第19話 神話1
優とロキが外に出ると噴水の所に子供がたくさんいた。優は気になったので子供の所に行くと少年に話しかけた。
「どうしたの、ここでなんかあるのかい」
すると少年は優に興奮しながら「いまからここでね、お話しを聞かせてくれる人が来るんだ。お兄さんも一緒に聞こうよ」と言ってきたので優達は一緒に聞くことにした。
それからすぐに一人の笛を持ったお兄さんが来た。
「今日は、大きいお兄さんもいるから特別なお話しにしようかな。今日は幸せをくれた七人の勇者と七つの国だよ」
笛を持ったお兄さんは優をからかいながら話し始めた。子供達は目を光らせながら聞いていた。優は七つの国と聞いて今回のゲームの謎が解けるのではないかと思った
「これは、いまから何年も昔のお話だよ。この世界とは違う世界に魔王がいてね、その魔王は人間と一緒に暮らしたいと思っていたけど、人間達は魔王を含めた魔族を憎んでいたんだよ。なぜって、魔族は人間よりも力を持っていたんだよ。人は魔族を恐れていたんだよ、自分達人間よりも力を持った魔族の事をね。そして人間達に一人の子供が生まれたんだよ。子供は大きくなった大人と呼ばれるぐらいまでにね。その子は力を持っていた、世界で一番強いと呼ばれるまでにね、その子は魔王を倒しに行ったんだよ、世界を魔族達がいない世界を作るために。その子はずっと魔族は悪だと教えられていたんだよ。その子は魔王を倒せたんだけど、魔王の書いていた日記を見て自分が間違っていたということに気がついた。その子はそのころには勇者と呼ばれて痛んだよ。勇者は泣いた、そして王にそのことを告げた。だが、勇者は反逆者と呼ばれて死刑になった。その世界がその後どうなったかは誰も知らない」
笛を持った少年の話しを聞いた子供はみんな泣いていた。話しが思ったよりも残酷で悲しいお話しだったからだ。優は思っていた話と全然違って驚いた。
優がこの場から離れようとしたとき、笛を持った青年は優を止めた。
「お兄さん、話しはここからが本番だよ」
優は驚いた、お話しは今終了をしたはずだが青年は終わってないと言ったのだ。
「本番って何ですか、話しは今終わったんですよね」
優が聞くと青年は笑ってきた。
「お兄さんはこのお話しを全く知らないようだね。子供達がまだ座っているだろう、このお話しはまだ続くんだよ、魔王と勇者が救われる第二部がね」
青年は笑顔だった。