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第1話 出会い

「君が姫? それにエルテーニなんて聞いた事がないし」

 優は自分のいる場所が分からなくなったのだ。優は今までの人生の中でエルテー二なんて名前の国は一度も聞いた事が無いのだ。


 それなのに、優はその知らない国にいるのだ。それに、目の前に立っているエリがこの国の姫だというのだ。

 

 普通の人間ならここで驚くのが当然なのだろう、だが優は冷静だった。


 (これは少し大変かも知れない、少しエリと話してみるか)

 優は心の中でそう考えていた。


 しばらく、優が黙っていると、エリがどうも優が黙っていた事が気にいらなかったようで優に向かって言った。

「君は私が嘘を言ってるというのか。それに私にはエリという名前があるんだ、君もエリと呼んでくれ」

エリは顔を膨らませていた。のだが、急に何かを思い出したかのように時計を見ると顔が青くなっていた。

 そして慌てだした。

 

 優はエリが慌てだしたことに少し緊張した、急にエリが慌てだしたので何か自分がやらかしたのではないかと。


「やばい、遅刻だ」


「何か用事でもあったの?」

 優はエリに聞くとエリは走ろうとしたのだが優に質問をされたので急いでいるが理由を話すことにした。


「今日は聖流学園で第一部入学式があるのだが、私はその入学式に遅れそうなのだ。今年から入学なのだが初日から遅れるのはまずいだろ」

 エリは優に理由を話し走りだした。

 優は真面目そうなエリが入学式の事を忘れていたことに驚きながらエリが走っていくのを見てると、優は自分が今いる所がわからない事を思い出し、ここでボーと立っているよりもエリを追いかけた方が自分の今の状態がどうなのか分かるのではないのかと考えてエリの後を急いで追いかけた。

 

 優が追いかけ始めて十分後にエリにやっと追いついた。

 エリに追いつくと優はエリの肩を叩いた、するとエリは優の方を向いた。


「君はさっきの子だよね、私にまだ用があるのかね」

 エリは優に向かってそう口にした。

「エリにお願いがあるんだけど、僕も一緒に連れていってくれない」

 エリは優の頼みを不思議に思った、なぜ優は私を追いかけてまで学園に入りたいのかもしかしたら何か悪い事を考えているのか、分からなかったが一応学園まで案内をしようと考えた。

 実は学園にはこの国の王でさえ恐れる力を持った奴が何人もいるのだ。


「別に良いけど。入学生でもない君が学園に入れるかどうかは保証は出来ないけどね」

 エリは走りながら優に忠告をした。


「それでも僕は行くよ。僕がどんな状態なのかも分からないしね。ここにいるよりもエリと一緒の方が何か分かるかも知れないし」

 優は笑顔で言った。するとエリは走るのを一度止めた。それを見て、優も止まった。

 エリは優の方を振り向いた。

 エリを一つ思い出したのだ、学園には一人何でも知っている魔女がいることに、だが魔女の噂はどうも胡散臭いのだ。


「どうしたの、エリ」

 優はエリが急に立ち止まったことを不思議そうに思って聞いてみた。


「もしかしたら君の事が何か分かる人がいるかも知れない」

 エリは不安そうだが言った。


「本当に」

 優はエリの言葉で少し希望がでた、もしかしたら、今の自分の状態になにか進展が起こるのではないのか、そして自分のこれからの道も。


「もしかしたらだが、学園の学園長なら何か分かるかも知れない。君の出身地や君の今の状態などね」

 エリはそう言うと再び走りだして、優も走り出した。


 そして再び話しかけた。

「その学園長って、どんな人なんですか」


「私も今日入学するから分からん。だが、あの人はこの国で一番詳しいらしい」

 優はその言葉にさらに期待を膨らませうれしそうな顔をした。エリは優の顔を見ると少し安心をした。

 エリは自分が始めて会ったばかりの少年のうれしそうな顔を見ていると安心をするのが理解が出来なかった。

 

 そして十分後、

 優とエリが走っていると目の前から巨大な建物が見えてきた。

「あれが私の通う学校だよ」

「あれが」

 エリは目の前の建物を指を指した。建物は一瞬見ると教会のような校舎と日本にある学校の校舎が繋がっているような外見だった。そして門のような所があった。


 門の所に行くと二人の門番が立っていた。

「ここを入るには入学証明書を見せろ」

 エリはカバンから証明書を取り出すと門番に言われた通りに証明書を見せると門番の二人はエリの前から退いてエリを学園に入れた。

 優もエリと一緒に学園に入ろうとすると二人は立ちふさがった。


「僕を中に入れてください」

 優はそう言った、だが門番はそこから退こうとしなかった。


「おまえも証明書を見せろ」

 門番はそう口にした。


「持っていません」

 優はそう答えた。


「それならここには入れさせない」

「おねがいします。僕はどうしても学園に入り、学園長に会わなければいけないんです」

 優は慌てながら言った。のだが二人はそこから動こうとしなかった。


「俺たち兄弟はここの門番だ。おまえはここには入れさせない。だが、ある条件で入ることを許してやる。俺たち二人はその為にここにいる、おまえのようにここに入学をしたい奴に試験をうけさせる特別入学試験担当だ。この学校に入りたければ俺たちの試験に合格しろ」

「そうだぜ、兄貴の言うとおり」

 二人は優に向かって言った、実は聖流学園には特別な入学方法があるのだ。

 この第一入学式の日に門に立っている門番の試験に合格をすれば入学が許されるのだ。


「しょうがない、ここに入らないとなにも始まらない。その試験を受けます」

 優は思いきって試験を受けることにした。


「それじゃあ始め」


 そのときだった、二人の声に重ねるように「その必要はありません。その方は私の関係者ですから」と二人の後ろから声がした。

 二人の後ろから金髪の美少女がやって来た。美少女は結構身長は低いのだが、声は高かった。服も中学生が着てそうな服だった。


『学園長』

 二人の門番はお互い驚きながら言った。


「あなたが学園長ですか?」

 優は驚きながら聞いた。

 驚くのもしょうがない、学園長はどう見ても優よりも幼く見えたからだ。


「そうです、私が学園長のミカ・フールです。気軽にミカと呼んでください。あと、今日、入学するエリさんから話は聞きましたよ。 一度私と一緒に来て下さい」

 ミカは笑顔で言った。

 

「わかりました」

 優はミカと一緒に校舎に入っていた。

 優は校舎に入ると、さらに驚いた校舎の中は見た目以上に豪華だったのだ、廊下の壁には美しい絵が飾ってあった。

 優はミカの後を付いて歩いていると螺旋階段があった、階段を上って三階の階段の目の前の部屋の鍵を開けた。


「ここに入ってね」

 その部屋の扉には学園室と書いてあった。

 ミカと優は学園室に入った。




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