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想定外

 意図していない事が起こった。

 僕は最初、自身の事を隠しながらそれ以外の矛盾を解くように誘導しようとした。しかし、それとは裏腹に皆の意見はとんでもない方向へと向いていった。


 コレじゃ僕が、Fクラスを見下す異常者みたいになる。早く誤解を解かないと……


「あ、イヤ、そういう訳じゃ……」


 そんな僕の思惑とは別に、


「絶対にそうだ!ソイツは俺達を見下して笑っているんだ!!」


「そんな、最低だわ!」


「早くソイツを見つけ出そうぜ!じゃないと、俺達がソイツの仲間だと思われる」


「そうだな!」


 なんか変な結束力つけ始めたぞ?

 そんな僕を端に、僕と藍沢さん以外は氷城さんを倒した奴(異常者)を見つけ出すべく訓練所の大広間からゾロゾロと出て行った。

 その場に残ったのは僕……と藍沢さん。


 ……どうしよう……?

 多分今出て行ったのは氷城さんを倒した奴、つまり僕を見つけ出すため。

 その為に色々確認したり、聞いて回るだろう。

 って言っても聞いて回るってもあの状況を知っているのは僕と氷城さん含めあと一人、隣にいる藍沢さんだけだ。

 だから、少しの間は情報は滞るだろう。なにせ情報が出回っていない。

 といっても僅か少しだ。

 直ぐに情報を求めて、氷城さんまたは学園の教師であの事を知っている人物を探すだろう。もって後一日二日位か?

 それまでに何とかしないと……


 そんな事を悩んで考えている時、ふと、隣にいる藍沢さんの事が気になり横目に見てみると、



 微笑んでいる。



 何故か藍沢さんは確実に僕に向けて微笑んでいる。

 その心想は僕は分からないが、なにか面白がっているのか、それともなにか企んでいるのか……

 その瞳に何を映し、何を考えているのか、それは彼女にしか分からない。


 その日はこれで特に話すことなく解散した。

 時刻は十七時を回り、夕陽も沈みかけもうすぐ夜が訪れる。

 学園に残っていた生徒も帰る準備をし始める時間だ。

 僕はある人物を探して廊下を歩いていた。その人物とは、


「あら?どうかしましたか?」


 髪を靡かせ佇む氷城 三玲その人だった。

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