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その体に出会いと別れの挨拶を ~あの日、憑依した少女にもう一度出会うために~  作者: 炭本 良供
二章「インターフェース」

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十六話『現れた女』

「っ、お前は…………!」


 目の前に立つのは、示杞を追跡して古びた店に向かった仲間の一人。

 カーブのかかった黒髪ロングが特徴の大人びた女。

 彼女は黒いコートに身を纏い、不気味な雰囲気を醸し出している。

 広い部屋だったのをいいことに、俺が靄たちから逃げ回ってるのに対し、コイツは呑気に端で傍観してやがる。


 俺が少し口調が荒くなっているのも仕方ない。

 俺たちが4人であの店を訪れ、二手に分かれた時。

 俺たちが行った部屋とは別の部屋で、二人で行動していたはずの仲間の男は()()で縛られていた。

 

 つまり、コイツは()()()()()

 

 それに、ここは人気(ひとけ)のない廃校。

 目的もなしに人が来るところじゃないんだ。

 そんなやつがあの靄の正体を教えるだと?

 何か企んでいるに決まってる。


「あら? 良い提案だと思うけれど?」

「……………………何が望みだ?」

「望みも何も。効能も確かめられたし、終わりにしたいだけ」

「効能? じゃあ、あの液体はお前が!?」

「そうよ。でも、まだ時期尚早。だから()()には退場願いたいわけ」

「お前…………!」

「どうするの?」

「っ」


 女は薄気味悪く笑う。

 俺が困惑する様子を楽しんでいるのか、弄んでいるのかわからない、怪しさ満載の誘い。

 それでも可能性はそれしかない。


「……ああ、わかった」

「じゃあ――――」

「けれど!」


 でも、俺は条件を加える。

 女の言動。それは示杞の安否を何とも思ってないようだ。

 

「――――示杞は無事に生還させるぞ!!」

「!」


 けど、それは俺が決して譲れないこと。

 俺の目的は示杞を助けることなんだ。


「……………………ええ、できるならね」


 俺の言葉を聞いて、女は徐に口角を上げる。

 それは、やはり得体のしれない不気味な笑み。

 女の目的はわからない。

 けれど、俺のやるべきことは変わらない。

 示杞を靄から助け出すだけだ。


「楽しみにしてるわ。貴方があの靄を打ち倒す姿をね?」

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