#170 Bランク戦ギルドバトル開始。エデンって強い。
日曜日なので本日3話投稿!
まだ読んでいない方は2回バック!
Bランク戦の相手が決まってから1週間は本当にバタバタでした。
なにしろ私も戦闘ギルドバトルに出場しなくてはならないのですから準備することはたくさんあります。
しかも相手はBランクギルドで3番目の実力のあるギルドだそうです。
なんでゼフィルス君そんなところに挑んじゃったの!?
そう思ったのですが、ちゃんと理由がありました。
〈青空と女神〉にいる〈エデン〉専属の上級生産職、ソフィ先輩という方を巡っての争いだったみたいです。
どうも〈カッターオブパイレーツ〉さんもソフィ先輩が欲しいと、そういう話だったみたいです。
それで、ゼフィルス君はソフィ先輩を守るために〈カッターオブパイレーツ〉とギルドバトルをすることにしたということでした。
なるほど、そう言うわけですね。納得しました。
だってゼフィルス君には今までたくさんの前例がありますからね。特に女性関係の。
今回も同じ感じでしょう。私には分かります。
でもゼフィルス君のことですから、きっとソフィ先輩が困っていたから助けたんですよね。ゼフィルス君はそういう人です。
わかりました。なら私も覚悟を決めます! Bランク戦、全力で頑張りますよ!
「そうと決まれば上級の錬金砲の開発と、あ、そうだ。ゴーレムさんも完成させないと!」
生産職だからって侮ってはいけませんよ。活躍出来るところを見せて上げます!(普通は活躍しません)
その日から、放課後は生産と開発の毎日でした。
おかげでゴーレムさんも試作品が完成です!
ゼフィルス君の言っていたとおり、変に足したり減らしたりせず、スタンダードのまま強化するのが一番バランスが良いと分かったので、ゴーレムさんはかなり普通の見た目になりました。
ゼフィルス君が採ってきてくれた上級素材をたくさん使ったので、かなり強く出来たんじゃないかなと自負しています。
あ、ゴーレムさんの名前も決めないとですね。
でも試作品ですし、名前を決めなくてもいいのかも? でもでも、せっかく初めて仕上げたのだから思い出に名前を付けてもいいですよね(スライムは?)。
「うう~ん。〈鋼鉄ゴーレム〉だからコテちゃんかな?」
こうしてアイテム名〈鋼鉄ゴーレム〉はコテちゃんに決まりました。
可愛い名前が付けられて満足です。
「ギルドバトルは大変だけど、一緒に頑張ろうねコテちゃん!」
「―――!」
コテちゃんが片手を挙げて返事をしてくれました。
とても厳つい見た目ですけど、可愛いですよね?
そして1週間が経過して、いよいよギルドバトルの日になってしまいました。
「うう、緊張するよ~。私みたいな防御力じゃやっぱりダメなんじゃないかな~」
「大丈夫だよハンナちゃん。私が守ってあげるからね!」
「シャロンさん!」
緊張してあわあわしていると、励ましてくれる人が現れました。
この方はシャロンさん。
ギルド〈エデン〉に最後に加わった、ゼフィルス君が直接スカウトに出向いた方です。
なんとシャロンさん、〈アークアルカディア〉経由の昇格ではなく、ゼフィルス君から直接親ギルドの〈エデン〉に招かれた方なんです。
最近の〈エデン〉は上限人数の問題で、新しい人には〈アークアルカディア〉に一度加入してもらって、昇格試験を経て〈エデン〉に昇格するという方法を取っていました。その唯一の例外がこのシャロンさんなんです。
つまりこのシャロンさんは、それほどとんでもない能力を持っているということになります。
あわわ、気軽に話しちゃっても大丈夫でしょうか?
「私は本拠地の守り手だもん。絶対にハンナちゃんも守るよ。でも私だけだと迎撃にまで手が回せないから、ハンナちゃんも一緒に本拠地を守ろう! 協力してハンナちゃん!」
「は、はい! 私の手でよければ!」
はっ! つい反射的に答えてしまいました!?
でも、私みたいな生産職でもお役に立てるなら、頑張りたいと思います。
私の役目は本拠地を守ること。
ここにはシャロンさん、ラナ殿下、リーナさん、そしてラクリッテちゃんがいます。
この5人で本拠地を守り抜かなくてはいけないそうです。ひぇ~、大変です! で、ですが負けません! 私の新武装もお披露目しちゃいます!
期待に応えるため、私、頑張ります!
そう意気込んでいたこともありました。
ですが試合が開始されてすぐ、私は思いました。
あれ? これ私ってもしかして必要無いんじゃ無いかと。
それはシャロンさんの能力。
本拠地を守る特化職、【難攻不落の姫城主】の力のおかげでした。
【難攻不落の姫城主】は、防壁や設備などを召喚し、本拠地を要塞化する能力だったのです。
おかげでどんどん建っていく防壁、城門、兵器まで。シャロンさんが次々と召喚していきます。
「凄まじいですわね」
「でもこれでそう簡単には攻撃できないわ! 私たちで近づく奴らを全て蹴散らしてあげましょう!」
どうやら目を丸くしていたのは私とラクリッテちゃんだけで、リーナさんとラナ殿下は普通に歓迎していました。
これが、偉い人の感覚!
ですが、私も協力しないといけません。
「ハンナちゃーん、物見台とバリスタを出すから確認してもらえるー?」
「はーい!」
そう、私の役目は主にシャロンさんのスキルによって召喚される兵器の確認でした。
物見台の上にバリスタなどが設置されると私がどこまで狙えるのか、どこを攻撃出来るのかを調べ、死角を無くしていきます。
なんでこんな弓兵さんの真似ができるのかって?
……なんででしょう?




