第12話 クルミ
優が目を覚ますとそこは見たことも無い部屋だった。
「ここはどこなんだろう、記憶も学園室の前でアキラの忠告までしか無いし」
優は立ち上がり部屋を観察をしてみると、部屋には大量のぬいぐるみと本が置いてあった。
優は立ち上がり部屋に置いてある本を数冊手に取ってみるとそれは童話や詩などの本だった。
優はその本をしばらく読んでいると部屋のドアが開く音がした、ドアの方を向いてみるとそこにはクルミが立っていた。
「ヘンタイ、起きていたのね」
クルミは笑いながら優の方に歩いてきた。
「ヘンタイってなんだよ」
優はクルミの変態という言葉に怒りながら文句を口にするとクルミは優に向かって笑いながら言った。
「あたいの着替えを見た相手にヘンタイって言って何が悪い」
クルミの言葉に優は先程の記憶が戻ってきた。確かに先ほど優は部屋で着替えているクルミに気がつかないでドアを開けてしまった、そしてクルミの下着姿を見てしまったのを完全に思い出した。
「ごめん、思い出した。あれは確かに僕が悪かったよ」
優はクルミに謝罪をした、するとクルミは更に笑いだした、
「キミは確かに噂通りの正確だ。今のを誤魔化さず素直に謝るなんてこの学園にそんな素直な子はいないよ、あたいの着替えを覗いたことは許してやるよ。
それにさっきの事は誤解だってキミのパートナー達からも聞いいているからね、あれはあたいの勘違いだったてね」
モルと混天は優が気絶して倒れているときにクルミに優の事は誤解だということを説明していたのだ。そのためにクルミは優が起きる前にはすべてを許していたのだ、一応優にお仕置きの為に文句を言ってみたら優はすぐに自分が悪かったと謝ったのでクルミは少し嬉しかったのだ。
「それで、倒れたキミをあたいの部屋につれてきたの、あたいはクルミ・フールっていうんだ。クルミって呼んでね。一応二年生で17歳だよ」
クルミは優に自己紹介をした。
「はいクルミさん」
「クルミでいいよ。さん付けじゃなくて。あと敬語もいらないよ、あたいはそういうのが嫌いだから」
クルミは優に優しそうに言った。
「僕は白石優で、この学園には今年入学したばかりなので一年生で、年は十六歳だよ。まだこの学園の事はよく知らないのでクルミにも教えてもらってもいい」
優は自分も自己紹介をした。それを見ていたクルミは凄く嬉しそうにしてた。
「あたいはキミの事を気に入った、学校の事でもあたいの事でもなんでも教えてあげるよ」
クルミは終始笑顔で言った。優も初対面のクルミの事を結構気に入っていたのだった。
「さっそくだけど、クルミに聞きたいんだけど。フールってミカもたしかフールって」
優は先ほどから気になっていた事をクルミに聞いた。
「実は学園長の妹なんだよね、あたい」
クルミは優に自分の姉がミカだということを説明した。そしてクルミからも優にひとつだけ質問をした。
「あたいからも聞きたいことがあるんだけど、それでキミは誰かとチームを組んでいるのかな」
クルミは真剣な顔をしていた。
「一人だけ組んでいる人がいます」
優はクルミに向かって言った。そうするとクルミは笑顔になった。
「あたいはキミとチームを組みたいな。入れてくれない」
「それはチームメイトに聞かないと分かりません」
それを聞くとクルミは言った。
「ロキちゃんもたぶん認めてくれるよ、あたいならね」
「クルミはロキさんのことを知っているの」
優は不思議そうに聞いた、するとクルミは優に言った。
「あたいとロキちゃんは知り合いだよ」