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決闘6

 エンチャントの所為か、長い間鍔迫り合いをしているとジリジリと肌を焼くように炎が俺の肉体を蝕む。


(厄介だな……)


 一度距離を取り、作戦を考える。


 厄介なのは、和田のあのエンチャントと動体視力……

 エンチャントし続ける限りは、槍は炎を纏い、強化し続ける。

 肉体そのものを強化している訳では無いが、炎は厄介だ。

 触れるだけでもダメージを与えてくる。


 接近するだけなら俺のスピードなら簡単だ。それはさっきので確認出来た。

 ただ和田の奴動体視力が良いのか、俺が近づく動きを正確に捉えていた。剣術での賜物なのか、それはどうでもいい事だ。

 動きを正確に捉えて来るという事は、どんな目眩ましも対応して来る。どんなに策を講じても対応して来るという事だ。


(さて、どうしたものか……)


 和田は考え事も許さず、右腰の辺りから何かを取り出し、投げ飛ばして来る。


 それを短剣で弾き、推進力のを失ったソレは、地面へと落下していった。

 地面へと目をやると、俺が投げたナイフと同じモノが落ちていた。


(っ!?まずい……!!)


 そう思った刹那、前方から急速に突進して来るモノから防御する事が出来ず、衝撃のまま後ろへと吹き飛んで行き、後方の壁に打ちのめされた。


「グハッ……!!」


 壁に激闘し、仰け反ったところを和田は見逃さず、そこに連撃、追撃を叩き込まれる。

 槍で俺の頭に一撃をいれ、間髪いれず蹴りで俺の体を上へと蹴り上げる。

 一呼吸の間にこれだけの攻撃、これは、これは、



 ……ニィ……いいね!



 上空へと蹴り上げられ、その後は物理落下に従って下へと落ちて行く。

 頭を撃たれた事によって脳が揺れ、脳震盪を起こしていた。

 まともな判断が出来ない。今は、戦っている最中。

 今は落下中、だから俺が今やるべき行動は……


 受け身


 ドカッ!!


 衝撃が強く落下の緩和はあまりだが、受け身は取れた。今の衝撃で脳震盪は幾らか軽減出来た。


「今のでもまだ意識を保つか……頑丈だな」


「……っペ、そっちこそ、容赦ねーな」


 口の中の血を吐きながら、答える。


「容赦?俺は、そんなに甘くねーよ。決闘にそんな甘えた事なんていらないだろ?」


「それもそうだ……」


 容赦なんて決闘において侮辱以外の何物でもない。

 そんなモノ俺にとってもそんなつまらない(手加減)事は御免被る。

 立ち上がりながら、和田へと向き合う。



 さぁ、仕切り直そうか……

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