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【本編書籍化】ゲーム世界転生〈ダン活〉EX番外編~ハンナちゃんストーリー~  作者: ニシキギ・カエデ
第一章 学園救済クエスト解決編

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#035 〈採集無双〉を送り出し、上薬草を集めます!




 今〈総商会〉の部屋の一室で、私の前にはいつもの、ここ最近一緒に活動してきた方々が集まっていらっしゃいました。


「皆さん、お休みの所、集まってくれてありがとうございます」


 私はペコリと頭を下げてお礼を言います。


 そんな私に真っ先に声を掛けてくださったのは、アルストリアさんとシレイアさんでした。


「お気になさらないでください。わたくしも今日の活動に悩んでいたところでしたから」


「は、はいです! 私も、ハンナ様がいないと力がでません!」


 アルストリアさんはわかりますが、シレイアさんのはどういう意味なのでしょう?


 続いて〈採集無双〉のメンバーから代表してモナ君が前に出ます。


「ぼく達も今日は初級中位ダンジョンの上層で釣りをするだけの予定でしたから、まさか中級下位ダンジョンで採取のクエストに誘っていただけるとはありがたいです」


「そう言ってもらえると助かりますよ」


 みんな無理に来てくれたわけではないと分かりホッとします。

〈採集無双〉の方々はむしろ未だ足を踏み入れたことの無い中級ダンジョンに連れて行ってもらえるということで興奮している様子です。


〈採集無双〉の方々が身につけているのは〈『ゲスト』の腕輪〉。

 学園からの貸与品ですが、これを装備していると他の戦闘系の方々が行くダンジョンにゲストとして付いて行くことが出来ます。とても破格の性能です。その代わり戦闘行為に参加したら壊れてしまうので〈採集〉などしかできないのですけどね。

 また、かなりお高い物らしく、壊したら罰金なので気をつけてくださいね?


 そこへメリーナ先輩が、なんだか鎧を着た方々と一緒に入室してきました。


「お待たせいたしました。ハンナさん」


「いいえ、私たちも今集まったところですので。紹介しますね、こちらが〈上薬草〉の採取を担当してくれますパーティ〈採集無双〉の方々です」


 私はメリーナ先輩に〈採集無双〉の方々を紹介します。

 すぐに代表のモナ君が前に出ます。


「紹介にあずかりました、パーティ〈採集無双〉のリーダーモナです。最近、初級中位ダンジョンに進出しました。全員1年生です」


「まあ! この時期に初級中位に進出しているなんて、〈採集無双〉のみなさんはとても優秀なのですね。〈採集無双〉の皆さん、集まってくださりありがとうございます。今日はこちらの〈狼の刃〉ギルドさんと〈盗鼠の根城ダンジョン〉で〈上薬草〉の採取をお願いいたします。ダンジョンのモンスターはアイテムを盗みますので落としたりしないよう気をつけてくださいね?」


 鎧の方々は戦闘職で〈採集無双〉の方々を中級下位ダンジョンに連れて行くキャリー役みたいです。

 それから色々と説明を受けた〈採集無双〉の皆さんは装備を改めて確認して出発の準備を整えました。

 私も一声掛けます。


「〈採集無双〉の皆さん、今市場が大変なことになっています。それを解消するため力を貸してください」


「任せてくださいハンナさん。こんなチャンスを与えてくださった恩にも報いなければ〈エデン〉の皆さんやゼフィルスさんにも申し訳が立ちません! 精一杯頑張りますよ」


 モナ君がやる気にみちたの表情でそう言い、そして〈採集無双〉の皆さんも頷きました。


(たまわ)った」


「任せてよ。たくさんゲットしてすごい成果だって驚いて貰うからさ」


「それに一度でも前例があれば次のクエストも来るかもしれないしな、気合い入れるぜ」


「私も微力ながらこの装備で手伝わせていただきます」


 ソドガガさん、タイチさん、アンベルさん、そしてサティナさんが答えてくれます。

 皆さんの装備は採取をする専門の装備だそうで、ゼフィルス君も使っている強化された〈優しいスコップ〉なども持っていました。また、〈空間収納鞄(アイテムバッグ)〉も皆さんが(容量:中)を持っています。

 これは大体が学園からの貸与品です。高性能のアイテム類を持った皆さんはとても高揚している様子でした。


 では装備に頼った採取なのかと言えば違います。〈採集無双〉の方々はしっかりと〈採集〉系のスキルをたくさん身につけています。

 それは発掘が専門の【炭鉱夫】でも釣りが専門の【フィッシャー】でもです。採取ポイントは見つけやすいですし、採取量は普通よりかなり良いです。さすがに採取を専門にする【ファーマー】には及びませんが、それでも普通の戦闘職の方よりかはたくさん採取が出来るのです。


 装備も調えればたくさんの活躍ができると思います。


「では、いってきます」


「皆さん、いってらっしゃい」


 初めての豪華なアイテムにキラキラした瞳をした〈採集無双〉の皆さんが手を挙げて出発していきました。


 私たちも手を振って見送ります。


「では、ハンナ様たちには今在庫のある〈上薬草〉をお渡ししますので〈ハイポーション〉の作製をお願いしますね」


「はい! 任せてください。でも本当に3年生の錬金工房を使ってもよろしいのですか?」


 私は確認のためメリーナ先輩に聞きます。

 私たちがいつも使っている1年生の錬金工房は、大体が初級までの性能の〈錬金セット〉です。

 ですが3年生ともなると、錬金工房にて〈中級錬金セット〉が設置され使い放題なんです。

 そして私たちはそこを自由に使って良いと言われています。実はちょっとワクワクしていたりします。


「もちろんですハンナ様。ご自由にお使いください!」


「あ、はい」


 あの、ハンナ様って呼ぶのはやめませんか?





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ゲーム世界転生〈ダン活〉1巻2022年3月10日発売!
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