18.当たらなければどうと言うことは。
高校生になってまで、遠足ってあるんだ。
とはいえ、現地集合・現地解散で、お寺を巡ってレポートを書くという「校外学習」らしい。
問題は、グループ分けだ。
最近、藤井くんとの時間が充実しすぎて忘れていたけれど、私は基本ボッチ。組む相手がいない。
「グループは、男女混合でもいいから五人で組んでくれ。」
先生の言葉に教室がざわつく。
女子のAグループ――可愛い系の西野美佳さん、美人系の白川優香さん、ギャル系の岸川紗友里さん、そして平田ゆかりさんの四人が、あと一人を探して話し合っていた。
「じゃあ、久野くん誘っちゃう?」
「えー、たけちゃん男一人になっちゃうよ。あ、でもあっちもう決まってるみたいね。」
自然に下の名前で呼び合う彼女たちを見て、ふと思う。
(たけちゃん、か。……藤井 瑛祐くんだから、瑛祐くん、エーちゃん、A君?)
そこで藤井くんを連想してしまう自分がおかしい。
そういえば、私と同じ「瑛」の字を使っているんだな。そんなに珍しいわけじゃないけれど、少しだけ親近感が湧く。
「福原さん、どうかな? 私たちの班。」
話しかけてくれたのは、前の席の平田さんだった。
「あ、ゆかり。良いね! 瑛里ちゃん、良いでしょ?」
西野さんにいつの間にか下の名前で「ちゃん」付けされて、少し照れる。
前世なら、こんな可愛い子に呼ばれたら「惚れてまうやろー!」と叫んでいたところだが、今の私は、美佳さんの「可愛いビーム」を浴びても『当たらなければどうということはない』のだよ。
「うん、どうしようか困ってたし。私でいいなら。」
顔面偏差値が高すぎるグループに混ざるのは正直しんどいが、背に腹は代えられない。
それにしても、この女子Aグループ。皆可愛いけど、性格はバラバラだ。
ギャルの岸川さんは、皆を呼び捨てで派手だし、お嬢様風の白川さんは丁寧すぎるし。どうやら顔面偏差値だけで集まったわけではなく、幼馴染だったり中学からの友人だったりと、それなりの歴史があるらしい。
……で、藤井くんは?
見れば、彼も人数合わせのように男子Aグループ(久野くんたちの班)に放り込まれていた。
(やっぱ、そうなっちゃうよね)
遠足当日。
私は藤井くんにメッセージを送った。
『お弁当、いるよね? 何時くらいに駅着く?』
『いいのか? ありがとう。八時半くらいに駅にいるよ』
『了解。そこで渡して、あとは班に分かれよう』
完璧な計画。駅でお弁当を渡して、あとは女子の集団に紛れて一日をやり過ごす。……はずだったのだが。
駅に着くと、女子Aグループと男子Aグループが磁石のように引き寄せられ、合計十人の男女混合のチームが出来上がっていた。
……どうしてこうなった?
今日、帰ってこれたので1話追加できました。
評価してくださる方もでてきて、凄く嬉しいです。
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