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【本編書籍化】ゲーム世界転生〈ダン活〉EX番外編~ハンナちゃんストーリー~  作者: ニシキギ・カエデ
第四章 ハンナの大変化する日常編!

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206/207

#205 決まった後は早い!?すでに準備が出来てます!

本日2話目!




 私が生産隊長になることを了承すると、その後のローダ先輩たちは待っていましたと言わんばかりに素早く行動に移りました。


 引き継ぎの書類を初めとする生産隊長に必要なアレやソレは全部揃っていたみたいで、ローダ先輩からすぐに説明があり、最後に生産隊長に就任する任命書の発行願いの書類を初め、いくつもの書類に名前を書きました。


 すぐにムファサ先輩がそれを持って学園長の下へ向かいます。

〈生徒会室〉から出ていくときのムファサ先輩は、ちょっと寂しそうでした。

 まるで、「行くよ? 本当にいいの? 本当に行っちゃうよ?」とでも言わんばかりに後ろ髪引かれていました。そこへローダ先輩が「さっさと届けてきな」と言って送り出していましたね。2人は仲良し、なのでしょうか?


 こうして生産隊長が私。生産副隊長がミーア先輩にほぼ決まった形ですね。

 後は学園長から任命状をいただければ正式に生産隊長、ということみたいです。


「さて、じゃあ万が一の時の代理も決めておこうかね」


「うむ、うちらのような存在じゃな」


 そうローダ先輩とフラーラ先輩が神妙に言いました。

 あ、フラーラ先輩は代理という自覚があったのですね。

 てっきり本当に隊長と副隊長の座が入れ替わってしまったのかと思っていました。

 でもそれは言わず、私は普通に質問します。


「代理は決めておく必要があるのですか?」


「まあ、滅多に無いことだけど、今年度みたいに本当の生産隊長がその席を乗っ取られるくらい長期で席を空けることもあるからね」


 あ、ローダ先輩もムファサ先輩の席を乗っ取った自覚はあるみたいです。


「とはいえこれは生産隊長だけじゃなく、全てのメンバーに言えることだけど、欠員が出ることは珍しくはないからどこかの役職が長期に渡り席を空ける事態になったら代わりを用意するのが通例になっているのさ」


「とはいえ代理はあくまで代理じゃ。代行ではないと深く覚えておくのじゃぞハンナ後輩。あんまり代理に仕事を任せっぱなしじゃと、乗っ取られるのじゃ」


「わ、わかりました。肝に銘じておきます」


 実際乗っ取った実例が言うと重みが違いますね。


「いやぁ、それにしてもハンナ君に生産隊長へ就くことを了承してもらって本当に良かったよ。ハンナ君であればたとえ代理に任せっぱなしだとしても乗っ取られそうにないしね」


「同感じゃ。ハンナ後輩を(おとし)めた瞬間から全学生を敵に回すからのう。さすれば身の破滅じゃ。歴代でもっとも愚かだった生産隊長代理、生産隊長の座を狙い乗っ取ろうとするも失敗! という不名誉な称号だけが残るはずじゃ」


「いやぁ〈生徒会〉は安泰だなぁ」


「問題はハンナ後輩が生産隊長だと誰も代理をやりたがらないというところかのう」


「……先に役員を決めた方がいいね」


「えっと」


 ローダ先輩とフラーラ先輩だけ盛り上がっていて、みんなついて行けてないですよ?

 ちなみにゼフィルス君は私が了承したあと、色々手続きをしている間にローダ先輩と話し合い、そのまま戻って行きました。なにやら「宴を開かないと(使命感)」と言っていたのが気になります。


 とそこでアルストリアさんとシレイアさんが手を上げました。


「ローダ先輩。それでしたら私が会計に立候補しますわ」


「しょ、書記なら私が出来るかと思います。ハンナ様を支えたいです」


「うんうん、友情だぁ! アーちゃん、シレイアちゃん、よく言ってくれたよ! でもシレイアちゃん、私は?」


「はわわ!」


 立候補する2人と、シレイアさんに微笑むミーア先輩。


「こらミーア、後輩に詰め寄らないの。あなた、もうすぐ最上級生になるのでしょう?」


「チエちゃん、卒業しないで!」


「チエちゃんではありません。先輩を付けなさい。……何度も訂正してきたはずですが、結局直りませんでしたね」


「私世代が1人残されるの寂しいの~」


 えっと、一応ミーア先輩世代は現副隊長のベルウィン先輩もいますよ? そう思いましたが、言いませんでした。


「のう(サトル)、お主も庶務を担当してみるか?」


「え! いいの姉! 俺正確には生産職じゃないんだけど!」


「かまわんかまわん。正確には〈生徒会〉に入ってはいけない職業(ジョブ)なんてものは無いんじゃ」


「え? そうなの?」


「そうなのじゃ。〈生徒会〉が(つかさど)るのが生産ギルドじゃから生産職が選ばれやすいだけで、ぶっちゃけ戦闘職だろうが就けるのじゃ」


「そうだったのかよ! はい! なら俺もハンナ様を支えます!」


「よく言ったのじゃ!」


「だから生産隊長だけじゃ無くて副隊長も支えて!?」


 こうして他にも反対の意見はなく、役職が大体決まったのでした。

 ちなみに現在副隊長のベルウィン先輩と書記のヤークス先輩ですが、思うところがあったのか、どこかの代理でいいとのことでした。私たちの誰かに長期の欠員が出た場合はベルウィン先輩に任せることになりますね。

 役職を纏めると。


 生産隊長―――ハンナ

 生産副隊長――ミリアス

 会計―――――アルストリア

 書記―――――シレイア

 庶務―――――サトル

 代理―――――ベルウィン、ヤークス


 こんな形ですね。

 正式に任命状の発行願いを作製し、〈生徒会室〉に帰って来たばかりのムファサ先輩をまた学園長室に送り出して、その日の〈生徒会〉活動は終わったのでした。



 続いてギルド〈エデン〉ですね。


「では~、ハンナの生徒会生産隊長、就任内定を祝して~! かんぱーい!!」


「「「「「かんぱーい!」」」」」


 はい。こっちではまた宴が始まりました。

 今日はまだまだ続きそうです。





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ゲーム世界転生〈ダン活〉1巻2022年3月10日発売!
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