表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
77/92

77.瑛祐の夢


なんでケーキ、焦げちゃったのかなぁ……。


でも瑛祐くん、少しは元気になったかな。焦げちゃったことで、なんだか大爆笑して笑い合えたし、きっと良かったんだよね。


元気……あ。


元気といえば、誕生日プレゼントに「ア・タ・シ」的な何かをしてあげたいって思っていたこと、すっかり忘れていたよ。


……とはいえ。


心のどこかでホッとしている自分もいる。

なんだろうな。ずっと男となんて……って思っていたのに、相手が瑛祐くんだと「いいかな」って少しだけ思う……。キスもしちゃっているし。


例のものを失ってからもうすぐ十六年。

瑛祐くんの「瑛祐くん」は、どんなだろうと、少しだけ興味がわいてきている。


あ、着いた。この話は終わりにしよう。


とにかく、まだ……「やらせはせんぞ、やらせはせん!」のだよ。



次の日。朝の一限目を使って、二年からのクラス分けについての説明があった。

数学が苦手になってしまっている私。雑誌モデルの合間にさせてもらっている編集の仕事が楽しくて、将来はモノを書く仕事をやりたいと考えている。

……となると、文系だよね。


隣で難しい顔をしている瑛祐くんは、数学が得意。理系だよね。


二年からクラスが別々になってしまうかもしれない。

嫌だなぁ。せっかく付き合って、二人で一緒にいるのが楽しくて。席替えだって拒否なのにね。


お昼は「秘密の場所(ただの中庭)」で、私が作ったお弁当を二人で食べる。

今日は卵焼きとのり弁当だ。

「やっぱ、瑛里の卵焼きがサイコーだな」

「ありがと。あ、ごはん粒ついてる」

口元についているごはん粒を、手で取ってパクっと食べた。

「あ、ごめん。って、食べたの?」

「えっ、あ……」

無意識に食べたけれど、急に恥ずかしくなってきた。

「いや、ありがとう。なんか、嬉しい」

瑛祐くんが笑うので、肘でエイっと突く。

「なんだよ、それ……」

照れ隠しだよ、もう。


楽しいけれど、聞かなきゃダメなことがある。

「あ、今日、クラス分けの説明あったね」

「うん。どうしようかな」

「瑛祐くんは、理系だよね?」

「まあ、そうだな。俺、プラモ作りは趣味としていいんだけど、本物のロボットを作りたいんだよな」

「ロボット……リアルなやつ?」

「うん。それでさ、国立の科学技術大学に進学しようと思う」

国が技術の最先端を結集させている大学で超難関と聞いている。ここから1時間もかからずに通えるが⋯。


「すご……。それって、瑛祐くんの夢ってこと?」

「そうだな。夢というより、目標って感じだ」

……その年でそこまで考えているのか。エイジなんて、四十で死ぬまで何をしたかったのか。だからこそ、夢があったアキラさんに惹かれたわけだけれど。


「私、応援するね」

つい、手を握ってしまった。

「うん。瑛里はどうするの?」

「私は……。モデルの仕事も雑誌の仕事も続けるつもり。今はバイトだけど。数学苦手だし、文系になりそうだよ」

「そうだよな……」

「うん。クラス離れるの、嫌だなぁ」

「俺も嫌だけど……。でも、瑛里に『離れるの嫌』って言ってもらえて、ちょっと嬉しいな」

「ん? なんで?」

「いや、なんか俺ばっかり『好き』って言ってるみたいで……」

「え? 何言ってるの……」

「いや、なんというか……。もういいけど」

何言っているんだろう。今だってこっちから手を握りにいったのに。


「……。拗ねてる?」

「拗ねてない」

プイッ、とあっちを向く瑛祐くん。

「拗ねてるじゃん」

「拗ねてないから」

こっちを見直す瑛祐くん。さっき夢を目標だと語った彼は、やっぱりカッコいい。もう、仕方ないなぁ。


エリ、いきまーす!


チュッ。

「な……」

「ちゃんと好きだから、心配しなさんな」

自分からキスしておいてなんだが、顔から火が吹きそうだ。


攻撃力抜群じゃねえの、コレ何の装備だよ。


攻撃力抜群だけど、自分も相当のダメージ受けてしまいます。


ブックマーク登録や下側の「☆☆☆☆☆」をできるだけ★いっぱいにして頂けるとめっちゃ嬉しいです。


これからもよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ