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終話(十四話) 敵討ち

 ご指摘の通り十話の内容が間違えでした。本日(十二月二日)修正いたしました。

 誠に申し訳ありませんでした。

「姫さま、もう少し走りますので寝ていてください。着きましたら起こしますよ」


「はい、少し寝ます」と座席で目を瞑ってしまった。


 王都から少し離れた町で小さな馬車を買い上げ、姫さまと馬車で街道を進んでいる。もう少し先に大きな川がある、川に着いたら少し下流に向かいそこが目的地だ。


「姫さま、到着しました起きてください」


「は~い」とのそのそと起きてきた。


 姫さまが出てくるのを待ちながら、火を起こし油を入れた鍋をべ熱し始めていた。


「姫さま、そこにある服を着て」


 のそのそと馬車に戻ろうとする姫さまに、

「姫さま、そこで着てくださいよ」


 目が覚めた姫さまが、

「先生は、ここで着替えろと言うのですか?」


「あ、ごめん、ごめん、それは今の服の上に重ねて着てください」


「あ、上から羽織るのですね」と、長袖、裾を引きずる長さの貫頭衣、フード付きをモソモソと着始めた。


「姫さま、目が覚めてますか? ぼんやりしてると火傷しますよ」


「はい、ごめんなさい」


「じゃあ、こっち来て」と呼んだ。

 ここは川の河口に近い川原だ。僕の膝ぐらいの深さの川の中に立っている。


「そこに立って、目を瞑って」


「えっ」


 姫さまに持ってきた桶で頭から水を掛けた。


「な、何をするんです!」


「火傷防止に水を掛けているんですよ」


「あ、あ、あ」


「ほら上がって、こっちに来て下さい」と油を熱している鍋の近くに呼んだ。


「今から鍋の油に点火します。姫さまはこの熱した油を魔法で再現して下さい。なるべく近くで、鍋から二歩ぐらい離れて、集中して火傷に気をつけて下さいね」


「はい」


 鍋の中に火の点いた小枝を投げ込んだ。その瞬間、炎が人の背の二倍近く立ち上がり、姫さまはびっくりして尻餅をついていた。


「あう、あう」


「大丈夫? 次はそこの焚き火に向かって熱した油を魔法で再現して放って。できる?」


「はい、いいえ、もう一度、炎を見せてください」


「いいよ、また川に行って頭から水を被って来て」と言いながら鍋に油を少し継ぎ足していた。


 三回目、四回目と炎を立ち上がらせている時だった、

「姫さま、後ろに下がって」と言いながら、姫さまに突進し、手拭いを広げ姫様の頭に被せた。


「キャー、何をしますか先生!」


「姫さま、頭が燃えた! うわ~、なんできちんと水を被らないんですか?」


「え、え、どこが?」


「前髪が失くなってますよ! 火傷はありませんか? 痛くありませんか? ちょっと見せてください」


 姫様の頭とおでこを見て、前髪がちょっとチリチリしてるのを確認した。火傷はなさそうだ。

「火傷はなさそうです。まず水を掛けて冷やして、痛いところはありませんか?」


 姫さまは、自分のおでこと顔をペタペタと触った後に、

「火傷は無いみたいです」


「良かった! きちんと水を被ってくださいね。ああ~、ファーラさんと女王陛下に何を言われるか、想像するだけで気が滅入りますよ」


「大丈夫ですよ、たぶん」


「そうですか?」


「そんなことより、何だかできる気がします」と、言いながら焚き木に向かう姫さまを押し止めて。


「姫さま、水を被ってください」


「あゝ、そうですね」と言って踵を返し川に歩いて向かった。


 水を被った姫さまが焚き火の側に寄り、姫さまの手の先から液体が飛び出し焚き木に掛かると爆発しながら燃え上がった。


「先生、できました! やるでしょ!」と、ご機嫌だ。


「あゝ、良かった。もう火傷に注意してくださいよ。本当に良かった」


「もっと喜んでくださいよ!」


「喜んでますよ。休憩してお昼を頂きましょう。姫さまは一度着替えてください。馬車の中で」と言って馬車に向かった。食事とお茶の道具を持ち、姫さまを馬車に残して食事の支度を始めた。


 喜んでる姫さまと先ほどの町で仕入れたパンと串焼きとスープで食事をしながら、姫さまの前髪から目が離れなかった。


「姫さま、食べながら聞いてください。次は今の高温の菜種油を風魔法で霧状に飛ばす練習をします。本当は常温の菜種油を霧状にする練習を間に挟みたかったのですが、時間が無いので省きました。火傷の危険が高くなるので川の中で常に水を被って火傷に注意しながら練習しましょう。お茶を飲んだら始めます」



「この魔法は菜種油の作成、高温化、風魔法による吹き出し、発火と四つの魔法が必要です。しかし姫さまは三つの魔法しか使えません。ですから発火に松明たいまつを使います。この魔法の練習はとても危険です。だから常に川の中、膝まで水に浸かるところで練習してください。もし風魔法が失敗して自分が炎に包まれたら躊躇ちゅうちょなく水に倒れ込んでください。また魔法を発動する前には必ず水を頭から被ってください。では、火傷に注意して練習を始めましょう」



 姫さまの魔法は一応形にはなってきた。しかし上手く霧状にならないため火力のバラツキがある。しかし明日もう一日練習すれば何とかなるだろう。


 翌日の練習でも取り立てて上達しなかった。しかし自分が奴の足止めをすれば何とかなるだろうと考えている。


「姫さま、お終いにしましょう。食事をして早めに休んで明日は早朝から奴を追います。今から食事の支度を始めますから着替えてください」


「はい、分かりました。ちょっと疲れましたので今日は早く休みたいです」


「そうしましょう」



 翌朝、ハンググライダーを組み立て、姫さまに用意をさせた。


「姫さま、ちゃんと乗馬服の上に詰め襟の軍服を着てください」


「え、乗馬服だけじゃ駄目ですか?」


「駄目です。何故兄上の軍服を持ってきてもらったのか分かっていませんね」


「何故ですか?」


「寒いからです。一日中風に当たるととても疲れます。そのために乗馬用の手袋、長靴ちょうかを用意したのです。その上に軍服を着てそですそえりにスカーフ、頭に頭巾をつけてください」


 やっと用意が整い、背中に姫さまを括り付けて飛び立った。奴は、五日先行しているが正規の街道は使っていないと思うので十分追いつくと考えていた。



 二日間昼夜飛び続けてロングフィートのスペイフィートの国境の町に到着した。ふらふらな自分は遅い昼食兼早い夕食を食べて寝床に入ってしまった。


「先生、起きてください。起きてください。あの男が下の食堂にいます。起きてください」


 姫さまは元気だ。自分の背中で飛行中ずっと寝ていたのだから当然か、

「本当? しっかり見た?」


「はい、しっかり見ました。それにあの火傷ですから間違いません」


「思ったより早いな。姫さまは食事を頂いた?」


「はい、頂きました」


「気づかれていない?」


「大丈夫です」と、自信満々に言い切った。


 しかし姫様の大丈夫は全くあてにならないと思っていた。


「ドア、ベランダの扉と窓に仕掛けを今からします。その後は絶対に開けたり触ったりしちゃ駄目ですよ」


「はい」


 トラップは水の入ったコップに土魔法で精製した純粋なナトリウムで作った。ドア、扉、窓が開けられたらナトリウムがコップの中に落ちて化学反応で爆発する仕組みだ。大豆ほどの大きさだから殺傷力はないが眼の前で爆発したら十分以上に驚いてくれるだろう。


「それから、姫さまベットの下に寝てください」

 ベットには予備の布団を人形に見立てて寝かせ、姫さまはベットの下で毛布にくるまって寝てもらった。


「何かワクワクします」などとはしゃいでる姫さまを寝かせて、自分は扉と窓の両方が見えるところに毛布にくるまって寝た。当然姫さまには乗馬服、自分も飛行服を来て寝ていた。


 「バアアン」とものすごい音がしてドアの向こうにひっくり返った男たちが見えた。姫さまを見ると目を見開いたびっくりした顔でこちらを見ていた。大丈夫そうに見えたので賊を追って廊下に飛び出した。

 火傷の男は廊下の窓から外に飛び出しているところだ。廊下でひっくり返っている男たちをスタンガン魔法で気絶させ部屋に戻った。


「姫さま、大丈夫ですか?」


「はい、びっくりしました」


「追います。ベランダへ、空から追います」


「はい」


 ベランダから姫さまを背負ってハンググライダーで空に飛び上がった。ベランダが中庭に面しているので沢山の人に見られてはいないと思う。


 見つけた。スペイフィートに向かって馬が駆けている。こんな真夜中、奴しかいないだろう。

 十分街から外れたところで背後から近づき電撃で落馬させた。電撃と落馬の痛手で起き上がれないのを確認して、

「姫さま、敵討かたきうちをどうぞ」


「はい」すごく硬い声だ。緊張しているのが分かる。


 姫さまは近づき、近づきすぎないところで姫さまを止めた。硬い顔のまま右手を上げて躊躇なく炎を浴びせた。こんなところでこの世界の人間と元の世界を引きずっている自分と比べてしまう。


 ぎゃあぎゃあ言いながら火が付いて転げ回っている男に風魔法で火を吹き消した。


「姫さま、姫さまはもう十分です。後ろに下がってください。後は私の仕事です」姫さまに殺人をさせる訳にはいかない。自分の不始末は自分で方を付けなければ。


「おい、お前に聞きたいことがある」


「うるせい、はぁはぁ」


「お前に襲撃を依頼した奴は誰だ?」


「うるせい」


「お前は何処で依頼を受けた?」


「……」


「お前は一度目の襲撃の後、何処に隠れていたんだ?」


「もぅ、殺されても喋らない」


「違うよ、君が死ぬことは確定だ。苦しんで死ぬか、楽に死ぬかの違いだよ」


「……」


「火傷は中々死ねないよ、楽に死にたくないのか?」


「……」


「趣味じゃないが、勘弁してくれ」と、言って水筒のラグ酒を掛けてやった。


 火傷に火が点くほどアルコール度数の高い酒を掛けられたら死ぬほど染みるだろう。

 ぎゃーぁ、ぎゃーぁ、叫びながゴロゴロと転がっている。


「どう、喋る気になった?」


「知らない」


「火を点けるよ」


「本当に知らないんだ、名前を名乗らなかったんだ」


「もう一度聞く、何処で依頼を受けた?」


「ロングフィートの貴族の別邸だ」


「ロングフィートの貴族の依頼か?」


「違う、そこに匿われていた。ノックフィートの貴族が借りていたみたいだ」


「そいつがノックフィートの貴族と言ったのか?」


「そいつは何も喋らなかった。別邸の在る村の住人がノックフィートの貴族が借りていると言っていた。村人は名前を知らなかった。皆ノックフィートの貴族様と呼んでいた」


「村の名前は?」


「スバータ村」


「そうか、ありがとう、そしてさようなら」と言って最大の電撃を放った。



 奴は死んだ。目の前で殺したのは初めてだ。山道に放置や死ぬほどの怪我を負わせたことはあったが確実に死んだのを見届けたのは初めてなんだ。しかし血が流れなかったせいか後悔は感じていない。だけど二度も襲ってきた相手だ確実に殺す必要はあった。背後で姫さまが動いた気配を感じて振り返り、

「姫さま、帰りましょう」

 

「はい」


 奴の遺体に縄を掛けて吊るし、ハンググライダーで帰る途中に海に遺棄した。



 ハングライダーで街から程近い林の側に降り立ち、

「姫さま、ハンググライダーを隠したら徒歩で町まで戻りますよ」


「はい、やっぱり徒歩なんですね」


「そうです」と、返事をしているうちに隠し終えた。


「宿の人間や街の兵士には、追いかけた賊に逃げられたことにします。よろしいですね」


「はい、そうしましょう」


「話は変わりますが、鏡見ました?」


「はい、見ました。結構前髪が失くなっていてショックです」


「誤魔化せそうですか?」


「無理です」


「どうするのですか?」


「ファーラに任せます」


「何とかなるのでしょうか?」


「なると思いますよ。アップにするとか付け毛とかティアラでごまかすとか、ファーラが何とかしてくれます」


「姫さま、炎の魔法の練習はしちゃダメですよ」


「え、なんで?」


「危ないからです。今までの練習で十分です。素早く正確に緻密な魔法が使えれば炎の魔法も上手に扱えます。あえて危険な炎の魔法で練習しちゃ駄目ですよ」


「は~い」


「姫さま~、信用してますからね」


「あ、城門が見えましたね」


「もうすぐですね」



「おい、お前たち何処に言っていたんだ?」と、町の入口の兵士に誰何された。


「何だ、その言葉使いは? 我々は客だぞ」


「勝手に宿から居なくなっただろう」


「賊を追っただけだ」


「宿代踏み倒したじゃないか」


「だから、違う。戻ってきたし宿に荷物もあるし。先に宿に戻らさせてくれ」


「そうだな、戻ってきたんだから良いか」



 宿の扉を開け、

「主人、戻ったよ」


「お客様~、何方にいらしたのですか?」


「賊を追っていったのさ。逃げられたけどね。それより倒れてた二人はどうした?」


「短剣を持って倒れていた二人は兵士に引き渡しました」


「どうなりますかね?」


「押し込み強盗は鉱山送りになります」


「それなら、私から言うことはないよ。それから疲れたからもう一泊させてくれ」


「申し訳ありませんが宿代を先に頂戴できませんでしょうか?」


「まあ騒いだからしょうがないよね、幾らだ?」


「◯◯◯になります」


「それが二泊分なのか?」


「いえ、昨日のぶんです」


「では二泊分プラスお騒がせ代だ」と提示された三倍を払った。


「はい、ありがとうございます。何かございましたら、何なりとお申し付け下さい」と、すごく丁寧な対応になった。



「先生、散歩していいですか?」


「駄目です。少し休みましょうよ。私は寝てないのですから」


「え~、暇ですよ」


「分かりました。お供しますから、ひとりで出歩かないで下さい」


 良かった小さい町で、すぐに市場を一周りできた。


「姫さま、帰りましょう」


「屋台の食べ物を食べさせてくれたら戻ります」


「もしかしてファーラさんに禁止されてませんか?」


「……」

「あ、あれ食べたい、こっちも」


「ファーラさんにバラさないでくださいよ」と言いながらパンに焼いた魚の半身を挟んだものを買った。


「あの切り分けてある瓜はパンを食べたら買ってあげます。あちらの木陰で座って頂きましょう」

 姫さまを木陰に座らせた。


「うふふ、いつも食べたいと思っていたのです。でも皆が王女が屋台で食べるなんてみっともないと怒るんですよ」


「そうですね、私でも駄目ですと言いますよ」


「ここで待っていて下さい。切り分けた瓜を買ってきますので」と告げた。


「待って下さい。私に買わせて下さい」


「良いですよ。はい代金です。頑張って下さい」


 いそいそと姫さまは屋台に向かい、店のおばさんに話しかけていた。

 上手に買い物ができたみたいでニコニコしながら切り分けた瓜を二つ持ってこちら戻ってきた。


「失礼、昨晩宿で襲われた客というのは君たちですか?」と兵士が話しかけてきた。


「はい、そうですが」


「代官がお呼びです。一緒においで頂けませんか?」と聞いているが兵士四人に取り囲まれて嫌と言えるやつはいないだろう。


「はい、姫さま参りましょう」



 代官屋敷に連行され、


「君たちか押し込み強盗に襲われた二人というのは?」と、代官に訊ねられた。


「そうですが」


「大きな音を出して追い払ったとか?」


「はい、ひとりに逃げられ、二人は驚いてるすきに打倒うちたおしました」


「偶然襲ってきた強盗にしちゃ用意が良すぎると思うが?」


「偶然です。証明してくれる方もおります」


「誰だ?」


「たとえばイノセント・チャーベス侯爵とか」


「何?」


「今から侯爵に私が手紙を書きます。侯爵が偶然だと証明してくださります」


「あ、」


「捕らえた二人も侯爵に引き渡してもらえませんか」


「分かった、だが返事が戻るまで君たちはここに残ってもらう。よろしいな」


「それも、無理です。こちらの姫さまも私も外せない用事がございます」


「そんなことが通用すると思っていますか?」


「はい、この国のお姫様のお嬢様のご友人ですから、それなりの扱いはしていただかないと」


「ははは、馬脚を表したなこの国に姫様はいないよ」


「いるじゃないですか、お隣の国に嫁いだお姫様が」


「え、スペイフィートですか?」


「ええ今年十五歳ですよね。こちらの姫さまも十四歳ですよ」


「先生、私は普通に十四歳に見えると思います」


「先生?」


「あ、失礼しました。姫さまのお名前は申し上げられませんが、私は家庭教師をしていますシオンと申します」


「これ以上お引き止めなさると問題が大きくなりますよ。後ほど宿に侯爵あての手紙を預けておきます、よろしくおねがいしますよ。姫さま戻りましょう」



「姫さま、宿に戻ったら寝かせて下さい。姫さまも大人しくしてくださいね」


「は~い」



「先生、お夕食です。呼びに来ましたよ」


「ああ、ありがちう。今起きます」



「主人、明日の朝は早く立ちたい。精算を済ませたいので食事の後に受け取りに来てくれ」


「いいえ、朝方頂いた料金で十分すぎます」


「そうか、早朝に黙って出て行っても構わないな?」


「はい、何も問題ありません。お客様がお預けになったお手紙は、先ほどいらした兵士にお渡ししました」


「ありがとう」



 翌朝、


「姫さま、起きてください」


「は~い、今起きま~す」


「さっさとお着替え下さい。着替え終えたら出発しますよ」


「は~い」



「先生、ハンググライダー、もっと近くに隠せば良かったと思いませんか?」


「良いのです。もし盗まれたら大変ですから」と、言いながら木の上部に隠してあったハンググライダーを下ろし組み立てた。


「さあ、姫さま帰りましょう」


「はい」



「やっと帰ってきました」


「姫さま、お静かに。気付かれると五月蝿いですから」


「はい、あ、どうやってベランダの鍵を開けましょうか? あら、開いてます。不用心ですね」


「姫さま、もう少し静かにした方が宜しいかと思います」


「ジョー、お帰りなさい」と、女王陛下。

「姫さま、お帰りなさいませ」と、ファーラさん。


「あ、ただいま戻りました。お母様、ファーラ」


「元気そうで、怪我も無いようで良かったです」

「ご無事にお帰りになられて嬉しいです」


「無事、騎士とシャルルの敵を討って来ました。これで皆に顔向けできます」


「女王陛下、姫さまを勝手にお連れし申し訳ありませんでした。お許しください」


「もう良いのです。シオンはこのまま帰りますか?」


「はい、夏休みが終わってしまいますと、私は学院を首になってしまいます。お許し頂けたらこのまま帰らせて頂きたいと思います」


「ファーラ、ミャウを」


「はい、この子達が報酬の子ミャウです。可愛がってあげてくださいね」


「はい、大事にいたします」


「先生、もう行っちゃうですか?」


「シルクの買い付けに来た時に寄らせていただきます。すぐですよ姫さま」


「はい……」


「では、失礼させていただきます。さようなら。姫さま、お元気で、魔法の練習頑張って下さい」


「先生、さようなら」


「姫さま、さようなら」


 本作品をお読み頂きありがとうございました。感謝いたします。

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