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真相

「と……それから、藍沢澄玲。それと、お前」


 と、真直指を僕に向けてきた。


 こいつは確か……そうだ、氷城さんに押し黙らせられた奴確か名前は……わ…………わ……和田 ……だったけ?


「おい!聞いているのか!」


「……はい。聞いてますよ」


「ならいい。ついて来い」


 そうして僕含む何人かは和田?について行き教室を後にした。

 教室を出て向かった先は、さっきまでいた訓練所だった。

 この学園の訓練所は兎に角広い。

 大広間で本格的な戦闘訓練は勿論、個人訓練が出来る様に一人二人なら多少動いても問題ない広さの個室が幾つも用意されている。

 一人で集中する為にも使われているらしい。


 そんな中、僕達……十人か?が集められた。

 よくよく見てみると総力戦で選ばれたメンバー達だった。そこには藍沢さんの姿も見られた。

 このメンバーを集めて何のつもりだ?

 もしかして……


「俺は和田わだ 誠一郎せいいちろう。それじゃあ、誰がうちの氷城を倒したのか、教えてくれないか。不正を疑っている訳じゃない。単純に知りたいだけだ」


 ああは言っているが、威圧感を隠す事無く、絶対喋って貰うとでも言いたげな圧で言い放ってきた。


「……」


 全員が押し黙るが何人かは藍沢さんの方へ視線を向けていた。先生が最終的な勝者を発表した事でクラスメイト達は藍沢さんが氷城さんを倒したものだと思っているのだろう。

 だが、この威圧、全員が全員耐えられるものかどうか……

 下の方へ視線を移すと何人かは足が震えていた。無理もないか。今目の前にいるのは氷城さんと同じAクラス。

 僕達Fクラスとは天と地との差がある。


 それ程のお偉いさんが何を考えているのかと思うと……


「……誰も名乗り出ないのか!?」


 誰も名乗り出ない。それでも、一斉に藍沢さんへと視線が移る。


「……ん?……その女がそうなのか?」


 訝しむように、確認するように聞いてくる。

 全員の視線を辿ったのか藍沢さんに白羽の矢が立った。


「わ、私ですか?」


「そうだ。周りの反応からして、お前なんだろ?」


 クラスメイト達が知っているのは藍沢さんが氷城さんを撃破したという真実(嘘)。

 誰も僕があの場にいた事を知らない。


「それで、どうなんだ?」


「ええ〜っと、そうというか、違うというか……」


「……結局、どっちなんだ」


「あ、アッハハハ……」


 この場にいる人特に和田にとっては何が何だか分からないだろう。結局誰が氷城さんを倒したのか、それは僕にしか分からない。


「……はぁ、埒が明かないな……だったらする事は一つだ」


 何をするつもりなんだ?

 全員が疑問を抱き、思った事だろう。事前に情報を集めたがそんな情報は聞いていない。

 久渡さんも総力戦は完全にランダムだし、クールタイムもまだ終わっていない。

 だから、何をしようとしているんだ。



「……決闘だ」



 ……はい?

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