本編
―垢い水星パート―
今日の朝ご飯。
我が城、『歳男ルーム』にて、PCのディスプレイを見ながらカップラーメンをすする。1つは株価の変動を映し出し、1つはチャットの画面が、そしてもう1つには有名なゲームが映されていた。もう1年はこの家から出ていない気がする。でも株でもうけているから何も不自由しない。
しかし、今日は外へ出ないといけない。4台目のPCが壊れているので、直すために部品を買わなくてはいけない。そして、スープを飲みほして、部屋から出る。良い部品を買うには秋葉原がやはり良い。
―黒い3年生パート―
向かう先は東京駅。最寄りの赤羽駅から山手線で15分くらい。それにしても、この『人ゴミ』というものが嫌いだ。腹が立つ。人にぶつからなければ歩けないなんて、この人々はいったいどこからわいてくるのだろう。けっこう昔から抱いていた疑問の1つだったりもする。赤羽でキップを買って、それから自動改札を出る。人にぶつかった回数、計4回。コンクリートのかたい感触を踏みしめながらホームに出た。やっぱり人。
人々が、きちんと整列し、電車を待っていた。いや、2分間隔で来る電車を
「待つ」というのは、少しおかしいかもしれない。そんな事を、ボンヤリと思っていた。
―来々パート―
どうにかこうにか秋葉原に着いた。前のパートに何か色々書いてあったが着いた。二人には申し訳ないけど、着いたモンは着いた。ゴメンね。
目的地に行く途中も、人とぶつかる。荒い波に揉まれながらも歩き続けていたその時、(「荒い波に揉まれる」という言葉は、
「荒い彼に揉まれる」に見える。)何度目かもわからないが、また人にぶつかった。いかにもドジそうな可愛い顔をしている。
ぶつかったヤツは、すぐに立ちあがり、
「ごめんなさい」と頭を下げてきた。
男らしく、
「いいよ、気にしてないから」と言った時に見えた笑顔は、背景が真っ白で可愛かった。
軽くお辞儀をして、ぶつかったヤツは走り去って行った。参ったなぁ。背中も輝いてるゼ。
買い物を終えて、あの笑顔を思い出す。
惚れたかもしれない。
あんなに可愛いキャラクターのTシャツがあったなんて。