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第17話 あ、怪しいものですわね!

「「ら、ラングース様!」」


 すると、取り巻きの二人が恐怖から声を上げながらラングース先輩に両サイドから目を瞑りながら抱きつき、俺はそれを横目にラングース先輩達を火の魔法から庇うように前へと飛び出た。


「え……?」


 咄嗟のことに背中からラングース先輩の困惑した声が聞こえたものの、俺は振り返ることなく片腕を迫りくる火の魔法へと向けると、相殺するように力を加減しながら水の魔法を放った。


 周囲が見守る中、俺達の方へと迫っていた火の魔法は水の魔法にかき消され、あっという間に消え去ってしまう。それを眺めた後、俺は軽く肩を竦めながらため息交じりに安堵の息をこぼした。


「あっぶねぇ……」


 まあ、本音を言えば、自分で放った魔法くらい追い付くのは全然余裕だったし、万が一にでもラングース先輩達に当たることはなかったが……それでも、もしかしたらラングース先輩の髪が黒焦げになるくらいはあり得たかもしれないからな。


 これで余計に怒られずに済むだろ……って、あれ? そもそも、俺が勝ったら『制裁』にならなくね?


 そこまで考え、今がラングース先輩曰く『制裁』をしている時だというのを思い出した。この人のことだから本気で魔法を撃ったりはしてないんだろうけど、それでも消すのはマズかったか?


 俺がそんな風に考えていると、ふと聞き覚えのある声が耳を突いた。


「な、何があったんですか!?」

「イサリナ?」


 野次馬のように集まっていた生徒達を搔き分けながら現れた同級生を目にした俺がその名前を口にすると、その瞬間、イサリナの周りの野次馬達が一斉に彼女から距離を取ってしまう。


「レクトさん……? こ、これは一体何の騒ぎ―って、え? あ、あの……?」


 突然のことにイサリナが困惑する中、野次馬達はまるで緊張したように張り詰めた空気を出しながら、息を飲みひそひそと小さい声でイサリナの話をしていた。


「お、おい、イサリナって……あの理事長の娘のイサリナ・ドゥーンだよな……?」

「ま、間違いないわ……だって、理事長と同じ髪の色をしてるもの……」

「先生達が言ってた通り、本当に今期の入学生に居たんだ……」


 当人であるイサリナが困惑する中、周りの人間達は近付くことを恐れて距離を取ってしまう。……そりゃまあ、理事長の娘相手だしな。


 もちろん、イサリナの正体に驚いているのは野次馬達だけではない。火の魔法で腰を抜かしてしまったのか、ずっと地面に座り込んでいたラングース先輩もイサリナに気付いて声を震わせていた。


「り、理事長の娘……? あ、あなた、彼女とも知り合いなんですの?」

「いや、知り合いというかクラスメイトなだけなんですけど……」

「入学初日に彼女と交友関係を……? ま、まさか、あなた、彼女が理事長の娘だと分かって取り入ったということですか!? み、見損ないましたわ!」

「誤解ですって! 俺はそういうの考えるの苦手なタイプなんで、相手がどうとか関係なく仲良くしますよ!そもそも、話し始めたきっかけも隣の席だったからですし」

「ほ、本当なんですの……? あ、怪しいものですわね!」


 そう言って、どこか顔を真っ赤にした様子で俺に突っかかって来るラングース先輩。まあ、こんな公衆の面前で恥を掻かせちゃったし、そりゃやっぱ怒っるよなぁ……取り巻きのお二人も俺を真っ赤な顔で見てるし。


 そうして、俺がどうやってご機嫌取りをしようか悩んでいると、ふと後ろでミューイとイサリナが驚いたように声を上げていた。


「イサリナ……?」

「みゅ、ミューちゃん……?」

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