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【本編書籍化】ゲーム世界転生〈ダン活〉EX番外編~ハンナちゃんストーリー~  作者: ニシキギ・カエデ
第四章 ハンナの大変化する日常編!

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#168 ゴーレム作製は難しい。加工台ってなんだろう?




 ローダ先輩に教えを請うてからすぐにギルドハウスの錬金工房に籠もり、ゴーレム作製の研究をしました。


 ですがゴーレムはなかなか良い感じに作れません。

 ゴーレムというアイテムは、ギルドで1体まで出すことができるらしいです。


 ギルドバトル中に1体まで出せます。ダンジョンでも1ギルドで最大1体まで出すことができる特別なアイテムらしいです。

 ちなみに2体以上同時発動しようとしたり、呼び出したりしても動かない人形になってしまうというのだから驚きです。


 そのため、複数のゴーレムを作って弱点などをカバーすることは不可能で、1体で完全なるゴーレムを作らなくてはなりません。

 ゼフィルス君に許可を取って上級の素材も使わせてもらい研究してみましたが、あと一歩足りない感じです。


 時間もあまりないので、試作品で挑むことになりそうですが、現在その試作品ですら上手くいっていない状況ですね。

 うーん、パワーが足りません。


「パワーを足して、耐久も両立するにはなんの素材を混ぜたらいいのかな?」


「なにやってんだハンナ?」


「ひゃ! ぜ、ゼフィルス君か~。もうおどかさないでよ~」


「おお、悪い。ノックはしたんだけど返事が無くてついな」


 それは、私も悪かったですね。

 少し集中しすぎていたみたいです。

 私は落ち着くために甘いアップルジュースを一飲みしました。

 甘い栄養が体に染み渡っていきます。


「ふぅ、美味しい」


「これは……ゴーレム作ってたのか?」


「うん。だけどパワーと耐久を上手く両立出来なくって」


「ああ。なるほど、他の要素を詰め込みすぎたのか。加工台もないのによくここまで作り込んだな」


「加工台?」


 なんだか聞き慣れない不穏な言葉が出てきました。

 ゼフィルス君はたまにどうしてそんなことを知っているの? ということがあります。

 これは、その時の雰囲気によく似ていました。

 私は、何かを見落としてしまったかのような緊張のドキドキ感に襲われました。


「ゴーレムってアップデートできるのは知っているか? 武器なんかも持たせられるんだ」


「え、えっと、うん。知っているけれど。でも武器を持たせた分ゴーレムの強度とかも減っちゃうから、基本は無手の方が役に立つって聞いたよ?」


「まあスタンダードはな。だがそれ専用に作れば能力の低下も低減できるようになるんだ。それが加工台。ゴーレムを加工して特化型に改造したりできる工具だ。例えば銃を使うゴーレムなら、それ専用の体型があり、それ専用の中身がある。足腰や重量を強化したりな。そのバランスを調整するのに加工台が必要なんだ」


 そんな話、ローダ先輩は一言も言っていませんでした。ゼフィルス君独自の情報の線が深まりました。


「だが、ハンナの作品は加工台も無いのに色々対策しようと積んだせいでパワーと耐久が落ちているんだな。いや、耐久はかなりあるのか。パワーだけ無い感じだな」


「そこまで分かるんだ?」


「まあな。これでも壁にするだけなら良いと思うが」


「うーん、でもゴーレムは足も遅いし、Bランク戦では守っているだけじゃ勝てないし」


「……勝つ気なのかハンナは。Bランク戦出場者の戦闘メンバーに? 方向性間違ってないか……?」


 何かゼフィルス君が小声で言っていましたが、私にはその声は聞き取れませんでした。


「こほん。とりあえず、加工台が無いとスタンダードが一番強い。パワーを上げたいなら他を削るしか無いな」


「加工台。その加工台はどうやって手にいれたらいいの?」


「ああ、それは上級ダンジョンで…………」


「上級ダンジョン?」


 なぜかそこで言葉が切れるゼフィルス君。聞き逃せない言葉な気がしました。


「……まあ、その内見つけてくるから、それまでハンナにはゴーレム作製は諦めて他のサポートを頼みたいんだ」


 あ、今ゼフィルス君が話を逸らしました。

 絶対言ってはいけないことを言っていたんだと思います。


 ……なので私もとりあえずは忘れることにしました。

 ゴーレムさんごめんなさい。ギルドバトルに間に合わないかもしれません。

 スライムをたくさん作れば勝てるかな?


 あ、スライム叩きたくなってきました。今日はもう寮に帰ってスラリポしましょう。


 そうして私はゼフィルス君と別れ、帰路に着いたのでした。





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ゲーム世界転生〈ダン活〉1巻2022年3月10日発売!
― 新着の感想 ―
[一言] 1日でゴーレム数十体作れるマギクラフト・マイスターってなんだろうね(笑)
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