パンのみみ
パン屋の朝は はやい。
おいしく なるまで
みんな しずかに 待っている。
こうばしい においに
つつまれながら——
いくつかのパンは
べつの部屋へ はこばれる。
そこは
サンドイッチの お部屋。
シュッ。
シュッ。
パンのみみが
切りおとされる。
「ああ、また だ」
「また みみだけ……」
どこかから
ひそひそ声が きこえた。
みみだけが
べつの袋に どんどん つめられていく。
その中から
ぽとん、と 落ちた みみ……
だれにも きづかれず
戸が しずかに 閉まった。
⸻
夜になり
まどから 月のひかりが さしこむ。
ちいさな すきまから
みみは そっと
外の世界へ 出ていった。
みみが
そっと 外へ でた そのとき——
「まって!」
うしろから
ちいさな 声が した。
「わたしも いく!」
「ぼくも いっしょに いく!」
ふりむくと
すきまから
いくつかの みみが
ころん、と でてきた。
「ひとりじゃ ないよ」
月あかりの したで
みみたちは
そっと ならんだ。
さあ——
ぼうけんの はじまりだ。
みみたちは
そっと あるきだした。
夜の まちは
しずかで
すこし ひんやり していた。
そのとき——
「くんくん……?」
くらやみの すみから
ちいさな いぬが かおを だした。
「それ、たべもの?」
みみたちは
ぎゅっと かたまる。
「ぼくたち……
パンの みみ なんだ」
いぬは
もういちど くん、と においを かいだ。
そして——
「いい におい!」
いぬは
しっぽを ぱたぱた ふった。
「だいじょうぶ。
たべたり しないよ」
みみたちは
そっと かおを 見あわせる。
「ぼくは ポチ。
この まちの よるを しってるんだ」
ポチは
えへん、と むねを はった。
「きみたち、
はじめて 外に でたんでしょ?」
みみたちは
こくん、と うなずく。
「じゃあ ぼくが
あんない してあげる!」
ポチは
月あかりの したを
ぴょん、と かけだした。
「こっちだよ!」
みみたちは
ころころ ころがりながら
あとを ついていく。
なんだか
むねが ぽかぽか してきた。
ぼうけんは
たのしい かもしれない。
ポチは
まちの すみっこに ある
ちいさな こうえんへ つれていった。
ブランコが
きい、と 風に ゆれる。
すべりだいは
月の ひかりで
ぎんいろに かがやいていた。
「ここ、ぼくの 好きな ばしょなんだ」
みみたちは
ころころ ころがりながら
すべりだいの したまで いく。
「わあ……」
はじめて みる せかいは
おおきくて
ひろくて
すこし こわい。
でも——
となりには
なかまが いる。
ポチが
そっと いう。
「きみたち、
いい においが するね」
みみたちは
はっと する。
いままで
“いらない”と いわれていた
その かおり。
月の したでは
ちょっと ちがって かんじた。
「すべって みる?」
ポチが
すべりだいを 見あげた。
みみたちは
顔を 見あわせる。
「いくよー!」
元気な みみが
ころん、と のぼって——
しゅるるるるっ!
月あかりの すべりだいを
いっきに すべりおりた。
「わああああ!」
下で まっていた みみたちの ところへ
ぽふん、と つっこむ。
みんな ころころ
笑いあう。
「もう いっかい!」
そのとき——
ぴゅううっ。
よるの かぜが
つよく ふいた。
ひとつの みみが
ころころころ……と
はなれていく。
「まって!」
「そっちは いけないよ!」
ポチが
すばやく かけだし
やさしく くわえて もどってきた。
「だいじょうぶ?」
はなれていった みみは
ちょっと どきどき しながら
うなずいた。
「……でも、たのしかった」
みんなで
くすくす わらう。
夜の こうえんは
さっきより 少し
あたたかく なった。
たくさん わらって
たくさん ころがって——
いつのまにか
空が うすく なっていた。
ブランコが
朝の かぜに
ゆらゆら ゆれる。
「もう すぐ あさだね」
ポチが
空を 見あげる。
そのとき——
ふわり。
どこからか
なつかしい においが
ただよってきた。
みみたちは
ぴたり、と とまる。
「あ……」
それは
パンやの におい。
あたたかくて
こうばしくて
だれかを まもっていた
あの におい。
胸の どこかが
きゅっと なる。
「ぼくたち……」
ひとつの みみが
そっと つぶやく。
「サンドイッチを つくる まえに
きりおとされた んだよね」
静かな 朝の 光のなかで
みみたちは
はじめて
じぶんたちの ことを
ちゃんと 思い出した。
朝の においの なかで
みみたちは しずかに ならんだ。
「ぼくたちって……」
ちいさな みみが つぶやく。
「なんの ために あるんだろう」
サンドイッチの ため?
きりおとされる ため?
それとも——
ただの はじっこ?
だれも すぐには
こたえられない。
そのとき
ポチが くん、と かぜを かいだ。
「ねえ」
「こたえって、
さきに あるんじゃ ないかな」
みみたちは
顔を あげる。
朝の ひかりが
すこし ずつ
まちを てらしはじめていた。
「まだ 見てない せかいが
あるよ」
ころん。
ひとつの みみが
前へ ころがる。
「いって みよう」
みんなも
ゆっくり つづく。
ぼくたちの こたえは
まだ どこかに
あるはずだから。
朝の かわは
きらきら ひかっていた。
みみたちは
はじめて 見る みずに
そっと 近づく。
「つめたい かな?」
ころん——
ひとつの みみが
足を すべらせた。
ぽちゃん!
「わあっ!」
みずの なかで
くるくる まわる。
「まって!」
ポチが
かわへ かけだした そのとき——
ばさっ!
大きな つばさの 音。
一羽の とりが
すばやく おりてきて
ぴょい、と
ぬれた みみを
くちばしで くわえた。
「つれて いかれちゃう!」
みみたちは
ぎゅっと かたまる。
空へ まいあがる とり。
その とき——
ぬれた みみが
さけぶ。
「ぼく、
まだ ぼくの こたえ
みつけて ないよー!」
とりは
一瞬、羽を ゆるめた。
そして
近くの きのえだに
そっと おろした。
「……おまえ、
たべもの じゃ ないのか?」
とりは
ふしぎそうに くびを かしげる。
ぬれた みみは
どきどき しながら いう。
「ぼくは……
パンの みみ なんだ」
とりは
きのえだから
そっと かわらへ おろした。
「パンの みみって……
あの パンの ことか?」
みみたちは
こくん、と うなずく。
「ふわふわの まんなかじゃ なくて
はじっこの ところか?」
また こくん。
とりは
くびを かしげる。
「へえ。
たべられない ところが
あるのか?」
みみたちは
はっと して
ことばを なくした。
……たべられない?
いらない ところ?
しずかな かわらに
あさの かぜが ふく。
「あれ?」
とりは
あわてて いう。
「なんか わるい こと
いったか?」
みみたちは
だまった まま。
とりは
ぱたぱた と つばさを ならした。
「よし!
おわびに いい もの
みせてやる!」
みみたちは
ぽかん。
「そらの せかいだ!」
とりは
やさしく つづける。
空へ舞い上がる前——
とりが つばさを ひろげた とき、
ポチが かわらから さけぶ。
「いってらっしゃい!」
みみたちは
ふりむく。
「ポチ!」
「ありがとう!」
ポチは
しっぽを ぶんぶん ふる。
「こたえ、
みつけてこいよ!」
ばさっ。
みみたちは
そらへ。
ポチは
小さく なる すがたを
ずっと みあげていた。
「しっかり つかまれよ!」
みみたちは
こわごわ
とりの せなかに のる。
ばさっ。
ばさっ。
かわが
どんどん ちいさく なる。
まちが
おもちゃ みたいに みえる。
「わあ……」
あさの ひかりが
みみたちを
きらきら てらした。
はじっこ だった ぼくたちが
いま
せかいの まんなかに いる。
みみたちは
はじめての そらに
きょろきょろ。
「わあ……」
「ちいさい いえ!」
「かわが ひも みたい!」
そのとき
ひとつの みみが
そっと きいた。
「ねえ、
それ……なあに?」
とりは
ちらっと うしろを みる。
「これか?」
ぱさり、と
ひかりを うける つばさ。
「これは
はね って いうんだ」
「たくさん あるだろ?」
みみたちは
じっと みつめる。
「ひとつでも なくなると
バランスを くずして
おちちまう」
とりは
えへん、と いう。
「これの おかげで
オレは そらを とべるんだ!」
にやり。
「かっこいい だろ?」
みみたちは
まだ うまく
りかい できない。
でも——
心の どこかに
なにかが
ひっかかった。
たくさん ある ひとつ。
なくなったら
こまる ひとつ。
はじっこ みたいな
ひとつ。
そらは
あさの ひかりで
まぶしかった。
そのとき——
びゅうっ!
つよい かぜが
そらを ぬけた。
「おっと!」
とりの からだが
ぐらり、と ゆれる。
みみたちは
ぎゅっと しがみつく。
ぱさっ。
なにかが
ひらり、と まいおちた。
「……あ」
白い はねが
くるくる まわりながら
ちじょうへ 近づいていく。
とりは
はばたきを つよく する。
でも
さっきより
少し だけ
ふらついている。
「だいじょうぶ?」
みみの ひとつが
こわごわ きく。
とりは
くちばしを きゅっと むすぶ。
「へいきだ。
たった いちまい だ」
でも——
そらの かぜは
さっきより
つよい。
みみたちは
さっきの ことばを
おもいだす。
“ひとつでも なくなると
バランスを くずす”
たった ひとつ。
でも
なくなると
ちがう。
みみたちの
こころの なかで
さっきの
“ひっかかり”が
すこし だけ
おおきく なった。
びゅううっ。
かぜが
また つよく ふいた。
とりの からだが
ぐらり、と かたむく。
「つかまってろ!」
みみたちは
ぎゅっと しがみつく。
でも
さっきより
すこし ふらふら している。
そのとき——
ひとつの みみが
ぽつり、と いう。
「ぼくたちも……」
みんなが
そちらを みる。
「ぼくたちも
たくさん ある ひとつ
なんじゃ ないかな」
とりの せなかに
ぴたり、と くっつく。
ほかの みみも
つぎつぎに
ならんで くっついた。
ぺた。
ぺた。
ぺた。
「バランス……」
「とれる かも」
とりは
目を みひらく。
「おまえたち……」
もう いちど
つばさを ひろげる。
ばさっ!
かぜの なかで
からだが
まっすぐ に なる。
「……いける!」
そらを
きりさく ように
とりは まいあがった。
みみたちは
あさの ひかりの なかで
ぴたり、と くっついている。
はじっこ だった
ぼくたちが
いま
だれかの ちからに
なっている。
「そろそろ ここで いいだろ」
とりは
なだらかな 丘の上に
そっと おりた。
あさの ひかりの なかで
大きな かげが
くるくる と うごいている。
「わあ……」
丘の てっぺんには
大きな ふうしゃ。
長い はねが
ゆっくり
回っていた。
とりは
つばさを ととのえる。
「ここから さきは
じぶんたちで いけるな?」
みみたちは
こくん、と うなずく。
「とりさん」
「ありがとう」
とりは
くちばしの さきで
ぽん、と みみを つつく。
「こたえ、
ちゃんと さがせよ」
ばさっ。
とりは
あさの そらへ
とびたっていった。
みみたちは
くるくる まわる
ふうしゃを 見あげる。
みみたちは
丘の上を
ころころ ころがりながら
ふうしゃの ちかくへ いく。
「どうして まわってるの?」
ひとつの みみが
きく。
ふうしゃは
ゆっくり こたえる。
「はねが あるから さ」
くるん。
「ひとつでも かけたら
うまく まわれない」
くるるん。
「みんな そろって
はじめて ちからに なる」
みみたちは
ぴたり、と とまる。
「あれ……」
「とりさんも……」
“ひとつでも なくなると——”
みんなが
だまりこむ。
その しゅんかん——
びゅおおおっ!!
つよい かぜが
丘を かけぬけた。
ふうしゃの はねが
ぐわん、と
いつもより はやく まわる。
ごとん!
なにかが きしむ 音。
「あっ!」
はねの ひとつが
ぐらり、と
かたむいた。
ねじが
ゆるんでいる。
「このままじゃ……」
ふうしゃが
ゆっくり つぶやく。
「はねが とれてしまう」
みみたちは
はねを 見あげる。
“ひとつでも かけたら
うまく まわれない”
さっきの ことばが
胸のなかで
大きく ひびく。
ぐわっ!」
つよい かぜで
ひとつの はねが ふらり。
ころころ ころがっていた
みみの ひとつが
ちいさな すきまに ころり、と はさまった。
「えっ……!」
みみは
びっくりして ぎゅっ。
でも——
その瞬間——
ふうしゃが
ゆっくり とまりかけた まわりを
また まわしはじめた。
「あ……!」
みみは
はっと する。
“たったひとつ”
でも ちゃんと 役に立った。
くるくる まわる はね。
みみは
ちょっと 恐る恐る
でもうれしそうに くっついている。
ふうしゃは
ふわり と
安定を 取りもどした。
みみたちは
そっと みあう。
「……ぼくたち、
役に立てたんだ」
胸の どこかの ひっかかりが
すっと 消えて
ぽかぽか あたたかくなる。
「ありがとう、みんな」
風車の羽根が
ゆっくり くるくる まわる。
「おまえたちのおかげで
ぼくも 安定できたよ」
みみたちは
ぺたぺた ころがりながら
丘を おりていく。
「さよなら、風車さん!」
「またね!」
⸻
ころころころ……
みんなで 丘を くだっていると
小さな 川が 見えてきた。
そこには
ちいさな 石橋が かかっている。
「わあ……」
「わぁ…ちょっと こわいかも」
橋の上から
すこし かぜが ふきぬける。
すると 石橋が
きしんで こたえる。
「ひとつでも ぼくの 石が
なくなると、わたれないんだ」
みみたちは
ぴたり と たちどまる。
「あれ……」
鳥さんも
風車も
同じようなことを
いっていた気がする。
胸の中の
ひっかかりが
また ちょっと ゆれる。
みみたちは
そっと 石橋の上に ころころ ころがる。
さっきよりも つよい
かぜが ふきぬける。
その瞬間——
ぐらっ!!
石橋の ひとつの石が
すこし ずれる。
「きゃっ!」
みみたちは
びっくりして
ころころ しがみつく。
「だいじょうぶ
見えない ところでも
ちゃんと ささえてるんだ」
みみたちは
はっと する。
「あれ……
鳥さんも…風車も…」
胸の中の
ひっかかりが
ぐっと 大きくなる。
そして——
ひとつの みみが
そっと 石の間に はさまる。
「……ぼく、支えになる?」
ぺたり。
みんなも つぎつぎに
そっと くっつく。
ぐらぐら だった 石橋が
ゆっくり 安定を 取りもどす。
「あ……!」
「ぼくたちも
ちいさくても 役に立てたんだ」
胸の中の ひっかかりが
ふっと 消える。
心が ぽかぽか
あたたかくなる。
石橋の上で
みみたちは ぺたぺた ころがりながら
そっと さよならを いう。
「ありがとう、石橋さん!」
ぐらぐら していた橋も
安定を 取りもどす。
みみたちは
少し 胸が ふわっと あたたかくなる。
「……やっぱり、ぼくたち、
役に立てるんだね」
ちいさな 自信が
ぽん、と 心に 生まれる。
⸻
ころころ ころがって
川辺に さしかかると——
「あれ……?」
慌ただしく 動く
小さな 影。
ミツバチたちが
せわしなく 羽ばたいている。
「どうしたの?」
ひとつの みみが
そっと きく。
「仲間が まだ 帰ってこないの。
ぼくたちが いないと
ハチミツが 取れないんだ」
みみたちは
顔を見合わせる。
「手伝おう!」
ぺたり。ぺたり。
みんなで
ちいさな ミツバチを 支える。
ぐるぐる ころがって
巣の中まで ハチミツを運ぶ。
⸻
そのあと——
「ありがとう!」
ミツバチたちは
ちょこん と
ハチミツを みみに つけてくれる。
ふわっと 甘くて
いい匂い。
みみたちは
小さな 体で
役に立てたことを
じんわり 感じる。
「……うん、ぼくたち、やれるんだ」
心の中の
自信が ぐっと ふくらむ。
⸻
ぽかぽか の 小道を
ころころ ころがっていると——
「おっ!」
川辺で
ポチが 立っていた。
「やっと会えた!」
みみたちは
にっこり 笑う。
「ただいま、じゃないけど、
ぼくたち、やっとわかったんだ」
「ポチ!」
ころころ ころがりながら
みみたちは かけよる。
ポチは くんくん と
いいにおいを かぐ。
「なんだか……
あまくて いいにおいが するぞ?」
みみたちは
ちょっと てれくさそう。
「うん。
ぼくたち、
いろんな ところで
役に立てたんだ」
ポチは
しっぽを ぶんぶん。
「すごいじゃないか!」
みみたちは
胸を はって
ころころ ころがる。
「ねえ、ポチ。
ぼくたち……
帰ろうか」
ポチは うなずく。
「うん。
いっしょに 行こう」
⸻
ころころ。
ころころ。
丘をこえて
川をこえて
風のにおいを たどって——
やがて 見えてくる。
あの、なつかしい
赤い屋根。
パン屋さん。
みみたちは
ぴたり と とまる。
胸が
どきどき する。
「ぼくたち……
ちゃんと 役に立てるよね」
ポチは
そっと そばに すわる。
「もう、知ってるだろ?」
みみたちは
顔を 見合わせて
にっこり。
小さな みみに
ちょこん と ついた
ハチミツが
きらり と ひかる。
ころり。
パン屋の まえまで
あと すこし。
ころり。
みみたちは
パン屋さんの まえで
ぴたり と とまる。
ドアの むこうから
こんがり いい におい。
カラン——
ドアが ひらく。
「あっ……!」
白い ところたちが
こちらを 見つめる。
すこし きまずそうに。
すこし うれしそうに。
みみたちは
どきどき しながら
言う。
「ぼくたち……
ちいさいけど、
ちゃんと 役に立てるんだよ」
鳥さんにも。
風車にも。
石橋にも。
ミツバチにも。
ポチが
そっと うなずく。
しばらく しずかな じかん。
それから——
白い ところの ひとつが
そっと 近づく。
「……ごめんね」
「みみも、
パンの だいじな ぶぶんだよ」
その ことばは
ふわっと あたたかくて
みみたちの 胸に
のこっていた 小さな かたまりを
ゆっくり とかしていく。
ぽろり。
うれしくて
ちょっと だけ
なみだ。
でも それは
悲しい なみだじゃない。
じぶんを
すきに なれた
なみだ。
その日から——
パン屋さんには
あまくて いい においが
すこし ふえる。
みみは
みみの ままで。
だれかの
だいじな いちぶ。
おしまい。
お読みいただきありがとうございます。
「いらないもの」なんて、
ほんとうは
ひとつもないのかもしれません。
パンのみみたちの旅が、
あなたの心に
そっと残ってくれたら嬉しいです。




