表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/14

第12話 俺が死ぬとき

どこかで、何か獣のようなものの吠える声がした。


ワオォン……

いや、モノノォン……

そんな声。


きっとライオンのような恐ろしい動物だろう。


それと、

キュウううっという、悲鳴にも似た声。


きっと、食べられたのか倒されたのか……。

この世界にも、弱肉強食の理は生きているんだなとぼんやり思った。


俺たちは、この世界でどの位置にいるのだろうか。


俺は……弱肉強食の世界のカーストでは、何番目に存在しているのだろう。


そんなことをつい、考えてしまった。


目の前で黒いワンピースを揺らすこの男性が、こんなことを言うからだ。



「ケンタ様、四番目のスキル。

少々珍しいものとなっております。

僕も、初めてお会いしましたので……本の中の知識しか知りません」


勿体つけないで早く言ってほしいよな。

そんなこと言われたら、なおさら気になるってものだ。


というか……今、サラッと言ったけど、この世界にも本はあるんだな。


そう思う俺の脳内に、ふわりと浮かび上がる文字。


《死刻の予兆〈デス・タイマー〉》


随分と不吉な言葉じゃないか。

不吉さを補うかのような、分かりやすさ。


つまり、死ぬときが分かる……そんなところだろ。


男性は、ぽつり、ぽつりと言葉を続けた。


「おばさまも、きっとご存知ないのではないですか?


これは、そう。己の命が消えてしまうのがいつか……分かるスキルです」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ