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【本編書籍化】ゲーム世界転生〈ダン活〉EX番外編~ハンナちゃんストーリー~  作者: ニシキギ・カエデ
第四章 ハンナの大変化する日常編!

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#194 上級職ランクアップ! フラーラ編!




 これは少しだけ前のこと、ある日ルルちゃんがダンジョンから帰還すると言いました。


「今日は〈上級転職チケット〉を手に入れたのです! このチケットがぬいぐるみを増やせと言っているのです! フラーラお姉さんに渡して上級職になってもらうのです!」


「フラーラ先輩を上級職にですか!」


「それは大賛成です! 姉も絶対喜びますよ!」


 驚き叫ぶといつの間にか近くに居たサトル君も大賛成します。


 もちろん私も賛成です!


「お、おう。ハンナはどうだ? 別に無理はしなくても良いぞ? 貴重な〈上級転職チケット〉の使い道だ。慎重な意見をくれてもいい」


「私もフラーラ先輩が上級職になってもらった方が良いと思う!」


「ガッデム!」


 私が答えるとゼフィルス君が仰け反りました。

 どうしたのかな?

 いえ、それよりもまずはルルちゃんに詳しい話を聞かないと!


「ルルちゃんルルちゃん」


「ハンナお姉ちゃんハンナお姉ちゃん」


 私がルルちゃんを2回呼びすると、ルルちゃんも私を2回呼びしました。


「ルルちゃんルルちゃん」


「ハンナお姉ちゃんハンナお姉ちゃん」


 可愛いです。

 でも、呼び方を間違えたかもしれません。これでは無限ループに突入です。


「ああ、これがルルちゃんとハンナ様の癒しパワー」


 サトル君は今にも浄化されそうな表情でした。

 えっと、悪い物でも憑いていたのかな?


「ねぇルルちゃん、フラーラ先輩を上級職にするってことは何か良い物が当たったの?」


「あい! タバサお姉ちゃんが上級ぬいぐるみのレシピを当てたのです! でも、上級ぬいぐるみのレシピは上級の【ぬいぐるみ職人】さんじゃないと作れないってゼフィルスお兄様が言っていたのです! だからフラーラお姉さんに〈上級転職(ランクアップ)〉してもらうのです!」


「そっかぁ!」


 納得の理由でした。

 これはフラーラ先輩に是非上級職に就いてもらわなければいけませんね!


「サトル君、フラーラ先輩に連絡を取ってもらってもいいですか?」


「ハンナ様のご命令ならば、喜んで!」


 こうして私たちは動き出しました。

 ミッション、〈フラーラ先輩を上級職に〈上級転職(ランクアップ)〉させよ!〉みたいな感じです!

 やりますよ!


「ゼフィルス君、いつも通り任せてもいい?」


「ま、こうなってしまった以上協力するぜ。しかし、3年生のフラーラ先輩でいいのか?」


「あい! フラーラお姉さんが一番ぬいぐるみ作りが上手いのです!」


 私が答える前に、ルルちゃんが答えていました。

 はい。確かにフラーラ先輩はもうすぐ卒業してしまいます。

〈上級転職チケット〉を使うにしても、未来ある2年生とかにした方が良いのではないかというゼフィルス君の意見も分かります。ですが。


「やっぱりぬいぐるみ作りに関してはフラーラ先輩の右に出る人は居ません!」


「ルルちゃんとハンナ様の言葉は正しいです!」


「やっべぇ、ルルもハンナもサトルもすげぇ熱だ」


 ゼフィルス君がおののいているように見えましたが、きっと気のせいです。

 ちょっとだけ熱が入ってしまったかもしれません。


「ハンナ様、ルルちゃん、ゼフィルスさん、姉がどこに居るか判明しました。これから伺うと連絡済みです!」


「ありがとうなのです! これから突撃を掛けるのです! レシピとチケットはバッチリです!」


「じゃ、行くか」


「「「おおー!」」」


 こうして4人でフラーラ先輩のところへ向かう事になりました。

 フラーラ先輩は福女子寮の自分の部屋に居ました。

 なのでサトル君は外で待っててもらいます。


 え? ゼフィルス君?

 ゼフィルス君はその、なぜかここに住まう人たちからはOKもらっているので普通に入れていますね。

 サトル君はなぜかNGでした。


 目的のフラーラ先輩の部屋にたどり着いたのでノックします。


「トントントン。フラーラお姉さんはいますか~」


「いるのじゃ~」


「フラーラお姉さん!」


 ガチャッと扉から出てきたフラーラ先輩に秒で抱きつくルルちゃん。

 尊いですね。


「悪いなフラーラ先輩。突然お邪魔してしまって」


「〈エデン〉のイケメンじゃな。まあ、ちょうど手が空いたところじゃ。それよりもうちの弟はどこじゃ?」


「えっと、寮の入場許可が下りなくてですね」


「あ~、そういえばここは女子寮だったのじゃ」


 私が恐る恐る告げるとフラーラ先輩がバツが悪そうに髪を()く。

 女子寮に男子が入っちゃ、普通ダメですよね。え、ゼフィルス君?

 ……なぜでしょう?


「フラーラお姉さんフラーラお姉さん」


「おうおう、なんじゃルル」


「ルル、フラーラお姉さんに上級職になってもらいたいのです! それで、上級ぬいぐるみをたくさん作ってほしいのです! これがチケットとレシピなのです!」


「ほ?」


 あ、フラーラ先輩が首を傾げて固まってしまいました。

 そして次の瞬間には驚愕の声で叫びました。


「なにぃぃぃ!? は!? なんじゃ、さっきのは冗談じゃなかったのじゃ!?」


 パニック気味にチケットとレシピを見るフラーラ先輩。とても取り乱しています。


「さて、話は通っていることだし、早速〈上級転職(ランクアップ)〉しに行こう!」


「いやまだ納得は出来ておらんのじゃが!?」


「あ、これ〈信じる心〉な。使ってくれ」


「いや、ちょっと待つのじゃ!?」


 フラーラ先輩がとても混乱していそうだったので私から説明します。


「えっとですね。〈エデン〉で〈上級転職チケット〉と上級ぬいぐるみのレシピを手に入れたので是非フラーラ先輩に〈エデン〉の専属になっていただき、上級ぬいぐるみを作ってもらいたいんです」


「というわけでフラーラ先輩、上級職になってくれ」


「〈上級転職チケット〉ってそんな簡単に差し出される物じゃったっけ!?」


 一通り驚愕した後、結局ルルちゃんの純真な瞳にやられたフラーラ先輩は、魔力の通った素材と手段で特殊なぬいぐるみ作製術を使う【マギドールメイカー】へと〈上級転職(ランクアップ)〉してくれたのでした。


 その作製方法はびっくりでした。

 魔力で浮かんだ布と綿、モンスターなどの毛、針や糸が空中で魔法のように縫合され、そしてぬいぐるみになっていったのです。これが【マギドールメイカー】の『マギドール作製』というスキルの力でした。


「自分で使って思ったのじゃが、これ魔力の操作から練習し直しじゃないかの?」


 針とか糸とか自分で持たずに魔力操作で縫う職業(ジョブ)みたいですからね。

 結局新しいぬいぐるみ作製はしばらく時間が掛かりました。





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ゲーム世界転生〈ダン活〉1巻2022年3月10日発売!
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