表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【本編書籍化】ゲーム世界転生〈ダン活〉EX番外編~ハンナちゃんストーリー~  作者: ニシキギ・カエデ
第二章 ピンチな〈生徒会〉への助力表明編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

85/207

#085 レアボス〈金箱〉開封。私、もっと頑張ります!




「大丈夫かハンナ?」


 その言葉はやや上から聞こえてきました。

 そこで初めて私はへたっと座り込んでいることに気がつきました。


 上を見るとゼフィルス君が手を差し伸べてくれていたのです。


「あ、ありがとうゼフィルス君」


 私はその手を取って立ち上がります。

 ゼフィルス君のとっても嬉しそうな顔が目の前にありました。


「頑張ったなハンナ。まさか最初の中級中位(チュウチュウ)ボスでレアボスが当たるなんてな。でも、よく頑張った」


「あ」


 ゼフィルス君がわざわざ腕装備を外して私の頭を撫でてくれました。

 私は、少し顔の熱が上がったことを自覚します。


「おっとそうだった回復しなきゃな。『オーラヒール』!」


「わわ」


 ゼフィルス君の手が光ると、私の身体も光ってHPが回復しました。

 見れば私のHPは半分くらいまで減っていたようです。

 でもそれもゼフィルス君に全回復してもらいました。

 回復魔法ってなんだか暖かいんですね。そういえば初めてHPを回復したかもしれません。


 そうして落ち着くと、気が付けば私の手の中には中級中位ダンジョンを攻略した〈攻略者の証〉が握られていることに気が付きました。


 するとだんだんとボスを倒したのだという実感が芽生えて来ました。

 全体攻撃、シエラさんでも受け止められない攻撃、あれがあるため私は中級中位(チュウチュウ)ボスに挑戦するのは難しいとゼフィルス君に言われていました。


 ですが、私は耐え切りました。

 耐えたのです。しかも中級中位(チュウチュウ)のレアボスの全体攻撃にです!

 中級上位(チュウジョウ)ボスに足を踏み込んでいると言われているワンランク上のボスの攻撃に、私は耐えたのです。


 生産職の私でも、しっかり装備を整えて、特化したビルドを整えて、いっぱい準備すれば、乗り切れました!

 これで私は中級中位(ボス)の挑戦権を得たのです。


 なんだか感極まって、そのままゼフィルス君に抱きついてしまいました。


「ゼフィルス君!」


「おっと」


「ゼフィルス君、ありがとう!」


「は、ははは、良いってことよ! ハンナ、中級中位ダンジョンの初攻略、おめでとう」


「――うん!」


 ゼフィルス君は装備整えてくれたり、アドバイスしてくれたり、レシピ探してくれたり、いっぱいお世話になりました。

 そんなゼフィルス君に私の気持ちを伝えたいです。たくさんたくさん伝えたいです。


「ゼフィルス君、ありがとう!」


「くう、ハンナは天使か」


「へ?」


「いや、なんでもない」


 なんでも無くないです、ゼフィルス君ゼフィルス君、私の足が浮いているのですが?


 私を抱きしめた格好でゼフィルス君はクルクル回り始めました。


 こ、これはあれです。ゼフィルス君がすっごくテンションが上がったときにたまにやる、クルクルダンスです!

 は、はわ! 近い、ゼフィルス君がすっごく近い! あとゼフィルス君すっごいニッコニコです!


「あわわわわ~~~!」


 なんだかよく分からなくなってあわわしか言えなくなってしまいました!


 すると、そこに横からシエラさんのお声が聞こえました。


「ちょっとゼフィルス、何をやっているの! 落ち着きなさい、落ち着いてゼフィルス!」


「あははははは~~!!」


 でもゼフィルス君は止まりませんでした、それどころか、私をさらに片手で引き寄せ、もう片方の手をシエラさんに伸ばしたのです。テンションが天井を突破しているときのゼフィルス君はちょっとやそっとじゃ止まりません。


 しかし、シエラさんもそれはよく分かっているようで、大盾を構えてゼフィルス君の手を止めてしまいました。いいのでしょうか、シエラさん?


「おお?」


 でもやっとゼフィルス君はうっすら我に返りました。ゼフィルス君を止めようと思ったら物理的に止めるしかありません。


「ゼフィルス?」


「お、おお? な、なんだねシエラ?」


 シエラさんが良い笑顔でゼフィルス君の名前だけを呼ぶと、ゼフィルス君のダンスも止まりました。その、残念です。


「落ち着きなさいゼフィルス、何度も言っているでしょ」


 そこからシエラさんのお説教が開始され、私はゼフィルス君から開放されました。

 も、もう少しクルクルしても良かったのですが。


 でも、放置しておくとゼフィルス君、きっと全員に手を出しますからね。ずっと踊り続けるような気もしますし、やっぱり止めるのが正解なのでしょう。

 はあ、顔が熱い。


「よ、よし! ではレアボスの〈金箱〉をレッツオープンするぞ! 開けたい人!」


 ゼフィルス君がごまかすようにドロップの〈金箱〉を開ける人を募りました。〈エデン〉では宝箱は神聖なもので、こうして開ける人を決めるのです。


「あい!」


「はい!」


「はーい!」


 ルルちゃん、私、そしてゼフィルス君の順番で挙手しました。

 シエラさんとシェリアさんは相変わらずこのイベントには消極的です。


「うむ、宝箱は二つだ、悩ましいな」


 もう何度も聞いた、ゼフィルス君のお決まりのセリフですね。今回、レアボスを撃破したので宝箱は二つとなります。ここからはいくつか勝負などをして公平に開ける順番を決めます。ですが、今回はどうやら話し合いで済みそうです。


「よし、一つはハンナが開けると良い。中級中位ダンジョンボス初参加記念だ」


「いいの?」


「あい! もちろんなのです!」


 満場一致で一つ目は私が開けることになりました。


 ドキドキしながら〈金箱〉の前に膝を突くと、〈幸猫様〉と〈仔猫様〉にお祈りして、パカッと開けてみました。

 皆さんが覗き込みます。


「あ、こりゃあ!」


 そしてゼフィルス君が驚いた声を上げました。

 ゼフィルス君はなんでも知っているので装備を見ただけでこれが何なのか、分かってしまうんです。


 私はそれを取り出しました。

〈金箱〉の中に入っていたのは、一つの魔道書、つまり武器系統の本装備ですね。


 黒をベースにした分厚く大きな本で、開けば私の肩幅を軽く超えそうです。

 本には幾何学模様、に見える猫の絵がいくつも書いてあって、その表紙の中心部分には、〈マナライトの杖〉のクリスタルのようなものがくっついていました。

 これは、すごく強そうな本ですね、ゼフィルス君の方に振り返ります。


「ゼフィルス君、これって?」


 そう聞くと、ゼフィルス君はグッと握りこぶしを作って言いました。


「そりゃあ〈令猫の魔道書〉、ハンナが持っている〈マナライトの杖〉と同じく『空きスロット』の付いた、激レアアイテムだ!」


「……へ、へあ!?」


 ゼフィルス君の言葉が一瞬何を言っているのか飲み込めませんでした。

 へ? 〈マナライトの杖〉と同じ?

〈マナライトの杖〉はアレですよ? 『魔能玉』を付け替えることで様々な種類の魔法を使う事の出来る激レアアイテムですよ? それと同じって、へ?


「しかも中級中位のレアボス産とかめっちゃレアだぞハンナ! 換装だ! 今すぐ換装だ! すぐにこっちを装備するんだハンナ!」


「ふ、ふええぇぇぇ!?」


 そうして私の武器は新調され、新しく、さらなる激レアアイテムを装備することになったのでした。


「ちょっと待ってゼフィルス君! 絶対私より装備した方がいい人、いると思うの!」


 そう訴えたのですが「ハンナが当てたのだからハンナが使うべきだ」というゼフィルス君の主張が通ってしまい、私は〈令猫の魔道書〉を主武器にすることに決まったのでした。


 も、もう! ゼフィルス君は私を甘やかし過ぎだと思います!

 う、嬉しいけど。うう、本当にいいのでしょうか?


 でも、これでもっとゼフィルス君のお役に立てます。なら、頑張ろうと思います。

 私はとても緊張しながら〈令猫の魔道書〉を受け取る事にしました。


 また、もう一つの〈金箱〉からはこれまた私用(わたしよう)かも知れません〈猫の手の錬金棒〉が当たり、やっぱり私が受け取る事になりました。宝箱を開けたルルちゃんから「あい、ハンナお姉ちゃん、大事に使ってね」と渡されたら受け取らないなんて出来ません。


 この〈猫の手の錬金棒〉は錬金釜をかき混ぜる棒で、前にローダ先輩が使ってた鬼の手と同じタイプです。方向はちゃんと闇寄りではなく普通寄りなので安心してください。肉球がぷにぷにしているのです。ルルちゃんもぷにぷにしてとろけ顔をしていました。


 しかし、これでさらに錬金の腕に磨きが掛かります。

 とっても嬉しいのですが、今日当たった貴重なレアボス〈金箱〉産を二つとも受け取ってしまって、本当にいいのでしょうか?


「もちろんだ。ハンナが使うと良い」


「ええ。ハンナが使うべきだわ」


「ハンナお姉ちゃん、使ってください! でもたまにでいいので肉球を触らせてくださいなのです!」


「ハンナさんしか使える方はおりません、どうぞ遠慮しないでください」


 そう皆さんから言われては受け取らないわけにはいきません。

 ありがたく、頂戴することにしました。


 こんな良い装備やアイテムをいただけて、私は幸せです。


「皆さん、ありがとうございます!」


 私、これからももっと頑張ります!




 第二章 ―完―





 後書き失礼いたします。

 EX番外編-ハンナちゃんストーリー-をお読みいただきありがとうございました!


 クリスマスの書籍化発表から書籍発売日まで毎日更新キャンペーン、やりきりました!

 楽しんでいただけたらとても嬉しいです!


 これにて毎日更新は終了です。

 というより本編に近づきすぎてしまうためしばらくお休みです!

 今後は、また時期を見て更新します!


 ご愛読、ありがとうございました!


 また、〈ダン活〉本編、第一巻が発売中です!

 ご購入いただけると大変嬉しいです!




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ゲーム世界転生〈ダン活〉1巻2022年3月10日発売!
― 新着の感想 ―
[良い点] W毎日更新すごかったです。お疲れさまです。 本編だと主人公が戦闘科なのでダンジョン攻略や対抗対人戦に視点が多く行ってしまういますね。 そこでハンナをメインにそれ以外が描写されてて本編とは違…
[一言] 本編共に毎日更新は本当に凄かったです。 再開を楽しみにしています。
[一言] 楽しかったです! ありがとうございます。 ハンナちゃんの上級職転職の影響もめちゃくちゃ楽しみなので今後の更新も楽しみに待ってます!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ