総力戦3
修正
能力にはそれぞれ種類が存在する。
魔法系、呪術系、霊能系、超能力系、etc……
力に応じてそれ相応の力を消費する。魔法系なら魔力を、霊能系なら霊力を……そうすることで世界に概念として顕現する。
能力は今や体の一部として考える人がいるくらいだ……
そう考えるものとして、一定以上の力を行使すると倦怠感を覚え、更に酷使すると命に関わってくる。
だから、隙をつくのならそこだろう。
「あはッ!このスピード対応しますか!」
ヒットアンドアウェイで攻撃こそしているけれど、あまりいい感触は入っていない……
「ハァ……ハァ……ッ」
肩で息をしながら、乱れた呼吸を整えようとする。
氷城さんも打てるだけ打ったのか休んでいるところに被弾すること無く休む事が出来る。
「凄いですね、ここまで出来るのは上位ランクでも僅か一握りでしょう。それなのに貴方は掠めているものの見事私からの攻撃を躱せています。それは何故でしょう?」
「ハァ……ッ。身体能力には自信がありますので……」
「……本当にそれだけでしょうか……?」
この人鋭いな……
そう、躱せている理由はもう一つある。
だが、それだけが特別なことではない。身体能力に加えて胴体視力、それに能力だって一応役に立っている。
「……」
「まあいいでしょう。貴方の秘密が何なのかは分かりませんが、この戦いで見つければいい話ですからね」
「それより聞きたい事があるんですけど……」
「何ですか?」
今は話を繋げることで体力の回復をしよう。ただでさえさっきまで走りっ放しだったんだ。
少しでも……
「どうやって僕以外の全員をこんな短時間で倒して来たのですか?」
そうだ。
この島は大きくはないとはいえ人数が人数だ。僕を含め十人いる生徒をなんの手掛かりも無しにたった一日そこらで倒しきるのは流石のAクラスの生徒でも厳しいだろう。
「そうですね……先ず一人目と二人目は固まって動いていたので探すのに難ではなかったですね。それから三人目は音に釣られて来たのか向こうから来てくださいましたし……」
……二人を瞬殺ってマジですか……恐らく二人いた片方は強化弱体化系の保持能力者か。固まって動いていたのはそういう事だろう
三人目は……分からん
正直、音に釣られてやって来る時点で餌に群がって来る蟻としか思えない。
しかし、二人をヤッた後に直ぐもう一人と戦闘をしても疲れている様子が全くない。流石だ……
「そして、四人目と七人目は確か炎使いでしたかね?私との相性が悪くて直ぐに倒られてしまいました。それで確か……後の三人も対して変わりませんでしたね」
成程。多分三人の内の一人が昨日見た水柱を上げた能力者か。
って、三人?