第9話の裏話
ミカは全員が帰ったあとに学園長の切り札である、ナンバーと呼ばれる十二人を呼んだ、ナンバーのメンバーは全員女性である、全員がミカに忠義を持っているのだ。
「ナンバーの全員に頼みたい事がある」
ミカが喋ると一人の女性が前に出た。ナンバーのリーダーである、マキ・アイルスだった。
「なんでしょう」
「実は次の大会が王の世界になることになったの」
「それに私たちが優勝をすればいいんでしょうか」
マキはミカの言葉にかぶせながら言った。だが、ミカは首を振った。
「それではなんでしょうか」
「ナンバーで白石優をサポートしてほしいの」
「なぜ私たちがその白石優をサポートしなければならないのですか」
マキは言った。するとミカは笑顔になった。
「彼に賭けてみたいんだよ」
「わかりました」
マキはミカの笑顔を見て核心した、ミカはなにか隠していることを。
ミカは優には言ってはないが、平天の名前に一つだけ思い当たることがあったのだ。ミカの家には代々一冊の本が長男または長女に受け継がれていた。その本は受け継がれた人物しか見ることを許されなかった。
それは最強クラスである、魔王や邪神や悪神などの存在について書かれた本だった。
その本は二冊で一冊なのだがその片方は紛失をしているのだ。
その本の途中に平天大聖の名前があった、その名は七人の魔王の長男のことだ。
その兄妹は天に喧嘩を売ったのだ、神々や仏に喧嘩をした。自分達が本当の正義だと信じて。だが、結果は敗北だった、七人はバラバラになったのだ。それから、何百年後平天大聖は自分の妹に息子を仏の弟子にされ、妻を殺されたのだ。それに怒り戦ったらしいのだ。
だが、最後の一行にこう書かれていた。
神々や仏に負けたあと平天大聖は自分の弟子に自分の影武者にしたと、実際は女だと。
ミカは優の契約を結んだあと兄妹の事を調べた、だが兄妹達のページは平天大聖ともう一人を除いてはこう書かれていた。
彼らについては何も分からない。
もう一人はそもそもページが破られていた。
ミカは優の才能に驚いた、この学校に優の才能と互角な存在など、ミカでも十二人しか知らない。
彼らの中には全員が最強クラスの神々と契約を結んでいたのだ。
「優くんは多分、この大会に嵐をよぶ。だから私は彼に一つの夢を見る。彼がこの大会に本当の意味で勝ってくれて、この国に受け継がれる一つのおとぎばなしを現実にしてくれることに」
マキはミカの言葉に納得をした、それは自分では絶対に不可能なことに。