私という人間
また新たにはじめました。よろしくお願い致します。
私の名前は宮村秋。
特に特筆すべきことのない普通の高校一年生である。
外的特徴を言葉にせよと言われたら、中肉中背、セミロングの髪を二つに分けて耳の下で結び、容姿は平凡平均ガールそのもので、ちょっと表情筋が死んでるくらい。
内的特徴を言葉にせよと言われたら、インドア派で、大人くもなく騒がしくもなくちょっと冷静、たとえ明日日本が滅亡すると言われても動じないくらいの胆力はあると思う。
学業面を端的に言葉にせよと言われたら、学科は一応優秀、運動の実技は平均もド平均、それと小中の学内評価で協調性は皆無とされたくらい。
言動面を端的に言葉にせよと言われたら、慌てず騒がずの無口が基本で、ただいったん話し出すと、『読点のない女』と言われてる。私は普通に話してるつもりなんだけど、言葉に抑揚がない上話す速度が速すぎて読点の区切り部分がわからないとのこと。
家族構成とその紹介をと言われたら、 父・母・兄の四人家族と回答します。父は普通のサラリーマンだけど、忙しいらしく滅多に家にいません。母はいわゆるお嬢様でおっとりほんわり夢の中の住人のような人。名は体を表すという言葉そのままに夢乃という名前。ハマり過ぎ。兄は馬鹿ではあるが頑丈で元気が取柄の二つ年上で同じ高校に通っている。よく同じ親の腹から生まれた兄妹には思えないと言われることしばしば。その詳細はまた後に。
個人の趣味特技を簡単に述べよと言われたら、趣味は『志良以唯人』シリーズ。趣味がシリーズとは何ぞやと思われるかもしれないが、まさにそう言うしかない。映画やドラマに始まり、小説や漫画化もされた。定期的にイベントもあり、数多の関連グッズも販売され、マニア心をくすぐるその戦略には白旗を上げるしかない。志良以唯人は映画やドラマになった主人公の名前で、私が小学校に上がったばかりに始まり、十年経とうとしている今でも続く人気シリーズ。そのストーリーは志良以唯人の人生をえがいたもので、愛人の息子として生を受けた志良以唯人は、実の父親から雇われた暗殺者に母を殺される。が、故あってその暗殺者に育てられることとなる。成長するにつれ、養父の裏の顔を知り、苦悩するもその関わりを完全に絶てることもできないでいる、そんな男の生き様や悲哀をこれでもかとテンコ盛りに描いた作品である。志良以唯人、その人柄は冷静冷酷でもありながら人情味にも溢れ、誰に負けることもない強さの持ち主で現れる敵をバッタバッタとなぎ倒し、道理の適わぬことは許せないこれぞ漢の中の漢。私が男だったらこういう漢になりたいと是非に思う。私の特技が武道なのも、彼の強さに憧れてのものだった。その道を究めたいとか段をとりたいとかが目的ではないので、あちらこちらの道場に通っては次にいくことを繰り返した。体育の授業は平均的でも喧嘩になればちょっとやそっとでは負けないと思う、くらいには強くなった、はず。
だが。
私は志良以唯人というフィクションの人物に憧れてはいるし、もしも自分が男であったのなら境遇は別としてああいう漢になりたいと確かに思ってはいる。
その生き方の志しや純粋たる強さは今でも見習いたいところではあると確かに感じてもいる。
しかし。
「兄貴! 今日もいい天気で良かったっすね!」
「兄貴、学校までお鞄お待ち致します」
「兄貴~、今日の僕のお弁当は自信作なんです。期待していて下さいねっ?」
今日も今日とて高校へ行くため玄関の扉を開くと控えているイケメン三人衆。
三人のイケメンが平凡極まりない私を兄貴と呼んで憚らないがそもそも私女なんで勘弁して下さいマジで。
次回へ続く。