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第14話 俺が死ぬときも、マユナおばちゃんは笑っていそうだな。

どこかでまた、獣が吠え散らかしている。


いま、吠えてるのはなんですか?


なんて質問も浮かんだが……

今は、やめておくか。


正直、この場に流れる雰囲気を少しでも軽くしたい気持ちはあったけれど……それなら、こっちのほうが、正解な気がする。


そう思って俺は、二つ目の質問をした。


「あの、俺…元の世界では、時間っていう概念があって。


今の話を聞くと、こっちもそれはあるようなんですけど……俺の思ってる時間と正しいか、擦り合わせてもいいですか?」


俺の問いに先に答えたのは、マユナおばちゃんだった。


「アンタ……こんな話してるときに、なにをくだんないこと言ってんの! そんなのおばちゃんがいつでも教えてあげるから! もっと聞きたいことないの、ホラ、例えば……ええと……


あ! アンタ、今試しにそのタイマー発動させてみなさいよ! もしかしたら明日死ぬかもしれないよ!」


「いや、だから、これは俺が好きに使えるやつじゃないんだって今言ってたじゃんか!」


思わず声を大きくしてしまったが、おばちゃんは眉毛を八の字にさせて、


「あら、そうなの……じゃあ、えっと……他に聞きたいことないのかい!」


なんて言う。


もう、だから俺が今聞いたじゃないか。


「俺が今聞きたいのは、その、時間の経ち方……なんですけど」


そう言うとおばちゃんは、やれやれ、なんて顔をしながら、


「やれやれ。これだから若い子はねえ。もっと大事なことを聞きなさいよ」


なんて、本当にやれやれと言うものだから、笑いそうになってしまう。


「アンタのいたところは、どうだったの?」


「えっと……大きい単位で、一年……とし、っていうのがあって……


それをもう少し細かくしたのが、ひとつき、で、その中に一日って単位があって……」


うん!

まったくうまく説明できない!


時間を説明するなんて、今までしたこともなかったもんな。仕方ない。行けそうなところまで続けるか。


そう思ったけれど、二人にはなぜかこれで伝わったようで、


「あら! ねえ、もしかして、ひと月って30日とか31日とかで終わる?」


「最小の単位はもしかして、一秒ではないですか?……いや、違うな。コンマ一秒か……いやでも、日常ではそこまで意識しないだろう。一秒、一分、一時間、それが二十四時間経つと翌日になりませんか?」


二人同時にそう言った。


そうか、ご都合主義のこの世界、そんなところまで一緒なのか。


そういえば、マユナおばちゃんの名前は、旬の花だかが由来だと言っていたな。


ということは、この世界にも、四季……もしくは、季節があるのか?

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