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【本編書籍化】ゲーム世界転生〈ダン活〉EX番外編~ハンナちゃんストーリー~  作者: ニシキギ・カエデ
第四章 ハンナの大変化する日常編!

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201/207

#200 温泉以外も旅行はイベント山盛りです!

土曜日なので本日3話投稿!

まだ読んでいない方は2回バック!




 旅行の初日では20層まで行き、いくつかの秘湯を体験、楽しんで最後はボスを倒して帰還しました。

 アルストリアさんとシレイアさんからは、「〈エデン〉の旅行は濃すぎです(わ)」と言われてしまいました。そうかな? いつもとあんまり変わらない感じでしたけど。


 そう言ったらアルストリアさんはスッと瞳をつぶって首を振りました。どういう意味だったのでしょう?


 ショートカット転移陣で1層に戻ると宿の部屋へと帰還し、また1階の温泉に行ってみました。

 今回の旅行ではここを制覇したいです。


 夜には男子の部屋へお邪魔してしまいました。

 ゼフィルス君曰く、これが学生旅行の醍醐味らしいです。青春だってテンション高く言っていました。

 その数十分後にはトランプの大富豪大貧民で負けて元気が無くなっていましたけど。

 でも大富豪大貧民って難しいですね。私、何回やっても平民でした。


 旅行2日目。

 今日はスキー三昧です。

 この〈秘境ダン〉の1層はスキー場という施設もあって、ゲレンデから滑り降りる遊びが楽しめるんです。

 私も初めてやりましたけど、とっても楽しかったです。


 私やアルストリアさん、シレイアさん、マリアさん、メリーナ先輩はすぐに慣れて、もうそこら中滑ったりしていたのですが、本来はなかなかに難しいらしく、上手く滑れない人もたくさんいるようでした。

 ゼフィルス君はこれをDEXの差だなと言っていました。なるほどです。器用さには自信があります!


 でも同じ村で育ち、雪の経験のないはずのゼフィルス君が私と同じくらい滑れるのはどうしてでしょう? ゼフィルス君のDEX値ってそんなに高くなかったよね?


「勇者だからな!」


「そうなんだぁ」


 勇者って雪の上でもへっちゃらみたいです。すごいですね。

 というわけで、今日は私がゼフィルス君を独占してしまいました。


 日中スキーを楽しむと、夜はまた温泉に浸かってまったりです。

 冷えた体に温泉の温もりがクリティカルヒット。この癒しに蕩けてしまいそうでした。『防寒』スキルの付いた服を着ていたので体は冷えたりしていませんでしたけど。


 とうとう旅行3日目、今日で旅行も最終日です。

 今日は軽く雪で遊ぶことになり、雪玉を転がしてダルマさんにしたり、雪のお城を作って遊んだりしていました。

 生産職組と営業組のDEX値が合わさり、なんか凄いものができてしましましたね。


 そうして楽しんでいると、ゼフィルス君からイベントを発表されました。


「雪合戦やるぞーーー!」


「「「「おおー!」」」」


 雪合戦というのは雪で作った玉を、相手が装着している的に当てて退場させるゲームスポーツで、チームで戦って王の的を持っている人を退場させたチームの勝利だそうです。王はそれぞれのチームに1人ずつですね。


 そうして厳正のチーム分けの結果、ゼフィルス君とは敵チームになってしまいました。

 まさかの展開です。私はセレスタンさんを王とするチームに入ることになりました。


「ハンナさーん。頑張ってくださいまし~」


「がんばれーがんばれーです!」


「どっちのチームも頑張ってくださいね~」


「賭けなんてしてないから勝っても負けても大丈夫だよ~」


 ああ、観戦席からアルストリアさんとシレイアさん、マリアさんとメリーナ先輩の声が聞こえます。

 思わず参加してしまいましたが、これ生産職の私が参加する意義ってあったのかな?

 ……もしかしたら私、失敗したのかもしれません。


 そう、気が付かなければ幸せだったことに気が付いてしまい打ちひしがれていると、メルトさんがやって来ました。


「ハンナ女史、雪玉を大量に作ってほしい。出来るか?」


「はい。任せてください!」


「よし、出来たらこっちで回収するから山積みにしておいてくれ。輜重隊は勝利の要だ。ハンナ女史はなるべく多くの雪玉を作ってほしい」


「あの、これってただのスポーツですよね?」


「ゼフィルスが向こうにいるのにただのスポーツになると思うか?」


「……確かにそうでした」


「ああ。絶対ガチの戦いになる。今から勝利を目指して全力で取り組んでいないと一気に飲み込まれてすぐに敗北するだろう」


「なんだろう。その様子がありありと思い浮かびます」


「そういうことだ。ということで頼んだ」


「任されました」


 そういうことなら私は雪玉作りに専念しましょう。

 スキルは使用禁止と言っていますが、もうスキルがなくてもリズムとテンポで雪玉の大量生産なんて余裕です。

 やってみましょう。


「始め」


 審判シエラさんの言葉と共にせっせと雪玉を作りました。

 前もって雪玉を作っておくのはダメだそうなので試合開始から猛烈な速度で作ります。


 イメージはおにぎり。集めてぽんぽんしてできあがりです。

 DEXが凄く高いのと、スラリポマラソンに慣れていて動きが思った以上に早かったのか、自分でも思った以上に雪玉を作るのが早かったのには驚きました。

 雪玉があっという間に山になっていきます。


「ハンナ女史、雪玉、は…………これはさすがに予想外過ぎたな」


 メルトさんが駆けてきましたが、試合開始からまだあまり時間が経っていないのにもかかわらずすでに山になりつつある雪玉を見て一瞬固まっていました。


 ですがすぐに再起動して山から3分の1持って前線に戻って行きました。

 もしかしなくても持って行けないほど作ってしまったかもしれません。

 私も運ぶの手伝った方が良いのでしょうか。

 そう思って立ち上がったのがよくありませんでした。


 ポスっという音と共に私の肩にあった的に雪玉が命中していたんです。


「ピー、ハンナ退場よ」


「ええー!?」


 なんということでしょう、一瞬の隙を突かれて私は退場してしまったのでした。


 ちなみに私の作った雪玉の山は、攻めてきたゼフィルス君に逆に使われたあげく、ゼフィルス君チームの勝利の決め手になってしまったのでした。


 うーん。ゼフィルス君の役にたったから、こういうのもあり?


 温泉旅行の最終日もそんな感じで面白おかしく過ぎていったのでした。





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ゲーム世界転生〈ダン活〉1巻2022年3月10日発売!
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[一言] メルト「くっ、獅子身中の虫だと!?」
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