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第一話 死後か、夢か。……それとも。


なんだか、腹減ったな。今日何食ったっけ、ああそうだ、昼にカレーを食べたんだった。


今何時だ?


時計に手を伸ばすけれど、なんだか手触りが違う。

目を開けてみると、そこは……青空だった。


体を起こすと、目に入ったものは、大草原。


なんだ、夢の続きか。


ちょっと散歩でもしてみようかな、

……いや、待て。そういえば、カレーを食べてる途中に、覆面を被った誰かが家に入ってきて……


思い出した。俺は多分、そいつに刺された。


顔だけ振り向いたら、包丁を持ってるそいつがいて……

俺は何か言ったんだっけ。抵抗できた?でも気づいたら、背中が熱くなって、それとすごく痛くなって、立っていられなくなって……


そうだそうだ。なんだか股も熱くなって、下を見たら漏らしてたんだ。


このまま死んだら、この姿で発見されんのか、なんて思ってた。バカだな、それどころじゃなかったのに。


ということは、ここは……死後の世界?


それともあれか、今流行りの転生っていうやつか?


くそッ、失敗した。

こんなことが本当にあるなら、好き嫌いせずに転生モノ、読んでおけばよかった。パーティーがどうとかギルドがどうとか……。


一つだけの三点リーダーに、閉じるカギカッコの前に置かれた句点。


唐突にねじ込まれる、「あーあ、俺がいなきゃ、このパーティも終わりなのに。バカな奴ら」なんていう、主人公の語り口。


若い奴らが好き好んで読んでいるらしいけど、どうにも俺には合わなくて……


失敗したなあ。今更後悔しても遅いか。


夢なら……もうちょっと、好きにさせてもらおうかな。

転生後だとしても、俺は一度死んでるんだし。この街が、余所者を受け入れてくれるかも分からない。ホームレスにでもなって、食べ物を分けてもらおうか。


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