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対価

 僕は基本的には目立つことはなるべくしたくはない。

 というか、苦手な方だ。

 そして今、僕はその渦中にいる。


「……どうして、そうなるんですか?」


「簡単なことです。貴方は私たちから情報を貰った、でしたら勿論対価も必要です」

「ですので、貴方からの対価を貰うんです」


 ……無茶苦茶だ。だが、筋は通っている。僕はAクラスの生徒から情報を聞き、はいそれで終わり。Aクラスの生徒にとってそれで終わりという訳にはいかないのだろう。


 だが、それでも


「僕たちがする程のメリットが無いんですが……?」


 そう答えても何か逆鱗に触れないかどうか分からない、それでも聞かずにはいられなかった。

 答えを待っていると、


「……ふふっ。そうですか」


 思いもよらず、笑いが漏れクスクスと笑っている。


「それでは、そうですね……私が出来る事の範囲で何でもいう事を聞くというのはどうですか?」


 思いもよらない言葉が飛んで来ていた。


「……それで、返事はいかがですか?」


 氷城さんがどれほどの権力を持っているのか分からないが、何でもという言葉には魅力的で引かれる。

【何でも】という言葉は誰しもが魅力的だと感じるだろう。

 創作物でも何でも聞くという言葉をよく聞くが実際に聞くとは思ってもいなかった。


「それは魅力的ですが、貴女には何が出来るんですか?」


「そうですね……大抵の事は出来ますよ?私はこの学園の生徒会の一員です。融通は利きます」


「そうですか……」


 聞けば聞くほど魅力的に感じる。だが、僕たちにとってそれが一番効果的かといわれればそうとは感じない。

 何故なら、今は出来るだけ戦闘という事は拒否したいところだ。


「……あ、心配をしているのなら問題はありません。勿論、ハンデはありますよ」


 ……いや、そういう事じゃなかったんだが……それに、この勝負にはこの学園での今後が関わってくる


「それに、今回は私の我儘なので退学処分というルールは無しでやりましょう」


 そう考えていた矢先に向こうからその心配をする必要は無いと言って来た。


「……それでもコチラとしてはなんのメリットにも感じませんが……例えさっきの事を了承したとしても戦わなければいい話ですからね」


「……成程、そうですね……では、生徒会権限で私たちに勝てたらランクを一つ上げるというのは如何ですか?」


「っ!?」


 この人は何度同じ事をするのだろう。またもや辺りはざわつき、和田と呼ばれていた生徒は口が塞がらないという顔をしている。

 だから、僕は


「何故、そこまで戦おうとするのですか?そちらにとってもなんのメリットにもならないと思うのですが……」


「それは簡単な事です。私は貴方方と戦いたい、そう感じたのです」



 そう言い、僕に向けて握手を求めて来た。それに対して僕は……

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