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気付き

「和田……」


「よぉ」


 互いに多くを語る事はなく、見つめ合う。敵意はない。

 確かめる様に見つめてくる。


「……お前か?」


 そう言われただけになんて答えたらいいか……

 おそらく氷城さんを倒した奴の正体の事だろう。どこでバレたのか、ソイツが僕だと疑問を持つほど疑惑に辿り着いたのか。

 何と言えば……


「昨日、」


 僕が考えていると、和田が口を開いた。


「昨日、氷城の事を見張っていると、人影が見えた。それがお前だった。何故だ?何故昨日氷城と会う必要があった?」


 ……話自体は聞こえていないのか。つまり遠くから僕らの事を見ていたのか。

 昨日、早々に氷城さんの所に行ったのが裏目に出たか。いや、昨日行こうが今日行こうが多分同じ結果になったと思う。

 つまり、氷城さんに会いに行った時点でバレるという事か。


「どうなんだ?」


「……」


「沈黙はそうだと受け取るぜ」


 そうだ。これ以上黙っているのは自分がそうだと言っている様なものだ。早く何とか言わないと。


「貴方と同じですよ」


「どういう事だ?」


「そのままです。僕も貴方と同じで気になったので直接聞きに行っただけですよ」


「……」


 黙ってしまった。疑っているのか、疑問が払拭出来ていないのか、どうなのか分からないが苦しくも言い訳が出来ている。

 さあ、どう出てくる。

 攻めてくるのか、引き下がるのか……


「……そうなのか、時間をとって悪かったな」


 そう言い、踵を返し学園の方へと歩いて行った。

 引き下がってくれたのか、見逃して泳がしているのかもしれない。どちらにしても猶予が出来た。


 今日も今日とて学園へと通う。

 寮から学園へは歩いて数分の所にある。電車なんかの交通機関を使う事無く、遅くまで特訓などで帰るまで時間が掛からない様にと学園側からの数少ない融通みたいなものだ。

 昨日もそうだったが、残る生徒が大半だった。訓練所、図書館、研究所等等この学園には様々な施設が存在する。

 これも、偏に学園長の権力とかその他諸々の力なのだろう。


 そんな事考えていると学園が見えてくる。

 教室まで行くとまだ殆どの生徒は来ておらずって昨日もそうだったな。


 それから暫くすると、昨日と同じく藍沢さんがやって来た。

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