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第18話 敵

 優達が歩き出して三日が過ぎた。


「アルカディアってどの辺にあるの」

 優はロキとクルミに聞いてみた、するとロキが口を開いた。

 

「アルカディアにはまずは霧の谷って場所の中にあるんですよ。霧の谷は今日中にはつきますよ」

 優はロキの話しを聞いていると、優の後ろの方から何か嫌な空気が感じた。

 ロキとクルミも優のように嫌な空気を感じたようで、後ろを向いた。そこには白いマントの人間が立っていた。


 優は白いマントを見たときに自分がもう一人いるように感じたのだ。だが、優はそれでも安心をしなかった、白いマントは凄い殺気を優達に出していたからだ。

 


「そこにいるのはロキ・トラベルさんとクルミ・フールさんかな」

 白いマントは一瞬優を見ていたように感じたが、それは間違いだったようだ。どうも白いマントはロキとクルミを狙っているようだった。ロキとクルミは白いマントを凄く警戒をした。


「いや、ぼくは偶然ここに来たんですよ。そしたら目の前にぼくの尊敬をしてるロキ・トラベルさんとクルミ・フールさんがいたので一度勝負をしてみたくて話かけたんですよ」

 白いマントはそんなことを笑いながら言っていた。だが、その目は本気だった。


「あたいはべつにいいよ。だけど、戦うのはあたい一人だけだよ。そして、勝負でお互いどっちが勝ってもあたいの仲間には手を出すな」

クルミは白いマントに向かってそう言った。


すると白いマントは笑顔で「自分はそれでもいいよ」と許可をした。

 

「クルミ、僕もやるよ」

 優はクルミと一緒に戦おうとしたがクルミは首を振った。

クルミはこの白いマントが自分達が三人で戦っても勝てないことに気がついたからだ。


優はクルミが首を振るのを見て、クルミに託すことにした。


そして、二人の勝負が始まった。


 クルミの右手に一本の剣が現れた、白いマントは一本の槍を出した。


 勝負はすぐに結果が決まった。


白いマントはクルミの前から一瞬でその場から消えたのだった。そして、いつのまにかクルミの後ろに立っていた。そして、持っていた槍でクルミを突いたのだ。クルミはその場で倒れた。

その試合のタイムはわずか三十秒の出来事だった。


優はクルミが白いマントに負けたことが信じられなかった。クルミは学園のランキングでも三位という実力を持っている、そんな実力を持っているクルミを普通の奴が一瞬に倒せるのか。否だ。


そんなことが出来るのは、学園でも相当な実力を持っている奴にしか出来ない。


だが、白いマントはクルミを倒しても大したことをしてないようにしていた。そして口にした。


「これぐらいかぁ、クルミ・フールさんも弱いな。じゃあ次はどっちが僕と戦うのかな」

 その言葉を聞いて、優の意識はなくなっていた。


 優が気がつくとそこはベットだった。


「ロキ先輩、僕はどうしたんですか」

 優が聞くとロキは答えた。


「優くんはクルミがやられて、怒ってしまったんだよ。それから優くんは白いマントの少年と一騎討ちをしてね。お互いに相打ちになったんだよ。そして、少年は逃げてね。優くんは倒れてしまったんだよ。優くんとクルミは倒れたままで困っていた時に、偶然通りかかった馬車に乗せてもらって、このアルカディアにつれて来てもらったんだよ。そしてここはアルカディアの中にある宿屋で優君はあれから二日間寝たきりだったんだよ」

 ロキはあのあとの事を語った。ロキはあのときの事を今でも奇跡だと思う、助かって良かったと思う。だが、あのときの優の事を思い出すと今でもロキは膝が震えるのだ。

 

 クルミが一瞬で負けた相手を優が一騎討ちで互角に戦っていたからだ。一本の剣みたいな武器だけだったのだ。剣のような武器を持った優は鬼神のような顔をしていた。


優の剣筋は素人が使うみたいだったのだ。だが、結果は相討ち。しかも最後には敵が逃げたからだ。


でもきっとあの敵はもう一度優達の前に来るだろう。そのときは鬼神のような優には絶対にさせたくないのだった。


「それじゃあ、クルミの具合はどうなったの」

 ロキが優を心配していたが、優は自分事よりもクルミの方が気にしていたのだ。


「クルミは平気だったよ、事情は言えないけど、クルミは死なないかぎり大抵の怪我は治るんだよ」

 優はロキの話を聞いて安心した、誰も死なないで良かったと思った。


 優は立ち上がり窓の外を見た、窓の外は噴水があってその周りで子供達が遊んでいるのだった。それを見て、優は素直に羨ましいと感じた。


 優とロキは外に出ることにした。

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