第13話 そうして、俺の平和な学校生活は終わりを告げたのだった
そうして、俺の平和な学校生活は終わりを告げたのだった―完。
「いや、終わらせちゃ駄目だろ」
学校の校庭で立ち尽くしていた俺は、現実逃避のあまり心の中で終わりそうになっていた自分のエピソードにツッコミを入れていた。なぜ、こんなことに……。
周囲には多くの生徒達が野次馬のごとく集まり、軽くお祭り騒ぎのような騒がしさを見せており、そんな大衆の目が向けられている中心に居るのが俺とロールパン―じゃなかった、巻き髪の先輩らしき人だった。……っていうか、名前すら知らないんだが。
わけも分からないまま校庭に連れて来られた俺は、二人組の取り巻きを引き連れた巻き髪の先輩は俺の目の前で軽く体を動かしながら自信たっぷりな様子を見せる。恐らく……というより、まず間違いなく後輩である俺を制裁するつもりなんだろう。
ちくしょう……腹が減ってる時にあんな髪型を見りゃ、誰だって間違えるよなぁ。そんな風に半ば八つ当たり気味なことを考えていると、目の前に居た巻き髪の先輩が目付きを鋭いものへと変えていく。
そして、偉そうに両腕を組んでみせるとそんな強い視線へと向けながら冷えきった声を返してくる。
「あなた……また失礼なことを考えてませんこと?」
「イエ、メッソウモゴザイマセン」
何でみんな、俺の心の中を読めるの? もしかして、俺って心の中が周囲に聞こえちゃうタイプとか?
そんなアホな考えに逃げたくなるくらいに疲れていた俺の耳に、巻き髪の先輩から呆れた様子で声が掛けられる。
「安心なさい。『ジュリス家』の次女たるこのラングース・ジュリスがあくまでも先輩として、無知なあなたに軽く制裁を加えるだけですわ」
「あ、自己紹介どうも。レクト・ユーフィーンです」
そうして、ラングース先輩の自己紹介に乗って俺も軽く自己紹介をし返したのだが、俺の名前を聞いたラングース先輩は何やら困惑した表情を返してきていた。
「ユーフィーン……? 聞きなれない名前ですわね……あなた、まさか私に偽名を名乗っているのではないでしょうね?」
「いや、本名ですけど……」
「ということは、私すら知らない貴族ということ……? 平民上がりの貴族ですら知っているこの私に、まだ知らない家があっただなんて……」
そんなラングース先輩の呟きに同調するように、周囲の生徒達からも困惑した雰囲気が流れていく……すいません、貴族ですらないです。もっと言うと、大陸一らしいの胡散臭い師匠を持っているだけの平民でございます。
とはいえ、こんな注目を浴びている中、そうとは言えず、ラングース先輩はその表情をますます怪訝なものへと変えていく。
「……そもそも、一年生の癖に理事長から出てくる時点で得体の知れない存在でしたわね。あなた、一体何者なんですの?」




