危ないニュース
「全身発火現象……」
突如としてこの学園周辺のみで起き始めている事件……
今までそんな事は起きていなかった。それがいきなり人々の日の目を浴びる様になった。
「以前は監視カメラのみで観測する事が出来ていたんですが、最近人を襲う事が分かったらしく、その危険性からニュースで少しづつ取り上げられる様になったんです。」
危険性……という事は人的被害が起きているのだろう。
「そうなんですか」
そして、二人の間に沈黙が訪れる。
互いに事の重要性を噛み締めているのか……
何時、誰が、何処で、何をするとそうなるのかなんて誰も分からない。
「それ、警察は対応しているんですか?」
氷城さんは無言で首を横に振る。
「こういうのはそういった能力者達が事にあたる為に警察や民間的な組織には基本関わろうとしないんです。」
警察にも当然、能力者は所属しているが、能力の使用を禁じており能力関係はそういった組織に回される。
「氷城さんはどうして僕に教えてくれたんですか?」
「ふふっ、それはですね~。」
一拍を置き、
「その方が良いと思ったからです」
「え?」
「単純に貴方に知らせていた方が面白い物が見れると思ったからです」
何とも単純で、何とも自分勝手な理由だった。
面白い、そういった理由で教えられ面白くなるのは物語の中だけで十分だ。
「……そうんですか。有難う御座います」
「いえいえ!私の我が儘みたいなモノもありますから!」
自分でも分かっているのならそうしないでほしい……まぁ、助かるけど
「……そろそろお暇しますね。私も眠くなってきました」
そう言うと立ち上がり玄関の方へと向かって行くので見送る……まぁAクラスだし、送らなくても大丈夫かな?
「では、夜更けに有難う御座いました」
「いえ、こっちこそ情報有難うございます」
氷城さんがエレベーターの方へ行くのを見送ると扉を閉めた。
時間も暫く経ち氷城さんが帰ってから、聞いた事を整理する為にリビングで例のニュースを見ながら考えている。
そして、
(時間も十二時を回りそうだしそろそろ寝るか)