表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
∞と呼ばれた魔法使い  作者: 赤き狐
エピソード 1【∞と呼ばれた少年】
1/111

プロローグ

「はい、次の人」

 入園式を明日に控え、大講堂には多くの新入生が集められていた。

 魔力測定の為である。

 この測定によって各クラスの生徒が割り振られる事になるのだが、

「おお……! コレは……!」

 測定の為のクリスタルが一際輝きを放つ者がいた。

「ほう、この歳でもうこれほどの魔力が有るのか!」

「名前は……シュース・クレイン……そうか、クレイン家の……」

 驚いていた教師達であったが、少女の名前を確認すると、納得したように頷いた。

「うむ、これならば……」

 基本的に、クラス分けは各クラスで差ができないように割り振られるのだが、この少女のように突出していると、どのクラスに入れても浮いてしまう可能性が高い。

 何より、優秀な人材は特に力を入れて育てる必要が有るのだ。

 故に、

「この子は特別教室で良いでしょう」

「ですな」

 教師達は少女の特別教室入りを決めた。

(特別教室だって……)

(本当にいるんだ?)

(ちっ……)

 その様子を見ていた周りの新入生達が軽くザワついた。

「いえ、私は──」

 少女が何かを言いかけたその時、




 パキィィン──────




 澄んだ音が響き渡り、ザワついていた大講堂内が静寂に包まれた。

 何処から……等と探すまでもない。

 その音がした方向からは眩いまでの光が溢れていた。


「ば……馬鹿な……⁉」


 測定をしていた教師は自分の目を疑った。

 クリスタルに大きなヒビが入ってしまったのだ。

 しかも、そのヒビは拡がり続けて──



 ッパァァン──────‼



 砕け散った。

 同時に、辺りを照らしていた眩い光も消える。

 さっきまでの光の対比もあって、大講堂内が一際暗くなったように感じた。


「「……………………………………………………」」


 測定をしていた教師達だけではなく、見ていた生徒達も理解が追い付かず、声を出せなかった。


「む……無限だ……」


 やがてポツリと……新入生の様子を見に来ていた予言者が呟いた。


「こ……この子供からは無限を感じる‼」


 皆の視線の先には、しかし注目されている事など気にも留めない……金髪翠眼の無表情の少年がいた……

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ