二話
どうもizyiです。
今回は結構力を入れて書きました。最後までizyiの作品にお付き合い下さい。
目覚めてすぐに備付けの壁時計を見ると時刻は午後六時を少し過ぎたぐらいだった。今日は色々あったせいかとても腹が空いている。コンビニらしきところで買っておいたサンドウィッチを一袋開けてほうばりながらデバイスを起動させもう一度説明を見ると《レベルとステータス》という項目があったので開いてみた。
《レベルとはホステルと呼ばれるこの世界に害を運ぶものの撃破・捕獲などで得られる経験値でレベルを上げていく方法と,人間を殺してレベルを上げる方法があります。ホステルは非常に強力で一人で倒すのは困難だとされています。ですが仲間で協力して倒し共に経験値を分ちあうことでレベルが上がります。ここの世界ではほとんどの人達がこの方法でレベルを上げていきます。なので人との繋がりはとても強くホステルを倒すためのパーティーというものが出来上がっています。初心者ではパーティーに入るのは難しいのでその場で作られた即効チームでホステルに挑むというケースが多くなっています。仲間と経験値を分ちあうこの方法は人を殺してレベルを上げる方法に比べて成長が遅い分,仲間と感動や喜びを分ちあえるので倫理的に考えてこちらが選ばれます。しかし,あなたのような元殺人鬼ともなればも殺される可能性があるということです。仮に人を殺すことに成功したとしてもその家族に復讐される可能性もあります。ですが,この方法は確実に早く高レベルにいたれます。》
殺しまわってレベルを上げるか協力してレベルを上げるか…。今の状態ではレベルが低いから殺そうとすると逆にやられそうだな。
サンドウィッチを食べ終え少し考えた後にデバイスに,
「ホステルの討伐ってのはどうしたらいいんだ?」
《ホステルの討伐は画面上のstudiumを押して頂くとギルド本部へ転移されホステル討伐に参加することができます。》
「オッケー。助かる。」
《あと通り魔に注意して下さいね。突然刺されて死亡しないように。》
「通り魔ってのは強いのか?」
《偏に強いとは言い切れません。弱い方がいっきにレベルを上げるために人を殺すパターン,強い方がなんとなく人を殺すパターンなどの様々なケースが考えられるので取り敢えず注意してください。》
「おいおいマジかよ。正気の沙汰じゃねぇな。」
《あなただって似たような事をしていたではありませんか。》
「ちっ,あと注意しておいた方がいいことってある?」
《ステータスは確認されましたか?》
「いや,まだ確認していない。それがどうかしたか?」
《魔法の中には広範囲魔法というものがあります。その魔法は味方に当たってしまうので発動するさいは声を掛けないと味方が全滅してしまいます。》
めっちゃ心当たりがあるな。確認しとこっと。
・ブレードショックウェイブ∴広範囲魔法,固有魔法
周囲に鋭い衝撃波を本人の魔力が無くなるか自分自身で止めるまで放つ。
・スラッシュディスタンス∴固有魔法
自分の前方に鋭い衝撃波を高速で飛ばす。
・レインフォースメント∴固有魔法
一定時間自分自身の筋力・魔法攻撃力を強化する。
・リジェディロスト∴固有魔法
一定時間全ての行動の硬直を無くす。
・ステルスマジック
一定時間ホステルの攻撃対象にならない。
「そもそもどうやって魔法を使うんだ?」
《使いたい魔法をイメージしてください。魔法の説明文を読んで大体どんな魔法かはわかったはずです。それができるようになればイメージしなくてもいいようにそのイメージを引き出すキーワードを作りましょう。キーワードは初めて魔法を使う時以外は決めにくいので今やっちゃいましょう!》
「お,おう。上の二つは死ぬ前も使ってたから残り三つか。」
自分を強化するイメージか。強化…強化…
「フォース!」
《おぉ,成功じゃないですか。少し体を動かしてみて下さい。実感できるはずです。》
少し走ってみると,
「なんだこれ。速ぇ!」
楽しくなってきたところで体力が無くなりそうなので走るのをやめた。
《どうしてやめたのですか。この魔法は体力も強化されているので通常の約二十倍疲れにくいはずです。それにしてもすごいですね,たった十五秒で一km以上進むなんて。》
「まぁな。次は…。」
硬直を無くす…硬直を…
「アップ!」
《これは実戦の時に体感して下さい。ここで使うのは危険です。》
「ステルスの感覚なんてわからねぇよ。」
《そうですね。これは色々な人がもっているスキルなので実際にみてから使う事をオススメします。》
「ひとまず疲れたから温泉に行きたい。」
《では案内しますのでmap画面に変わります。》
俺はデバイスに連れられて温泉まで着いた。
「おぉ,でけぇな。」
あまりのでかさに驚いた。看板にはヒロイsupaと書いてあった。名前通り中はとても広く,娯楽もそろっていた。俺はデバイスをタッチし温泉の中に入った。
「おぉ,いっぱいあるな。」
「おい,そこの若いの。あんまり見ない顔だな。今日この町に来たのか?」
いきなり見知らぬおじいさんが声をかけて来た。
「はい。今日来たばかりであまりこの町の事を知らなくて。」
「ほほっ。ゆっくり知っていけばいい。」
「ありがとうございます。」
それだけ言っておじいさんは外へ出ていった。俺もそれからすぐに風呂を上がり体を洗ってその施設をでた。
「あぁ,いい湯だった。」
《前方に凶器を持っている男と生命反応のない人間が五つほどあります。》
「えっ。」
角を曲がったところには人だったものが何個も転がっていた。体には複数の鋭利な刃物で刺されたであろう傷がある。あまりにも刺されすぎていてただの肉塊にしか見えなかったが紛れもなく人の血の匂がする。そして,その先には血に濡れた男が立っていた。
どうですか?
この世界の姿を非常にわかりやすく書いたつもりです。
読んだ感想を下さると幸いです。