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プロローグ 

 この世界は実にシンプルで退屈だ。

 ドラゴンやエルフなどのファンタジーに出てくる生物もいない。

 世界を侵略しようとする魔王も世界を救う勇者などもいない。

 もちろん神といった存在もいない。

 魔法や超能力など誰も持ってない。


 それは、この世界の常識だ。


 そんな、世界に生まれて君たちは幸せかぁ。

 僕はそうでは無い。


 僕はこの世界が嫌いだ。この世界に生きてる人間は他の人間の事なんか見ていないのだ。


 だから、もしもこの世界の他にも別の世界があって。

 その別の世界にはこの世界とは違い、世界を侵略をしようと考えている魔王やそれを阻止するための勇者がいるとしたら。もし神などが存在していたら。もしも魔法の技術や力ですべてが決まる学校があったら。もし妖精やドラゴンなどを契約する世界があったら。みんなは楽しいと思わないかな。

 僕は楽しいと思うよ。でもその世界には絶対に行けない。世界にはそういった決まりがいくつも存在する。だからしょうがない。

 

 だから人間はそんな幻想的な事を夢に見ている。僕のようにね。

 



 それなのになぜ、僕の目の前にファンタジーに出てくるような建物が存在しているのか。



 時は数分前に戻る。


 僕こと白石優は昔から、勉強が全く出来ず、運動神経はあるが、顔は普通だ。彼女もいないし、友達もいない、通称ぼっちと言われるものだ。不登校で学校にもいかないのだ。家では漫画やラノべを読んだり、アニメを見ながらゲームを読んでいるだけなのだ。

 優はその日、久しぶりに外に出ていたのだ。その日は好きな漫画の最新刊の発売日で買いに行っていたのだ。

 なぜ、ネットで買わないのかだって。

 それは、ネットでは付かない限定の特典があったからだ。


 そして、本を買いに行った、帰り道のことだ。横断歩道が青になったので渡ろうとした瞬間に目の前に急スピードのトラックが信号無視で優の方に向かってきたのだ。

優は自分が死んだと思ったのだが、優は別に自分の死が怖くなかった。元々、この世界には優は未練が一つも無かったからだ。

 優は目をつぶって、自分が死ぬのを待った。

 だが、優はいつまでたっても痛みもしないし、死んだ感触もなかった。


 優は不思議に思って目を開けるとそこには見たこともない景色があった、周りは森で建物は目の前に建っている西洋の城があるだけだ。

「ここはどこなんだ」


 そして現在に戻る。


 優は呆然とその場に立ちながら目の前の城を見ていると、赤いロングヘアーの美少女がカバンを持って城から出てきた。少女は城の前に立っている優に気が着いたようで、優の方に向かって走ってきた。


「そこにいる奴、そこで何をしてる」

 少女は髪と同じ赤い服を着ていた。少女は優に話しかけてきた。だが、それは親切そうな顔では無く優を警戒をしている顔だった。


 だが、優は少女のそんな顔に緊張をして、うまく口に出来なかった。


「どうした、言葉が言えないのか」

 優が何も口にしなかったので、彼女が優を更に怪しんでいた。


「やはり、君は犯罪者か。それなら私が捕まえる」

 少女は更に優を追い詰めた。


 優は慌てて口を開いた。


「違います、僕はここにいつの間にか立っていたんです。だから、悪い事もやってないし、悪い事も企んでません」

 優は本当の事を言ったのだ。

 

「そんなはずはないだろ」

  少女は優の言葉に怪しいと感じていたのだ


「ホントです。本当にホントです」

 すると優の目の前に美少女が顔を近づけてきて、優の目を覗いた。すると、少女は何かを分かったように顔をどかした。優は少女の顔が近づいたときに凄く恥ずかしいそうにしていたが顔を離れると安心したのと少し残念な気持ちが混ざって変な感じがした。


「ウソはついてなさそうだな」

「信じてくれたんですね」

 優は安心をしたような顔して安堵したのだが、少女はまだ、なにか考えていた。それもそうだ少女は完全に優のことを信じたわけではないのだから、だが、少女から見て、優が嘘をつくような男には見えなかった。


「まあな、一応は信じてやる。とりあえず、君の名前と出身地を聞こう」

「僕は、白石優と申します、出身地は日本です。年齢は十六歳です」

 少女は驚いた、彼の言った出身地に全く聞いたことがない国だったからだ。少女は自分の選択が間違ったかもしれないと考えたのだが、優が真剣な顔をしていたから、偶然彼女が知らないだけなのだろうと考えた。

 

 それに、普通嘘を言うんなら。誰でも知っている国の名前を出すはずだ。だが優は聞いたこと無い国を出したのだ、なので彼女は優が本当の事を言っているはずなのだ。


「日本とは聞いたこともない所だ。それに、私と同じ年か」

「それじゃ、ここはどこですか」

「ここは、エルテー二だ」

 美少女は優に向かって偉そうに言った。


「そして、私がこの国の姫のエリ・エル二ールだ」


これが白石優とエリ・エル二ールの初めての出会いだった。



 

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