#040 ようやく目標数達成! 総商会へ!
〈魔石(中)〉を作り終えた私たちは、そのまま〈ハイポーション〉の作製に取り掛かりました。
「錬金起動。調薬開始」
自分に暗示をかけて、一気に100葉分をペースト状にしていきます。
練習により、初めは50枚しかできなかったこの作業も100枚いっぺんにできるようになりました。
今はさらにミーア先輩の料理の効果で作業スピードがかなり上がっています。
「抽出フラスコ、準備できてますわ」
「〈純化水〉を100個分、こっちも用意できていますです!」
さらにお二人がサポートしてくれるので、最初の頃よりもスピーディです。
ちなみにミーア先輩はここにはいません。サポートする仕事量が減ったのでミーア先輩には私のギルドにある〈魔石(極小)〉を持ってきてもらえるよう頼みました。
先輩をおつかいに使ってしまうなんて、と思う余裕はありません。
私が持ってきていた〈空間収納鞄〉に入っていた8万個もの〈魔石(極小)〉も空っぽになってしまったので、補充しなくてはいけなくなったのです。
残りはギルドの部屋においてあるのですが、多すぎて一度で全部は持って来られなかったんですよね。
なので何度か分けて持ってくる必要がありました。
ですが、私は『大量生産』のスキルがあるので生産に忙しく、取りに帰る時間は勿体無いです。そこで役割分担の延長としてミーア先輩がギルドに取りにいくことになったのです。
ミーア先輩は〈生徒会〉の肩書きを持っていますし信用がありますから。あとはチャットでギルド部屋に残っているセレスタンさんに知らせておけば大丈夫だと思います。
「お薬混ぜ混ぜ~。――『大量生産』! ――『調合』! ――薬効抽出開始、『調合』!」
「ハンナさん、〈魔石(中)〉100個、ここにおいておきますわ」
「お片づけは私に任せてくださいでしゅ!」
お二人のサポートもあり、100個分という大量な生産をしているのにも関わらずスムーズに進みます。
アルストリアさんから〈魔石(中)〉の入った箱を受け取ります。〈魔石〉同士を『錬金』していた時とは違い、数をぴったり合わせなくてはいけませんので〈魔石(中)〉を100個数えていただくのはとても助かります。
私は薬効抽出して巨大錬金釜へそれを入れると、残りカスの入った抽出フラスコをシレイアさんに渡します。
100葉分なのでそれなりの残りカスです。掃除するのも地味に大変で時間が掛かるので、サポート助かります。
アルストリアさんはその間に次に使う〈上薬草〉の数を数えているみたいです。手際がいいです。
みなさん効率よく作業を進めます。
「濃厚~凝縮~、薬効高っくな~れ。高っくな~れ。――うん、いきます! ――『薬回復量上昇付与』! ――『錬金』!」
薬液と魔石を錬金釜へ入れ、錬金棒でかき混ぜます。二つが馴染んだと感じたらそこでキメます。
『錬金』を発動すると、案の定、錬金釜の中には100個の〈ハイポーション〉がありました。
もちろん失敗はありません。完璧です!
「さすがハンナしゃま、こほん……ハンナ様さすが!!」
また噛む癖がぶり返してきたシレイアさんが錬金釜の〈ハイポーション〉を取り出し、専用のポーションケースに入れていきます。
私はそのまま別の〈中級錬金セット〉を使い、アルストリアさんが分けてくださいました100葉分の〈上薬草〉をペーストしていきました。
あとはこの繰り返しです。
一回に100個ずつ、1万個作製するのに、えっと……。100回ですね。とりあえずたくさん頑張りましょう。大丈夫です! 今日中にはできると思います!
途中ミーア先輩が〈魔石(極小)〉を取ってきてくれました。無事セレスタンさんから受け取れたみたいです。
でも、途中トラブルがあったみたいでなんだか疲れた顔をしていたミーア先輩。いったいどうしたのでしょうか? 何か「親衛隊は融通利かなくて困る~」と嘆きの声が聞こえてきましたが。親衛隊とは?
疲れていたミーア先輩には悪いのですが後3往復ほど頼んでギルドにある〈魔石(極小)〉を全部持ってきてもらい、私たちは〈ハイポーション〉作製に集中しました。
すると、驚いたことに料理アイテムの効果が切れる頃には〈ハイポーション〉1万個が完成してしまったのです。
自分でもビックリしました。まさか本当に今日中に作れるだなんて。
「さっそく〈総商会〉の方へ持っていきましょう!」
「お待ちくださいですわミーア先輩。今の時間は混雑がピークの時間帯ですわ。ダンジョン週間も最終日ですし、少し時間をずらしたほうが賢明かと思いますわ」
「たった一日で出来あがるとは思わないですもんね。時間はまだあると思うのです」
「なるほどね。確かにそのとおりね。今年の一年生は本当に有能だわ。ハンナちゃんはそれでも良い?」
「はい! ではその間にまた〈魔石(中)〉の作製を手伝ってもらいたいのですが、いいでしょうか?」
「え!? ハンナちゃんまだやるの!? もう規定数は揃ったんじゃないの?」
ミーア先輩がビックリしたように言いますが、でもまだ〈魔石(中)〉が規定数まで届いていません。
「これを見てください。クエスト名〈現在不足している〈魔石(中)〉を納品してください。学園の在庫が10万個溜まった時点で終了〉。今のところ私が納品した6万個だけでまだ4万個は未納品です。そしてちょうどここには4万個作れるだけの〈魔石(極小)〉があります」
〈学生手帳〉を見せながら私は笑顔で「やりましょう」と告げました。
アルストリアさんとシレイアさんは目をキラキラさせていましたが、ミーア先輩は「これは〈生徒会〉の仕事とどっちが楽なの~、ハンナちゃんがスパルタだよ~」と呟いていました。
そうして超スピードで2万個の〈魔石(中)〉を作製し終えたところで良い時間になったので、アルストリアさんの「そろそろ〈総商会〉へ行きましょう。もう空いているころですわ」という声で、私たちはこれらの品を持って〈総商会〉へ向かったのでした。
残りの2万個分は帰ってからまた作りましょう。
これで報酬は、全部いただきです!




