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俺の名前は楠木 八。俺は今異世界にいる。なぜそうなったかというと…
―少し前―
「ちっ,またテメェかよ。」
俺は今ドームの中で警官どもと戦っている。俺は生れもった特異体質を使い,殺人や強盗を繰返していた。正直あんまり楽しくはなかった。身体能力は周りとは比較にならないぐらい良く,なぜか十分ぐらい先のことは自ずとわかってしまう。だから,未来に何が起こってどう対処すればいいかもわかってしまう。何も楽しくもない。そして,俺は十六才にして殺人を犯した。町中の大通りを歩き擦れ違う人々を次々に殺した。たまに抵抗してくる奴もいたが弱すぎて話にならない。きっと俺はまともに張り合えて正面から俺を止めてくれる人を探していたんだと思う。そんな時に俺とそこそこ対面できる警官にあった。彼も俺と同じ特異体質だった。だが,彼は俺と違い自分自身の力を国の為に捧げたのだった。
「今日こそ貴様を確保,もしくは殺処分させてもらう。」
「けっ,正義の味方も大変だな。“散れよ”!」
俺は特定の事を連想することで特定の魔法のようなものが使えるこれは周囲五kmぐらいを切り刻む技だ。飛ぶ斬撃をイメージしてくれればいい。このことには最近気が付いた。多くの警察や特殊部隊を相手にしているうちにわかってきたのだ。これは俺の想像だが他にも使える魔法のようなものがあるはず。
先程の技で周りの雑魚どもは一掃した。しかし,彼は生き残っている。これだから俺は彼の事が好きだ。どれだけ本気で向かって行っても生きて俺を正面から受け止めてくれる。
「貴様,いい加減にしないか!何人殺せば気が済むんだ!」
「テメェを殺したら気が済むかもな。はっ。」
彼が懐に飛び込んで来たので本気で応戦する。激しく拳と拳がぶつかり合う中,俺の予知の能力に爆破する光景が映ったので,一旦距離を取りそちらの方向へ
「“散れ”!」
斬撃を飛ばし完全に消し飛ばす。すると,彼はいきなりガスマスクをつけた。
「すまないが貴様の負けだ。ここで死んで貰う。」
「ううっ,グハッ!」
今まで感じた事のない強烈な吐き気と酔いが俺を襲う。地面には俺が吐いたであろう血反吐があった。
「毒ガスか…。でもドームは破壊したはずじゃ…。」
「俺の能力で周りを破壊したように見せ掛けていただけだ。すべて俺の能力で守らせてもらった。貴様の様なイレギュラーは不要だ。」
畜生!この糞が!こんなとこで死んでたまるか!糞っ糞っ糞っ!
段々意識が薄れて行く。こんなところで…。
「君も結構無理するなー。」
あれっ、人の声が聞こえる。俺死んだんじゃ・・・
「おーい、聞こえてるかーい?」
あれっもしかしてまだ死んでないのか・・・
「こいつ聞こえてないのか?」
「はっ、えっっここは・・・。」
一面真っ白な部屋が広がっていた。そこら中に本が散らかされ、目の前には私が神です、という痛いTシャツを着た同年代ぐらいの女の子が立っていた。
「ここは私の部屋さ。ここには若くして死んだ人の肉体と魂が送られてくる。私はここへ来た人を異世界へ送るか現世に甦らせるか、本人の要望に応じて行きたい方へ送るのが仕事。」
こいつ何言ってんだ、みたいな顔で見ていると、
「君ー、さては信じてないなー?」
「いきなりそんな事言われて信じれる人なんていないと思うんだが・・・。」
「まぁ、それもそうか。でも、君にはそんな事を言っている余裕がない。君は現世に迷惑をかけすぎた。だから、現世が君の復活を拒否しているんだ。」
「そ、それは・・・。」
否定しきれない。たくさんの人を殺し、たくさんの人を悲しませてきたからだ。
「そんな君にも選択肢をあげるよ。異世界に行くか、ここで私にに消されるか。どっちがいい?向こうは人を殺せば殺すほど強くなる事ができる。モンスター討伐でも、もちろん強くなれる。詳しい説明は君が決めてからにしようか。さぁ、どっちだ?」
「異世界に行かせてください。」
「話しが早くて助かるよ。説明は向こうに着いたときに自分のデバイスで見てくれ。じゃあ、飛ばすよ。」
目の前に光り輝く門が現れ、俺は吸い込まれた。
こうして死んだはずの俺は神によって異世界に送られてしまったのだ。
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