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【本編書籍化】ゲーム世界転生〈ダン活〉EX番外編~ハンナちゃんストーリー~  作者: ニシキギ・カエデ
第四章 ハンナの大変化する日常編!

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#185 臨時〈エデン店〉終了! コテちゃん強化開始!




〈学園出世大戦〉の前日ということもあって今日も〈エデン店〉は盛況です。

 とはいえ昨日ほどでは無いですね。

 やっぱり昨日は今までのしわ寄せが一気に来たのでしょう。


 それでも途中でミーア先輩が溶けそうになるくらいには忙しかったです。

 私もがんばって残っている素材のほとんどを錬金しました。

 ふう、やりきりましたよ。

 あ、ミーア先輩には「後で撫でてあげるのでがんばってください」と言ったらやる気増し増しになって戻って行きました。


 そんなこんなで臨時でオープンすることになった〈エデン店〉も今日でおしまいです。


「ハンナちゃーん元気にいってみようー!」


「えっと、はい! みなさん、乾杯です!」


「「「「「かんぱーい!」」」」」


 臨時〈エデン店〉の最後を祝って(?)乾杯です。

 豪華に食事して、飲み物を飲んで、疲れを吹き飛ばすのです!

 昨日もやりましたけど、今日の方が豪華です。

 ミーア先輩が特製の料理を出してくれたからです。


「うう~ん。このピザ美味しいね」


「こっちのカニクリームコロッケも絶品なのじゃ! このクリーミィがたまらんのじゃ!」


「いけませんわ。こんな暴力的なカロリーのものばっかり。でも、手が進んでしまいますの」


「アルストリアさん、そんなこと今だけは考えてはいけないです。きっと今日の忙しさで相殺されるはずです」


「シレイアちゃんの言うとおりだよアーちゃん。今日はいくら食べても大丈夫なんだよー」


「み、ミーア先輩が良い具合に弾けています。やっぱりなでなでが必須なのでしょうか?」


 ミーア先輩が出した食べ物はみんな高カロリーで美味しいものばっかりです。

 それをどんどんパクパク食べていくミーア先輩。

 後で撫でてあげましょう。


「ハンナさん」


「あ、セラミロさん」


「こんな席で言うのはなんなのですが、お疲れ様でした。そして学園の依頼を十分以上に果たしてくださったこと、感謝いたします」


「いいえ。感謝ならみんなにしてください。みんな頑張りましたから」


「はい、もちろんです。それでもハンナさんがいなければ成し遂げられませんでした。改めてお礼をさせてください」


「わかりました」


 私はそれほど考えずにセラミロさんの言葉に頷きます。

 この「改めてお礼を」の言葉が本当に別の機会にでっかいお礼を持ってくるなんて思いもしませんでしたが、それは別の話です。


 セラミロさんから聞きましたが、この臨時〈エデン店〉のおかげで無事暴動も起きず、騒ぎも終息したようです。


「十分な数の上級ポーションが学生に行き渡ったと判断しました。学生にも臨時〈エデン店〉は今日までだと伝えてありますし、もう閉店しても大丈夫でしょう」


「良かったです」


 上級ポーションはお高いのでそれほど大量に買うことはできません。

 それこそ下位のギルドではお守り代わりに上級ポーションを1つ買っていったというところもあるそうです。

 そんな上級ポーションを湯水のように使う〈エデン〉って改めてとんでもないって思いました。


 学園からのお墨付きももらえたので明日からは私も〈学園出世大戦〉では応援に回りますよ。

 あ、その前にゴーレムを仕上げないとですね。

 夜は少し時間がありますし、明日も〈エデン〉がAランク戦を行なうのは午後からとのことなので、それまでに良いのを作り出さないとですね。


 打ち上げが終わって解散したあと、日課のハイスラリポマラソンをして湯船に漬かり、お風呂から上がってコテちゃんの加工に移りました。


 加工にレシピはありません。使用する素材によって上昇する能力値が変わるそうです。

 本来なら膨大な研究の末に究極の1体を完成させるがごとし奥深いもので、とてもではありませんが明日の〈学園出世大戦〉には間に合いません。それが普通ならば。


「ですが、私には秘策があります。それがこの、ゼフィルス君メモです!」


 他に誰も居ない自分の部屋でそう宣言し、じゃじゃんと取り出したのはなんとゼフィルス君が書いたメモ帳でした。

 私たち〈エデン〉のギルドメンバーはこれがとんでもないものだと知っています。

 ゼフィルス君、そんなものを気軽に渡さないでくれるかな?


 中を読むと案の定。

 どの素材が〈魔錬筋肉加工台〉とゴーレム作製に相性が良く、上昇値が良いか、どういう目的で使うのか、こう使うのであれば使う素材はこれがお勧めとか、これで代用可などなどと書いてありました。

 本当にこんなのどこで知ったの? という情報が満載でした。


「あ、この素材って確か」


 メモの中に気になるところを見つけました。使う素材が手元にあるのです。


「あ、あった!」


 ゼフィルス君から渡された〈岩ダン〉素材の詰まった〈空間収納鞄(アイテムバッグ)〉を逆さにして素材を取り出し、〈解るクン〉で『解析』していると、見つけました。


「〈岩ダン〉55層ボス〈最終防衛機械・ムテキン〉の素材? なんでそんな素材が紛れているのかなゼフィルス君?」


 多分、出すところに出せば目が飛び出るほどの高額で取引できる素材です。

 それが他の素材と一緒に入っていました。

 本当にどういうことなんだろうねゼフィルス君?


 でも、多分これってゼフィルス君の思いやりというか、わざとこうしているんですよね。

 これくらい雑に扱われていれば私も使う時に緊張しなくて済みますから。

 はぁ。よっし、頑張らないと!


 メモによればこの素材を使い人工筋肉を作るととんでもない能力上昇に繋がるそうです。

 なのでこれを使いたいと思います。ですが、すぐには取りかかりません。


「まずは練習からですよね」


 何事にも練習は欠かせません。

 朝の時はゼフィルス君がいましたからなんとかなりましたけど。

 まだまだ練習が必要だなってしみじみ思いましたから。


 試作品を作るのはそのあとです。





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ゲーム世界転生〈ダン活〉1巻2022年3月10日発売!
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