泥だらけの空　1.帰郷

ある日、突如として黒い雲が空を覆い始めた。その雲は瞬く間に広がり、やがて全世界を包み込んだ。太陽の光を遮られた地球は急速に冷え込み、かつてない寒波に見舞われた。雪と氷に覆われた銀世界の中で、人類は生き残りをかけてコロニーでの生活を余儀なくされた。
この厳しい環境下で暮らすコロニーの住民、ジュンは、ある日山中で驚くべき光景に遭遇する。雲が地中から湧き上がり、空へと昇っていく様を目の当たりにしたのだ。雲が去った後に残されたのは、大きな洞穴。好奇心に駆られたジュンがその中に足を踏み入れると、そこで思いもよらない異形の生物と遭遇する。
この体験は、失われた太陽を取り戻す手がかりとなるのだろうか。謎に包まれた雲の正体とは一体何なのか。そして人類の運命は――。
現代を舞台としたSFファンタジーが今、幕を開ける。
（完結済みです）