生徒日誌 頁壱 「せんせい」
アスカの、アスカによる、アスカファンのための
文章です。
――これは、良正が三人衆との勉強を始めて一日経った日の話。
「――私、桜羽アスカはある日、異世界に召喚された。」
こうやって考えたのは、一秒にも満たない時間だったと思う。それも仕方ないことだ。だって、ここダイアスでの生活は、元いた世界よりなんぼも楽しいんだもん。
うざったい大人たちはいないし、というか嫌な風に感じる人がいない。まだそうなだけ、なのかもしれないけど。だとしたら、今私の置かれている周りの環境は、とてもいいものなんだろう。
私の周りの人たちと言えば……おもしろい召喚師の人たち。特に召喚師長のミスリルは目が全然開いてない、これっぽっちも開いていないところとか独特の話口調、口癖の「ですねぇ」がとってもおもしろいんだよね〜。
あと宰相のシェイルベル。ず〜っと堅い。かちこちの堅物。いくらいじってもぶれないように、ぶれてないようにする。そこがかわいいんだよね〜。暇さえあれば、ついついなんていいながらずっといじってるんだ〜。
最後に王宮騎士団長のフェルナンド。とにかく暑苦しい感じのオーラが常に漂ってる。だけど、私の暇つぶしの稽古のときは、雰囲気ががらっと変わって凛とした表情を浮かべるの。そのギャップったらもう……きゅんきゅんしちゃう、よね? まだまだ、王宮跡のここを行き来する街の人たちはいるみたいだから、その人たちとも仲良くなっておかなきゃだね!
……って、大事な人を忘れてたよ! ぐっちゃんだよ、ぐっちゃん! この私が直々に教師として任命したのに、「俺はまだ、この国をこの世界を、存在として枠組として全然理解出来てない。だから、俺がお前にものを教えられるようになるにはどうしても時間がいるんだ。すまないがそれまで我慢してててくれ」なんて言うから、私は今もこうして言霊を使って、暇を持て余した勇者の遊び“言霊テニス”なるものを考案して召喚師のみんなと遊んでるしかないんだ。
でも、私は待つって、いくらでも待つって決めたんだ。だって、ぐっちゃんは、優しくて正義感のある人だと思うから。
この前、私の天然で出ちゃった発言を気にしてすごい怒ってたけど、なだめた後に説明したら良く分かってくれたし、めんどくさいなんていいながら、結局、私の教師って役柄も引き受けてくれたし……。参ったな、いいとこ挙げたら思いのほかキリがあっちゃったよ。
でも、ね。言った通り、どんなことがあっても、根は優しいから認めてあげよう!
おおっと、みんなとの約束の時間だ。じゃ、この辺で試合再開と行こうかな!
本編と合わせてこれも通じて、桜羽アスカという
キャラクターを好きになって欲しいと思う今日この頃。




