けるとここにいました。そして、エリに会いました」

「なるほど、そして今に至るかあ」

 ミカは考え出した。


 優もそのときの事を思い出しているとミカが優の肩をたたいた。

「わかったよ」

「わかったんですか」

「うん。たぶん君は別の世界からやって来たんだよ。それなら話しは合うんだよ、君の出身地を私が知らないのも、君がこの国を知らないのもね」

 ミカは笑顔で実に楽しそうに言った。

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