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【本編書籍化】ゲーム世界転生〈ダン活〉EX番外編~ハンナちゃんストーリー~  作者: ニシキギ・カエデ
第二章 ピンチな〈生徒会〉への助力表明編

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#053 〈中和剤〉の作製依頼。パパッと作製です!




「〈中和剤〉……。それを作れば〈生徒会〉に参加してくれるのですか?」


 私はそんな簡単なことでいいの? とばかりにローダ先輩の向こうにいるミーア先輩の方を見ます。

 あ、なんだかミーア先輩がニヤリってしています。何かをたくらんでいるような顔です。

 いえ、色々されたのでその仕返しをたくらんでいる目にも見えます。ニヤニヤです。


「ふ。二言はないさ。約束しよう」


「じゃあ、すぐに取り掛かりますね。〈中和剤〉というと、赤・黄・緑・紫の4種類ですか?」


「頼もしいね。実はそれともう一つ、この〈中和剤〉も作って欲しいのさ」


「黒……、ですか……」


 ローダ先輩から受け取ったのは〈中和剤〉のレシピでした。

〈中和剤〉は【錬金術師】の専門なので〈大図書館〉に行けば無料で〈レシピ〉が公開されていますが、これは初めて見ます。


 ちなみに〈中和剤〉というのは錬金するときに使う専門の薬剤で、錬金中に崩れてしまう素材と素材のバランスを整え、拒否反応を沈めてよく混ざるようにする物です。

 また品質や性能を上げたりするときにも使われますね。

 とはいえ〈中和剤〉は普通あまり使用しません。

〈中和剤〉は失敗(ファンブル)をしづらくするための物なので、一定以上の技量を身につけた【錬金術師】さんなら要らないからです。


 それに〈中和剤〉はコストもそこそこ掛かります。

 作るのに〈魔石(小)〉が二つとその他様々な素材を使うため、〈中和剤〉を使って仕上げた品は、割高になります。

 品質はよくなるのですが、高いので売れ行きはあまりいいとは言えないです。


 どうしても作製したい、でも失敗するといった、今みたいな状況では非常に重宝する物ですね。

 私も〈中和剤〉は作ったことがあるので問題はなさそうです。

 この〈中和剤・黒〉も中級の品を使うだけなのでそれほど問題はないと思います。


「よかったよ。僕も作れるけれど、時間がとても掛かってしまうから外部に委託したかったんだ。まずは各種20個ずつ作って持ってきてほしいかな。後は出来るところからやってしまってくれるかい? でも時間があまり無いから10日後までには納品を頼むよ」


「えと? はい……」


 10日後……。今日中に作れそうですが……、これは言ってはだめなんでしょうかミーア先輩? あ、ダメなんですね、分かりました。


 ローダ先輩の向こうにいるミーア先輩が人差し指を唇に付けて可愛くウインクしていました。

 ないしょだぞ、とでも言う仕草です。超可愛いですミーア先輩。

 それを見たシレイアさんがミーア先輩に素早く抱きついていました。

 ローダ先輩と話中でなければ私も飛びつきたいくらいです。


「じゃあ、僕は夜まで常闇へ潜るから、ハンナちゃん、頼むよ」


「普通に夜まで眠るって言いなさいよ」


 常闇……、夜まで寝るって意味なんですね。なんだか言い回しがかっこいいです。

 あれだけ寝たのにクマさんが消えていませんからね。ゆっくり休んで欲しいです。

 私は安心してもらえるよう胸を張りました。


「任せてください。承りました」




 ローダ先輩は夜型? らしく夜に活発になるらしいのでそれまでに依頼された〈中和剤〉を作ってしまいましょう。

 ミーア先輩いわく、今夜もまた闇錬金に勤しむそうですから。


 またお休みになったローダ先輩を保健室に残し、私たちは移動しました。


 目指すは私の部屋です。

 私の部屋には学園から貰いました〈中級錬金セット〉があります。

 自分の部屋に工房があるって、便利ですよね。


 ですが、ミーア先輩たちとはここでお別れです。


「ごめんねハンナちゃん。作業を全部任せちゃって」


「大丈夫ですよ。これくらいは楽勝ですから。ミーア先輩こそ〈生徒会〉のお仕事、頑張ってくださいね」


「あーん、ハンナちゃんと一緒にいたいー」


 そう、ミーア先輩には〈生徒会〉のお仕事があります。

 今〈生徒会〉にいるのはチエ先輩だけなので、早く戻ってもらいませんと。


「アルストリアさん、シレイアさんも頑張ってください」


「ありがとうございます。ハンナさんも頑張ってくださいませ」


「こっちは心配無用、です! ハンナ様、応援しています」


「うん。またあとでね」


 そう言って手を振り合い、みなさんは〈生徒会室〉に向かっていきました。


 私は私の作業をしませんと、1日で終わらせて明日からローダ先輩に〈生徒会〉を手伝ってもらうのです。


 私は途中で〈大図書館〉に立ち寄って〈中和剤〉のレシピが描かれたレシピ帳をメモして市場で素材を集め、足りないものは〈採集無双〉の方々に素材の採集を依頼しました。

 請求は一旦〈生徒会〉が受け持つそうです。後で纏めてローダ先輩に請求書を送りつけてやるとミーア先輩が息巻いていましたので、その通りにしておきます。


「えっと色素材は、赤なら実や砂。黄なら花や鉱石。緑なら葉や茎、紫なら油や種子。黒は……虫? または肉……。これは後でにしておきましょう、そしてお肉一択です!」


 帰宅した私は早速錬金作業を開始します。


「――錬金起動。調薬開始」


〈中和剤〉は初級で作れる物なので難易度は高くありません。

 それぞれの〈色を表す素材〉と〈水素材〉、そして〈魔石〉を錬金するだけです。

 例えば〈中和剤・緑〉なら植物の葉や茎などを色素材とし、〈水素材〉と〈魔石〉で出来ます。

 作り方はまんま〈ポーション〉の時と同じなので超簡単ですね。

 このとき色素材に間違って〈薬草〉を選択すると〈中和剤・緑〉ではなく〈ポーション〉が出来るので要注意です。


「お薬すりすり~、お薬混ぜ混ぜ~」


 私は『大量生産』『迅速調合』『簡略生産』を発動しながら、じゃんじゃん調合していきました。

 今素材がそろっているのは緑と黒だけです。お肉は市場で安いのをいっぱい買ってきました。虫はノーです。


 ……ですが将来、ゼフィルス君に頼まれてイヤというほど虫素材を触って、なんとも思わなくなるまで慣れてしまうことをこのときの私はまだ知りません。まさか虫素材があんなに色々使えるなんて……。


 と、それはともかくです。


 1時間ほどで緑と黒の調合が終わりました。


 黒はさすが中級です。お肉500個なのでとても大変でした。

 1時間のうち50分はお肉の処理です。


「これを〈魔石(小)〉と合わせて~、混ぜ混ぜ~、混ぜ混ぜ~」


 緑は初級なので使うのは〈魔石(小)〉です。まずは緑から作り上げましょう。

 錬金釜に入るのは100個までだったので、100個ずつ錬金します。

 え? 〈魔石〉がなぜあるのか、ですか?

 あの騒動からすでに2週間は経っているのでそれなりの在庫は増やしていますよ。じゃないとすぐ〈魔石〉ってなくなってしまうのです。(※普通そんなに早く〈魔石〉は増えません)


 とりあえず、今回使う量は余裕でありますので安心ですね。

 でも〈魔石〉は本当にいろんなところで使いますね。

 またスラリポマラソンしなくっちゃ!


「――『錬金』!」


 頃合と見た私はいつもどおり『錬金』を発動。

 無事〈中和剤・緑〉が100個完成しました。


 このままどんどん錬金していきますよ~。



 夕方には〈採集無双〉の方々から残りの素材が届いたので、慣れてきた私はそのまま赤・黄・紫も仕上げ、無事夜には全部仕上がりました。全部で2500個、早速ミーア先輩たちと一緒に納品に向かいましょう。





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ゲーム世界転生〈ダン活〉1巻2022年3月10日発売!
― 新着の感想 ―
[一言] 魔女の大釜の中には大抵、虫が入ってるイメージ。 つまりそういうことだね。
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