アルビノ
sideジロー
あなたのお名前は、と、聞かれて、あぁ確かまだ名乗っていなかったなぁ、失礼なことしたな、なんて思いながら顔を上げて、真っ白い彼女を見る。
やっぱり綺麗だ。
「僕は赤井次郎といいます。皆からはジローって呼ばれています。」
「ジロー……くん。」
名前を呼ばれて、くすぐったさを感じながらも、付き合っていただけないでしょうか、と聞く。
と、そこで隣から陽がお前馬鹿か!と突っ込んできた。
「まずはお互いを知ることから始めなきゃだろうが!」
……確かに。
陽としては希に見るまともな意見だ。
「では学年は?」
「えと……1年です。クラスはA組です。」
うっわ年下!しかも特進クラス!と騒ぐ陽は置いといて。
「僕は2年B組、連絡先はこれです。」
会ったら渡そうと思っていた自分の連絡先が書かれた紙を彼女に渡す。暇なときにでも連絡を下さいと。
すると彼女はふわりと笑って、はい、と返事をした。
「しっかしほんとに白いなぁ永久ちゃん。なんで?」
ブリーチで色素抜いたの?
そう聞く陽に、彼女は違うの、と首を振った。
「永久ちゃんはね、アルビノなんだよ。」
途中突っ込んできた梨花先生の言葉に、僕、特に陽は首を傾げた。